1.今回インタビューしたのはこんな人

──今までさまざまな職場を経験されたんですね。簡単に職歴を教えてください。
転職回数としては今回が5回目かな?
新卒で病院に就職し、出産・育児で一度退職したあと訪問看護ステーションで復職しました。そのあとは介護付き有料老人ホームと、短期間ですがクリニックを経験しました。
そのクリニックの人間関係でつらい思いをして……一度看護から離れようと2019年から一般の派遣の仕事を始めました。その派遣は約2年で辞めて、小規模多機能型居宅介護へ転職して今に至ります。
──一度看護から離れたものの、また看護師として働くことを選んだのですね。
看護を離れてみて、看護の仕事の大切さや人と働くことの楽しさを再認識したんです。
私が経験した一般の派遣の仕事は人相手ではなく、入力作業などの物相手で。仕事量がわかりやすかった面もあるんですが、どこか物足りなさを感じていたんですよね。
看護はコミュニケーション抜きではできない仕事なので、今まで培った力を活かしながらまたやってみたいなって思ったんです。

※取材は感染症対策に十分に配慮し実施しました
──なるほど。Hさんが仕事を探すときに重視したポイントを教えてください。
1つ目はデイサービスなど未経験の施設・領域であること。新しいことに挑戦しつつ、今まで培った処置の技術や経験を活かしたいと思いました。
2つ目は施設の定員が小規模なこと。介護付き有料老人ホームで働いていたとき、60人の入居者さんを1人で看ていてすごく大変だったので……!
3つ目はパートとして夫の扶養内で働けることですね。57歳での転職だったので、年齢的にも体力的にも正職員でバリバリ働くのはちょっと違うかなって。
──体力面も考慮した職場選びだったんですね。転職期間はどのくらいでしたか?
1ヶ月かからないくらいでしょうか。
2020年の12月に派遣の仕事を辞めて、2021年の2月の頭から本格的に転職活動を始め、2月中に内定をいただきました。
──かなり短期間ですね!
実は派遣の仕事をしている時期も、ジョブメドレーとナース専科はずっと登録していたんですよ。情報収集は適度にしていたのでスムーズだったんだと思います。
──日頃から求人のチェックをされていたんですね。応募は複数の事業所に?
いえ、ナース専科経由で1ヶ所だけ応募しました。
──“経由”というのは?
求人に応募する前に「問い合わせ」という形でサイトに電話番号が載っていたんですね。電話をすると紹介会社と繋がって、エージェントのような担当者が付いてくれました。
その担当者と電話面談とオンライン面談をやって、私に合う職場を2ヶ所紹介してくれて。その中の1ヶ所に応募することに決めたんです。
──ちなみにもう1ヶ所に応募しなかった理由は……。
通勤に1時間以上かかるんですよ。
あとは応募前のやりとりでも毎回連絡が遅かったんです。決まった期日に返答が来ないこともあったので応募を控えました。ちょっと信頼できないかもなって思って。
──それは不安になりますね。応募した事業所は、重視したポイントをクリアしていましたか?
はい! 小規模多機能型居宅介護は未経験でしたし、施設の定員も約30名と小規模です。雇用形態も週2〜3日勤務のパートで、扶養内で働ける時給でした。
2.看護師の履歴書・職務経歴書(実例)
履歴書

職務経歴書

──では履歴書や職務経歴書について聞かせてください。字がきれいですね!
いやいや……! でも丁寧に書くように心がけました。
──手書きで書くのは大変じゃなかったですか?
あらかじめ職歴などを紙にメモしておいて、それを見ながら記入したのでスムーズでしたよ。1枚だけ失敗しましたが1時間くらいで書き終わりました。
──証明写真はどこで撮影しましたか?
近所の写真機で撮りました。
前に転職したときは写真館でしっかり撮ってもらったんですが、そこまでお金をかけなくていいかなって思って! 写真館のほうが写りがいいんですけど、どのみち面接で顔を合わせるから写真機でいいかなと。
──写真館と写真機では値段が全然違いますもんね。撮影時はどんな服装でしたか?
上はブラウスを着て、下は普段着のスカートを履いて、撮影するときだけスーツのジャケットを着ました。
──履歴書・職務経歴書を書くときに工夫したことはありますか?
さっき言った字を丁寧に書くことと、志望動機を簡潔に書くことですね。履歴書の志望動機欄が狭いので。
“長年に渡り施設を含め在宅看護に携わってきました。その中で培ってきた経験を生かしていきたいと思い、新たな環境のもと勉強させていただきたく、応募を希望しました。”
──反対に苦戦した部分は?
これもまた志望動機ですね。さまざまな職場を経験している分、アピールする部分が職場それぞれにあって簡潔にまとめるのが大変でした。
なので職歴全体に通ずるアピールポイントを簡潔に書いて、面接で聞かれたら細かい部分を答えるようにしましたよ。
看護師の転職では、得意な領域をアピールするのも一つの手かもしれませんね。
──Hさんの場合は在宅看護ですね。今ならこう書くな、と思う部分はありますか?
あ! 履歴書の日付が月までしか書いてないですね! 職務経歴書も!


