介護職の人材確保のほかにもメリット大の施設内保育所
近年、介護職の慢性的な人材不足が問題化しています。介護施設の運営者側も人材確保の一環として、施設内保育所を併設するところが増えてきました。それだけではなく、厚生労働省も宅幼老所(地域共生型サービス)への取り組みを進めており、地域福祉の拠点施設として介護施設+保育園の複合施設を増やしていく方向です。
また、介護施設の敷地を利用して保育園を設置できるため、待機児童の解消策としても期待されています。このように介護側・保育側双方にとってメリットがあるため、今後もこのような施設は増えていく傾向にあると言えます。
併設保育所に子どもを預けるとこんなメリットがあります
未就学児を子育て中の介護職の方がこれから就業先を探すなら、併設保育所がある介護施設がおすすめです。そして就職した時には、その併設保育所を利用するといいでしょう。
併設保育所は基本、介護施設の勤務時間に合わせて保育時間が決まっていることが多く、勤務事情を理解してもらいやすくなっています。同じ敷地内なので、保育中にお子さんの具合が悪くなった時も連絡がつきやすいですし、勤務状況によっては様子を見に行けるので安心です。介護施設によっては看護師が常駐しているので、お子さんの様子も同様に見てもらえることもあるようです。
また、夏祭りやお餅つき大会、花見などの大きな行事は合同で行われることも多いので、勤務中ではありますがお子さんとともに楽しむこともできます。仕事の後、お子さんとの共通の話題ができるというのも魅力的ですね。そして何より、お子さんが高齢者の方々と交流することによって、貴重な経験が多く得られるでしょう。
併設保育所利用を決める前に気にしておきたいこと
仕事人としても、保護者としてもメリットが大きいと思われる施設内併設保育所ですが、気にしておきたいこともいくつかあります。
介護施設によっては同じ建物内の一室に保育所を設け、高齢者が自由に周辺を行き来できるようになっているところもあります。このような場合、施設全体として十分な対策をしているはいえ、介護職としても保護者としても事故や感染症などが心配になるかもしれません。
また、定員についても気をつける必要があります。併設保育所があっても、現在勤めている職員のお子さんで定員に達している場合もありますので、就業の際に必ず確認しておきましょう。
さらに、併設保育所によっては2年保育の年齢(年中)までの幼児のみ対象(年中・年長児は地域の保育園を利用するよう)と言われるケースもあります。このような場合はスムーズに次の保育園が利用できるよう、あらかじめ準備などをすすめておくことをオススメします。