
前年度の利用者数によって決まるデイサービスの規模
デイサービスの規模は、前年度にその事業所を利用したひと月あたりの延べ人数によって4つの区分に分類されます。
- ・小規模デイサービス:300名以下
- ・通常規模デイサービス:301名~750名
- ・大規模デイサービス1:751名~900名
- ・大規模デイサービス2:901名以上
通常規模以上のデイサービスは、都道府県の管轄で運営されています。一方で小規模デイサービスは、平成28年度より地域密着型サービスとして市区町村の管轄で運営されています。
利用者とじっくり向き合える小規模デイサービス
小規模デイサービスの1日の利用定員は1~10名ほど。広いスペースを必要とせず、事業所も店舗の跡地を活用したり民家を改装したりするところが多くみられます。小規模デイサービスの魅力は、そのアットホームな雰囲気と利用者とスタッフの距離の近さ。働く側にとっても利用者の状態が把握しやすく、一人ひとりのニーズに合わせてじっくりと向き合った働き方ができます。
また、スタッフ数もそれほど多くないといった特徴も。人員配置をみても、介護職員と看護職員のそれぞれを配置する必要がある通常規模以上のデイサービスと違い、小規模デイサービスではいずれか1名を置けばよいことになっています。少数精鋭のためスタッフのアイデアを吸い上げやすく、それを実行に移しやすいフットワークの軽さも特徴といえるでしょう。事業所によっては介護職/ヘルパーでも事務作業をこなしたり、管理職や生活相談員でも介護業務に入ったりといったマルチな活躍を求められる場合もあります。
見極める力が求められる大規模デイサービス
1日の利用定員が25名以上になる大規模デイサービス。なかには1日の利用定員が80名規模といった事業所もあります。大規模デイサービスでは一度に多くの利用者を把握しなければならず、得た情報をケアに結び付けられる素早い判断力や処理能力が求められることも。その分それぞれの職種の役割に専念できる人員配置となっている場合が多く、これまでの実務経験も生かしやすいといえます。
また、大規模デイサービスは大きな法人が運営していることが多いのも特徴の一つ。福利厚生や研修などのスタッフ教育が充実していたり、スタッフ数にも余裕がある事業所では休日の融通が利かせやすかったりします。
経営では、規模が大きくなるほど要介護度に応じた基本報酬は下がりますがトータルで見ると利益率がよく、利用者の入院にも左右されにくいといった強みがあります。
事業所の規模に違いがあれば、職務内容が大きく異なるといったことも出てきます。多様化するデイサービスで自分に合った転職先を見つけられるよう、それぞれの特徴をおさえておくようにしましょう。