医療・介護の現場では、人手不足だけでなく「採用してもすぐに辞めてしまう」というミスマッチが課題とされています。実際に、仕事内容や職場の雰囲気を十分に理解しないまま就職し、早期退職してしまうケースは少なくありません。
そうしたなか、スターツケアサービス株式会社が運営する「小規模多機能きらら春日部」では、スポットワークサービス「ジョブメドレースポット」を活用し、入職前に体験勤務をしてもらうという新しい採用のかたちを取り入れました。
今回は、体験勤務を経て入職した看護師の髙島一輝さん、現場を統括する管理者・長岡美和さん、そして導入を推進したグループ長の石川直樹さんにお話を伺いました。

「試しに働いてみませんか?」が入職のきっかけに
──髙島さんはどのような経緯できらら春日部で働くことになったんですか?

以前勤務していた病院を2025年6月に退職し、アルバイトでいくつかの医療関係施設に勤めました。そろそろ本格的に就職活動をしようとジョブメドレーに登録したところ、きらら春日部からスカウトが届いたので応募したんです。
▼ジョブメドレーのスカウトとは?
──最初はジョブメドレースポットから応募したわけではなかったんですね。

そうなんです。応募したあとで施設を見学したのですが、そのときに石川さんから「ジョブメドレースポットという体験勤務サービスがあるので、試しに働いてみませんか?」と提案をいただいたんです。

当社でジョブメドレースポットを導入したタイミングだったので、これはいい機会だと思いました。
小規模多機能型居宅介護(以下、小多機)は、世間的な認知がまだ高くなく、仕事内容を深く理解している有資格者も多くはありません。そのため、「働いてみたらイメージと違った」と早期退職してしまう方が少なからずいました。
そうしたミスマッチを防ぐにはどうすればいいかを考えていたとき、ジョブメドレースポットの導入が決まったんです。「通い」「訪問」「宿泊」を一体的に提供する小多機の仕事を理解していただくには、実際に体験してもらうのが最もわかりやすいと感じました。

──現場としては、入職前の体験勤務をどう受け止めましたか?

現場としても、まずは仕事を体験してほしいと伝えました。その職場が自分に合うかどうかは、実際に働いてみないとわからないですよね。働いてもらうことで少しでも小多機を理解してほしかったですし、施設の雰囲気を感じてもらえるんじゃないかと思いました。
迷いながらも、考え抜いてたどり着いた決断
──体験当日はどんな業務をしましたか?

施設の説明を受けたあと、看護師の1日の流れを教えてもらいました。あとはフロアに出て利用者さまと一緒に体操をしたり、お話をしたり。実際に働く職員の方々の動きも間近で見ることができました。
──現場を見た印象はどうでしたか?

小多機の看護師がどんな役割を担っているのか、どんな利用者さまがいて、どんな職員が働いているのか、そのあたりを知りたいと思っていました。体験してみて、職員のみなさんが明るく前向きに仕事をしていて、とても温かい職場だなと感じました。
ただ、看護師も調理業務に関わると聞いて、少し不安になりました。料理の経験がほとんどなかったので、利用者さまに提供するものを作れるか心配だったんです。
──長岡さんは、髙島さんの体験業務を見てどのような印象を受けましたか?

利用者さまをとても尊重している方だなと感じました。初対面の利用者さまへの声かけや距離の取り方が絶妙で、現場にすぐなじんでいましたね。過去にデイや訪問看護での経験があったことも大きかったと思います。
数時間一緒に過ごすだけでも、その人の人柄や仕事ぶりはなんとなく伝わってきます。体験の段階で「ぜひこの方に来てほしい」と思いました。

──体験から入職までの経緯を教えていただけますか?

体験勤務のあと、2週間ほど経って一次面接を受け、その後すぐに二次面接を受けました。
一次面接のあとに内定をいただいたのですが、未経験の業務をこなせるか不安が拭えず、二次面接という形で入職後の働き方をもう一度聞かせてもらったんです。
体験と面接をしてから、きらら春日部で働く自分の姿を何度もイメージしました。面接のあとに少し考える時間をいただいて、「経験のない仕事だからこそ、将来の糧になるかもしれない」と思い直したんです。
──不安を抱えながらも前に進めたのはなぜでしょう?

現場のみなさんが本当に温かく、「ここで働けたら楽しそうだ」と感じたんです。調理業務も「自分のペースで慣れていけばいい」と言ってもらえたので、チャレンジしてみようと思えました。

私も看護師なので、「看護師が介護の現場でどう立ち回ればいいのかわからない」という気持ちは理解できました。体験で看護師がどう働いているか見ていただき、役割も説明できたので、それに関しては理解していただけたんじゃないかなと思っていました。だからこそ、実際に入職を決めてくれたときはすごくうれしかったです!
「何度も顔を合わせることが大事」時間をかけた採用に手応え
──体験勤務をする人を受け入れるとなると、施設側の準備も必要だと思います。髙島さんの受け入れ時に意識したことや準備したことはありますか?

当社として体験勤務をする人が初めてだったので、現場職員には事前に体験勤務をする人が来ることを周知しました。その際、「小多機の看護師の仕事を知ってもらうための体験です」と目的を理解してもらいました。

見学と体験勤務をする人が初めてだったので、私たちとしても新鮮でした。体験勤務のあといろんな職員から、「髙島さんはいつ入職するんですか?」と聞かれました。みんな心待ちにしていたんです。

──ジョブメドレースポットを利用してみて、今後の採用の仕方に変化はありそうですか?

採用側としては、応募してくださった方の人となりや性格をしっかりと把握したいといつも感じていました。今回の体験勤務は、人柄や働く姿を見れたと同時に、お互いのことを理解できて非常に有意義だった思います。
髙島さんの採用のケースでは、応募のあと見学に来ていただき、職場を体験してもらい、その後面接を2回おこないました。このように何回も顔を合わせることが大事なんだと思います。
正直なところ、現場としては「すぐにでも採用したい」という思いはありますが、早期離職やミスマッチを防ぐためにも、ジョブメドレースポットを活用しながら少し時間をかけた採用活動をしていきたいと思います。
──では最後に、髙島さんの今後の目標を聞かせてください。

きらら春日部が提供するサービスは幅広いので、ここで経験を積めば、看護師としての視野をもっと広げられると感じています。まだ入職して1ヶ月半なので具体的な目標は見えていませんが、目の前の仕事を一つひとつ確実にこなしながら、早く独り立ちできるよう頑張っていきます。
医療介護の職場を体験できる「ジョブメドレースポット」

ジョブメドレースポットは、医療・介護・福祉の求人サイト「ジョブメドレー」と連携したスポットワークサービスです。本格的に就職する前に、業務内容や職場の雰囲気を“お試し”できます。資格を持つ方はもちろん、これから介護・福祉の仕事を考えている無資格の方も利用可能です。
登録可能資格
介護福祉士、介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級/基礎研修)、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)、主任介護支援専門員、介護支援専門員(ケアマネジャー)、福祉用具専門相談員、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、社会福祉主事任用資格、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、調理師、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師
募集施設
一都三県(順次エリア拡大予定)
【詳細はこちら】ジョブメドレースポット