1.交通費支給とは
2.交通費支給の方式
2-1.交通費の支給は3パターン
2-2.交通費はいつ支払われる?
2-3.交通費は課税?非課税?
3.交通手段による支給例
3-1.電車やバスなどの公共交通機関
3-2.車やバイクなどのガソリン代がかかる交通手段
3-3.徒歩や自転車の場合
1.交通費支給とは
多くの企業や法人では、従業員の通勤や出張にかかる費用を「交通費」または「通勤手当」として支給しています。この「交通費支給」は、労働基準法などによって定められた義務ではなく、あくまで企業や法人の判断に委ねられた福利厚生のひとつです。
しかしながら、人材不足が深刻化する中、事業所はスタッフの負担を少しでも減らし、働きやすい環境を整える必要があります。その結果、医療介護福祉系の多くの職場でも「交通費支給」が採用されています。
交通費の金額・支給方式は事業所によって異なるため、求人票で確認するだけではなく、面接時に採用・人事担当者に聞いておきましょう。
2.交通費支給の方式
2-1.交通費の支給は3パターン
交通費支給の方式には「全額支給」「一部支給」「一律支給」があります。
「全額支給」では、通勤にかかる費用がすべて支給されます。従業員の負担は0円なので望ましい方式ですが、企業・法人側にとっては遠方から通う従業員に多額の交通費を支払わなくてはいけないというデメリットがあります。そのため次に挙げる、日ごと・月ごとなどで金額に上限を設けた「一部支給」を採用している企業や法人も多いです。
「一部支給」では、「1日500円まで」「月20,000円まで」といったかたちで、支払金額の上限が定められています。
「一律支給」では、日や月単位で決まった交通費が全従業員に一律に支給されます。企業・法人側には「従業員ごとに交通費を計算する必要がなくなる」というメリットがあります。
従業員にも「交通費が安く済んだ月にも決められた金額が支払われる」というメリットがある一方、交通費が高くなったときの負担額が大きいというデメリットがあります。
2-2.交通費はいつ支払われる?
当月の交通費は、給料日に合わせて支払われることがほとんどです。そのため、給料日までは従業員自身で立て替えることになります。交通費が高く、まとまった金額の立て替えが難しい場合は、採用・人事担当者に相談してみましょう。
2-3.交通費は課税?非課税?
交通費は上限額を超えなければ非課税です。
通勤のために公共交通機関を利用したり、マイカーや自転車で通勤したりする場合、自宅から片道2km以上であれば、月額10万円までは非課税です。しかしながら、10万円を超えると差額分は課税対象となります。片道2km未満であれば、全額課税対象となります。
3.交通手段による支給例
3-1.電車やバスなどの公共交通機関
電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合、企業・法人は従業員が申請した最寄駅から勤務先までの最短ルートを割り出し、全額または一部の交通費が支給されます。定期券を購入する場合は、領収書の提出が必要となります。
交通費を多く受け取るため、遠回りのルートを申請した場合、懲罰の対象となるため注意しましょう。
医療介護系の職種では、訪問介護の移動にかかる移動費・ガソリン代を事業所への交通費とは別に支給している職場もあるので、求人票でチェックしてみましょう。
3-2.車やバイクなどのガソリン代がかかる交通手段
車やバイクなどの交通手段には、実費でガソリン代が支給される場合、月ごとに定額が支給される場合、勤務先までの距離で支給される場合などがあります。
(求人票の一例)
<実費でガソリン代が支給される場合>
領収書を提出することで、通勤にかかった実費(ガソリン代)が支払われます。全額支払われるか、一部が支払われるかは規定によって異なります。
<定額が支給される場合>通勤にかかった距離やルート、ガソリン代に関わらず、日や月単位で決まった交通費が支給されます。
<勤務先までの距離で支給される場合>「1キロあたり〇〇円」などの基準にもとづき、自宅から勤務先までの総距離で支給されます。車種により金額が異なることもあるので、社内規定を確認しましょう。
3-3.徒歩や自転車の場合
勤務先が自宅から近く、徒歩や自転車で通える場合は基本的に交通費の支給はありません。しかしながら、中には自転車の走行距離に応じて交通費を支給したり、駐輪場代を負担したりする職場もあります。
就職・転職活動をするときは、ご紹介した「交通費支給」に関する情報を求人票で忘れずにチェック。自宅から勤務先までの通勤をシミュレーションして、面接時に質問しておきたいことを整理しておきましょう。