あと、数ヶ月間だけ働いたクリニックの職歴を書いてないんですよ。勤務期間が短かったので……!
──短い職歴でも書いておくと良さそうですね。ほかに気になる点はありますか?
今思えば良いところだけじゃなくて、失敗から学んだことを書くのもいいのかなって思いますね。
私の場合は未経験領域への挑戦なので、失敗から学んで次に活かした経験から、新しい環境でも前向きに取り組める意欲を伝えられたんじゃないかな。
──なるほど。もしまた転職活動をするとしたら、履歴書をスマホやパソコンで作成しようと思いますか?
やっぱり手書きかなあ……! パソコンが得意だったらすぐに作れるし、読みやすくていいなって思うんですけどね。
でも履歴書って面接する本人よりも先に、人事の目に触れることが多いと思うんです。なので字に自信がない人は、パソコンやスマホで作成したほうが印象が良いかもしれないですね。
一方でパソコンやスマホは打ち間違いに気づかないこともあるのかな? 手書きだったら書き間違えた時点で気づけるかなと思います。
──手書きとパソコンそれぞれの良さがあるので、自分に合った方法を選択するといいですね。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下の通りです。ぜひ履歴書・職務経歴書を書くときの参考にしてみてください。
履歴書
1.全体的に見やすくて◎
文字の大きさや間隔が統一されており、見やすい履歴書になっています。
2.“学歴”の記載を忘れずに
職歴部分と統一するためにも、学歴部分の一行目には“学歴”と記載すると良いですね。
3.運転免許の表記は間違えやすいので注意!
資格欄には資格の正式名称を記載しましょう。運転免許の場合は「普通自動車第一種“運転”免許」となります。
4.志望動機に具体性を持たせよう
具体的にどんな経験を培ってきたのかを書くと、働く姿をイメージしやすいですね。また「新たな環境のもと勉強させていただきたく」の部分には、一歩踏み込んで“その事業所でしかできないこと”などを記載できるとより良いでしょう。
5.本人希望欄も記載しておくと丁寧
Hさんの場合は「扶養内での勤務を希望」と書きましょう。希望がとくにない場合は「貴社(貴院・貴法人)の規定に従います」と記載しておくと丁寧です。
職務経歴書
1.職歴部分は履歴書よりも詳細に書けると◎
履歴書に記載した内容に加えて、それぞれの職場でどんな業務をおこなったか、どんなポジションだったかなどの詳細を記載するとより良いですね。
2.短い職歴でも記載は必須です!
職歴を省いて記載すると経歴詐称とみなされ、何らかのきっかけで本来の経歴が職場へ伝わった場合、内定や入職が取り消される可能性があります。職務経歴書・履歴書には、在籍期間の長短に関わらずすべての職歴を記載しましょう。
3.自信があるポイントは強くアピールしよう!
自己PR欄に記載されている“コミュニケーション能力”は、どの事業所でも活かせるため強くアピールしましょう。コミュニケーション能力を活かして今までどんな成果があったか、次の職場ではどう活かしたいかを具体的に書くと説得力が増します。
3.看護師の面接対策

──面接はオンラインでしたか? 対面でしたか?
対面でした。施設長との面接が1回だけで、時間は30分くらいでしたね。
──面接当日までに対策したことを教えてください。
対策と言って良いのかわかりませんが、紹介会社の担当者とオンライン面談をしました。
今までの職歴やそれぞれの職場を辞めた理由、看護師として復職したい理由などをざっくばらんにお話ししました。
──第三者に話すことで情報が整理できて、良い対策になりそうです。
あとは面接で質問されそうなことに対する答えも事前に準備しました。志望動機、応募先の何に興味を持ったか、あたりは考えておいたかな。
応募先の地図を見て、交通ルートの確認もしておきましたね。実際に行ってみることまではしませんでしたが。
──なるほど。続いて面接当日のことについて教えてください。
面接当日は、紹介会社の担当者が同行・同席してくれたんですよ。
──同席まで! それは心強いですね!
担当者とは応募先の玄関前で面接の10分前に待ち合わせをしていました。約束の時間よりも早く着くように家を出て、結局待ち合わせの20分前に着いちゃいました(笑)。

