
ケアプラン作成に用いる「アセスメントシート」
「包括的自立支援プログラム」とは、アセスメントシートの様式の1つです。「アセスメント」とは、さまざまな事象に対して客観的に評価すること。介護現場におけるアセスメントシートとは、介護サービスの内容(=ケアプラン)を計画するための裏付けとなる記録です。つまり、被介護者の記録のために用いるのがアセスメントシートというわけです。
代表的なアセスメントシートには「MDS-HC方式」や「R4」などがあります。また、独自に作成したシートを使用する事業所も少なくありません。包括的自立支援プログラムは、そのようなアセスメントシートの様式の1つにあたりますが、どのような特徴があるのでしょうか?
包括的自立支援プログラムの特徴は?
包括的自立支援プログラムは、包括的自立支援プログラム方式とも呼ばれ「全国老人福祉施設協議会」「全国老人保健施設協会」「介護力強化病院連絡協議会」が開発した様式です。
介護施設団体が開発したため、介護施設での採用が多い傾向があり、厚生労働省の調査によると、介護老人福祉施設の49.7%で使われているようです。一方、居宅介護支援事業所で使われることが多いのは、居宅サービスに特化した様式となり、包括的自立支援プログラムを使っている事業所は4.4%とぐっと低くなります。
サービスの分析やニーズ把握がしやすい様式
包括的自立支援プログラムは、基本的な生活環境が整っている病院や施設に入所する被介護者に対し、質の高い自立支援・生活支援を提供するためのアセスメント方式として適していると評価されています。
また、プログラムの内容は、提供している介護サービスの分析を中心として、利用者の生活上の課題を明らかにするものであり、介護スタッフ間で共有しやすく、被介護者や家族にもわかりやすい様式と言われています。