
1.くるみんマークとは?

引用:厚生労働省/くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
「くるみん認定」と書かれている企業を目にしたことはありませんか? くるみん認定企業とは、仕事と子育ての両立を積極的にサポートしている企業として厚生労働大臣が認定した企業のことです。
認定されるには子育て支援計画の策定や、定めた目標の達成など、さまざまな条件をクリアする必要があります。
認定を受けた企業は、認定マーク(くるみんマーク)を、広告・商品・求人などに載せてPRすることができます。
■「くるみん」の由来
「くるみん」という名前は、一般公募から決定しました。
名前の由来は、赤ちゃんが大事に包まれる「おくるみ」と、「職場ぐるみ・会社ぐるみ」で仕事と子育ての両立支援に取り組もう、という意味が込められているそうです。
2.くるみんマークの認定基準は?
くるみん認定を受けるためには、10個もの条件があります。
これらの条件をクリアし、必要書類を揃えて申請をした企業は認定を受けることができます。
■認定基準1.雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定
■認定基準2.行動計画の計画期間が、2年以上5年以下である
■認定基準3.行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成している
■認定基準4.2009年4月1日以降に策定・変更した行動計画を公表し、労働者への周知を適切におこなっている
■認定基準5.男性の育児休業等取得について、次の(1)または(2)を満たしている
(1) 計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に対する育児休業等を取得した者の割合が7%以上である
(2) 計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に対する育児休業等を取得した者及び育児休業等に類似した企業独自の休暇制度を利用した者の割合が15%以上であり、かつ、育児休業等をした者の数が1人以上いる
■認定基準6.計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が75%以上である
■認定基準7.3歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、 所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じている
■認定基準8.労働時間数について、次の(1)と(2)のどちらも満たしている
(1) フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること
(2)月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいない
■認定基準9.次の(1)~(3)のいずれかを具体的な成果に係る目標を定めて実施している
(1)所定外労働の削減のための措置
(2)年次有給休暇の取得の促進のための措置
(3)短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他の働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置
■認定基準10.法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がない
※参照:厚生労働省/くるみん認定 プラチナくるみん認定
認定基準1~4にあるように、まず企業は仕事と子育ての両立のための行動計画を策定し、都道府県に届け出ます。
計画の具体例としては、育児休業取得率の向上や残業時間の削減などがあります。そしてその計画を実行に移し、目標を達成しなければなりません。
また、これらの認定基準は2017年4月に改定されました。これまでは1人取得すれば基準を満たせた男性従業員の育児休業取得を、「7%以上の取得」へ引き上げるなど、より優良な子育てサポート企業を選出するための基準となりました。
3.認定を受けるまでの流れ
前項で挙げた認定基準を全て満たしたら、くるみん認定の申請をおこなう必要があります。
申請は「基準適合一般事業主認定申請書」に8つの必要書類を添付し、提出します。
申請書に添付する書類は次の通りです。
- 1.策定・実施した一般事業主行動計画
- 2.行動計画の目標達成を証明する書類
- 3.公表および労働者に周知していることを明らかにする書類
- 4.育児休業等を利用した男性労働者の氏名、期間、子の年齢が記載されている書類
- 5.育児休業等を利用した女性労働者の氏名、期間、子の年齢が記載されている書類
- 6.認定基準7の実施状況を確認できる書類
- 7.認定基準9の目標・実施状況・目標を定めた日付を確認できる書類
- 8.関係法令遵守状況報告書
※各書類例などの詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください
4.プラチナくるみんマークについて

引用:厚生労働省/くるみんマーク・プラチナくるみんマークについて
「くるみんマーク」よりもさらに高い水準の取り組みをおこなった企業に向け、「プラチナくるみんマーク」という認定制度も用意されています。
2018年3月末時点でくるみん認定を受けた企業が2,878社あるのに対し、プラチナくるみん認定を受けた企業はわずか195社のみ。
子育てサポート企業として、非常に高い基準をクリアしていること企業という証明になります。働く側にとってはもちろんのこと、企業にとってもイメージの向上につながるという認定制度といえるでしょう。
プラチナくるみん認定を受けるには、次の特例認定基準をクリアしなければいけません。
■特例認定基準1〜4くるみん認定基準1〜4と同様
■特例認定基準5.男性の育児休業等取得について、次の(1)または(2)を満たしている
(1) 計画期間において、男性労働者のうち育児休業等を取得した者の割合が13%以上である
(2) 計画期間において、男性労働者のうち、育児休業等を取得した者及び育児休業等に類似した企業独自の休暇制度を利用した者の割合が合わせて30%以上であり、かつ、育児休業等をした者の数が1人以上いる
■特例認定基準6〜8くるみん認定基準6~8と同様
■特例認定基準9.次の(1)~(3)の全ての措置を実施しており、かつ(1)(2)のうち、いずれかについて定量的な目標を定めて達成している
(1)所定外労働の削減のための措置
(2)年次有給休暇の取得の促進のための措置
(3)短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他の働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置
■特例認定基準10.法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がない
5.くるみん認定を仕事選びの指標のひとつにしよう
このように、くるみん認定を受けている企業は子育てサポートに力を入れていることが証明されています。残業時間が少なく育児休業が取りやすいなど、働くうえでのメリットが多くあります。
ジョブメドレーでは、くるみん認定企業を簡単に探すことができます。くるみん認定を仕事選びの指標のひとつにするのもいいですね。