──余裕を持った時間を意識したんですね。面接での提出物はありましたか?
履歴書、職務経歴書、看護師免許の写しですね。後日、健康診断書の提出もありました。
──提出物以外に当日持っていった物は何ですか?
スマホと予備のマスク、筆記用具、予備のストッキングですかね。女性はメイクポーチを入れておくと安心かも。
あ、持ち物ではないんですが、面接当日に履く靴は気をつけたほうが良いと思います!
──というのは?
とくに久しぶりに面接を受ける方なんかは、けっこう前に購入した靴を履くことがあると思うんです。でも古い靴は劣化していて壊れやすいんですよね。
私自身、出先で劣化していた靴が壊れた経験があるので注意してほしいです。新品すぎても靴擦れするし古くても壊れてしまうので、適度に新しく、履き慣れた靴がおすすめですね。
──たしかに面接当日に靴が壊れたら焦りますね……! 面接時の服装はどうでしたか?
黒地にストライプが入っているスーツを着て行きました。きれいめな服で行く人もいると思いますが、個人的に面接といったらスーツかなって。今まで経験した面接も基本スーツでしたね。
──身だしなみで気をつけたところは?
第一印象が大事なので、シャツのシワなどとにかく見た目に気をつけましたね。顔はマスクで隠れてしまいますが、ナチュラルメイクを心がけました。
──なるほど。マスク着用の面接ということで配慮した点はありますか?
いつもより大きめな声で話すようにしました。どうしても声がこもってしまうので。あと目力も意識しましたね(笑)。
──マスクを着けると目元しか出ないですもんね。面接ではどんなことを聞かれましたか?
まず「なぜ一般の派遣から看護へ戻ろうと思ったのか」を聞かれました。
最初に話したように「看護から離れて看護の魅力・人と関わる仕事の魅力を再確認した」と伝えて。面接官の施設長はすごく納得してくれましたね。
あとは「この職場でやりたいこと」も聞かれて、「新しい環境で自分の経験を活かしながら働きたいです」と答えました。あとは交通手段の確認ですね。
──今までの職場での退職理由などは深く聞かれませんでしたか?
そうですね、突っ込んだ質問はありませんでした。事前に紹介会社の担当者が私の職歴や経験などを応募先に共有していたと思うので、人柄の確認がメインだったように感じました。

──反対にHさんから確認したことはありますか?
質問ではないんですが、面接を通して施設長の人柄や相性を見ていました。
仕事をするうえで施設長と接する機会はとても多いので、一緒に働けそうかな、自分と合いそうかなって見てましたね。職場環境が良くても、トップの施設長と合わないと大変だと思うので。
──環境だけでなく一緒に働く“人”も大切ですもんね。内定の連絡はいつ頃でしたか?
面接の2〜3日後だった気がします。「今月(2月)から働き始めませんか?」と言われたんですが、さすがに心の準備をしたかったので翌月の3月から勤務を開始することにしました。
──急に慣れない職場で働くのは大変ですもんね。今回の転職を振り返って「もっとこうすれば良かった」と思う点はありますか?
応募先の会社のことをもう少し詳しく調べても良かったかな(笑)。紹介会社の担当者が紹介してくれたところなので安心してたんですよね。
その会社がどんな事業を展開しているのかも見ておくと、会社への理解がより深まって安心だったかもしれません。
──事前調査は安心材料になりますもんね。反対に「これをやって良かった!」と思うことはありますか?
給与面の希望など、面接で言いにくい部分を事前に紹介会社の担当者に話せていたのは良かったですね。紹介会社が求職者と事業所の仲介をしてくれていたので、雇う側も雇われる側もミスマッチを防げると思いました。
あと、当日は前の職場の悪口を言わないように気をつけたのも良かったです。悪口を言いたくなる気持ちもわかるんですが、面接官に「この人はうちを辞めたあとも、どこかでうちの悪口を言うのかもしれない」って思われてしまうので。「ここが嫌」ではなく「もっとこうしたいと思うようになった」ってポジティブに変換していました。
──では最後に、退職・復職・転職を経験したHさんから、転職を考えている方へメッセージをお願いします!
とにかく自分がどうしたいかを大切にしてほしいです。
「自分が辞めたら今の職場が大変だろうから辞められない」って気持ちもわかりますが、結局は自分が「こうしたい」って思う気持ちを重視したほうが良いんですよ。
転職を考えるということは、それなりにきっかけがあったんだと思います。自分で悩んで考えた末のことなので、転職を通してぜひ前進してほしいですね。
まだまだ男女の格差が無いとは言えないので、女性は細く長く──キャリアに穴を開けず、パートタイムでもいいから続けてみることを意識してもいいかもしれません。人生、先は長く明るいです! 前向きに頑張ってください!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下の通りです。ぜひ参考にしてみてください。
1.細かい配慮が◎
面接時に履く靴に気をつける、マスク着用時の声の大きさを意識するなど細かい配慮が素晴らしいですね。
2.前向きな姿勢が好印象!
前の職場のことを話す際もポジティブな言い方を心がけており、仕事に対して前向きな姿勢が伺えます。Hさん本人も振り返っていますが、事業所・企業の詳細をしっかり調べておくと「この事業所・企業がすごく気になっているんです!」という意欲がより伝わりそうですね。
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