パーキンソン病に特化した施設とは?


株式会社サンウェルズが全国に展開するPDハウスは、パーキンソン病に特化した住宅型有料老人ホームです。パーキンソン病とは、脳の異常によって身体の震え、筋肉・関節の硬化、歩行障害などの症状が起きる神経難病です。PDハウスでは難病に向き合う利用者をサポートするため、おもに次のサービスを提供しています。



今後も続々と新規開設を控えているため、看護師を募集しています。今回は、PDハウス岸部のオープニングスタッフを経て、訪問看護管理者を経験ののち、教育部で訪問看護管理者の育成を担当している國村さんに、パーキンソン病に特化した有料老人ホームならではの業務内容や、身につけられるスキルなどを聞きました。
話を聞いた人
教育部 國村 愛さん
衛生看護科卒業後、大学病院付属の看護専門学校に進学。そのまま同大学病院に就職。外来、急性期、療養、回復期などを経験し、病院の勤務歴は25年にのぼる。2021年4月に、PDハウス岸部(大阪府吹田市)のオープニングスタッフとして入職。現場での経験を経て、現在は新規開設時の研修や教育を担当している。
リハ職も看護師も介護をするのが魅力
──パーキンソン病に特化した有料老人ホームの特徴を教えてください。
國村さん:専門医療との連携や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士配置によるリハビリの提供、24時間看護師が常駐している点が特徴です。パーキンソン病は、少しずつ症状が進行していく神経難病です。看護師だけでなくリハ職や介護スタッフがチーム医療体制をとることで、細かな症状の変化にもみんなでサポートしています。
──國村さんは病院勤務のご経験が長いですね。なぜ病院から有料老人ホームに転職しようと思ったんですか?
前職に不満があったわけではないのですが、看護師の仕事にとらわれすぎていたので、職種横断的に働きたいなとは思っていたんです。
そんなとき転職サイトを眺めていたらPDハウスに出会い、一つの分野に特化しているのっておもしろい! と感じたんです。リハビリ職も看護師も介護現場に介入するところに魅力を感じて応募しました。キャリアの最終形態として訪問看護に就きたいという希望もありましたので。
──PDハウスにおける訪問看護は、利用者さまのご自宅ではなく施設内にある居室を訪問されるスタイルですね。実際に入ってみてどうでしたか?
自分でもビックリするくらいスッと馴染めました(笑)。私は極度の方向音痴なので、ご家庭を訪問するのは向いていないなと思っていたんです。
PDハウス内における訪問看護では、常に看護師が3~5人、日勤帯、夜勤帯どちらも配置されています。訪問看護でも、すぐそばに相談できる看護師がいる点も働きやすいポイントでした。

訪問と施設勤務の2パターン経験できる
──一日の流れを教えてください。
PDハウスの看護師には、訪問と施設勤務の2パターンあります。


──訪問か施設かはどう決まるんでしょうか。
シフト制です。60床の施設で25名ほどの看護師がいて、施設業務は24時間の交代制です。訪問は受け持ち制になっていて、一人の看護師につき利用者さま3名を担当しますが、すべての利用者さまに関わるようになっています。
訪問看護は、サービス提供責任者が作成するスケジュールに沿って、1回30分で訪問していきます。訪問時間は長くないかもしれませんが、ご入居者さま一人ひとりの居室へ伺うので皆さんと接点がある点はやりがいに繋がっています。
訪問スタッフの場合は多重業務もなく、ご入居が安定してからは定時で帰れる日が多いです。残業時間もあっても1時間程度になりました。
──“PDハウスならでは”だなと思う業務はありますか?
看護師、リハ職、介護職が一体となってリハビリテーションやレクリエーションに参加することでしょうか。これがPDハウスの特徴なので、一緒になって楽しんでいます。今はコロナで難しいのですが、できればお花見やお散歩など外出もできるようになればなと思っています。

知識や経験より利用者さまに寄り添えるかが大切
──中途入社の方には、どのような研修が用意されていますか?
新しく開設する施設にご入社いただく方には、開設1ヶ月前からオープニング研修が用意されています。理念研修やパーキンソン病を学ぶ研修などから始まり、施設での働き方についてしっかりした研修があります。
既存の施設では、OJT研修があります。OJT研修が終わって一人で訪問となると不安かもしれませんが、個人宅に伺う訪問看護と違って、すぐ相談できる距離に仲間がいるので心強いです。
──キャリアアップのための研修もありますか?
はい。キャリアに応じた研修も用意されているほか、パーキンソン病の専門分野に関しては順天堂大学の先生によるオンライン研修が受けられます。病院勤務の看護師でもこんなに専門性の高い研修は受けられないのではと思うほど、質の高い研修が受けられますよ。
──PDハウスに入職すると、専門知識が身につけられるというのは大きなメリットですね。そのほかに習得できるスキルはありますか?
自分の得意分野を伸ばせる会社だなと感じています。私自身、病院のときもマネジメント業務につくことはあったんですが、すごく苦手意識を感じていました。でも、看護業務から教育担当になったとき、自分の苦手分野を伸ばすより得意分野を伸ばしていけばいいんだって気付かされたんです。
あと、役職・役割がたくさん用意されているのでチャレンジできる環境ですね。実際、上昇志向の方がたくさんいます。病院だとあまり師長になりたいとかいう人はいないんですけどね(笑)。
──多職種間の交流はありますか?
看護師同士はもちろんですが、ほかの職種にも気軽に相談しています。それぞれの得意分野はありますが、職種が違うから聞きづらいなんてことはまったくないですね。訪問看護終了後に機能訓練をおこなうんですけど、作業療法士や理学療法士に相談すると、良い方法を教えてくれたりするんですよ。
──入社されてから、壁にぶつかったことはありますか?
私の場合、意外とすんなり馴染めたんですが、病院から転職した人の中には、どう利用者さまに接すればいいか悩む人はいますね。
嚥下機能に問題がある利用者さまが、固形物の食事を希望される場合、病院ではダメという判断が下されます。誤嚥のリスクを考えるとそうなのですが、ここではいろんな職種やご家族を巻き込んで、いかにご本人の希望を叶えるかを話し合います。
体に悪いことはダメという考えを変えて利用者さま側の視点に立つことが大切だと思います。
──いかに利用者さまの意向に寄り添えるかが重要なんですね。では、入社されてからの思い出深いエピソードはありますか?
奥様の入居で相談に来られた方がいたんです。長年一人で介護をされていて、病気に関する知識も豊富で細かい部分までケアされていました。正直ご主人がやってきたケアを施設でもできるかという不安もあったんですが、相談に来られた経緯を聞いたり奥様の状態を見たりと何度も顔を合わせているうちに、入居いただけることになりました。
そのときご主人から、「今までの関わりから國村さんのことを信用できると思って入居を決めた」と涙を流しながら話してくれたんです。嬉しい気持ちとともに責任も感じて頑張ろうと思いました。
──心温まるお話ですね。では、最後に今後どのような方と一緒に働きたいですか?
病院から施設への転職は不安もあると思います。訪問時に利用者さまの状態を見極めて医師につなげるという判断力が求められるんですが、病院勤務での経験は絶対に活かされます。
訪問に慣れることや専門知識を身につけることは入社後でいいので、利用者さまの気持ちに寄り添える人に来てほしいなと思います!
