スタッフ構成が表す歯科医院の特色
現代の歯科業界は虫歯治療だけでなく、矯正歯科、審美歯科、予防歯科、小児歯科など、特化した診療科を掲げて差別化を図っています。それぞれの診療科では、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士のスタッフ構成も変わってきます。そのため、スタッフの人数比に注目することによって、どんな治療やケアに力を入れているのかがわかります。たとえば、虫歯治療や矯正治療などの比率が多ければ、歯科医師が多く必要になります。予防に力を入れている歯科医院は、予防処置や保健指導が行える歯科衛生士を充実させるでしょう。このように、希望の職場で自分の資格がどれくらい必要とされているかを見極めるポイントになるのです。
歯科医院を構成するスタッフの比率は?
実際、歯科医院を構成するスタッフはどのような比率なのでしょうか?一般歯科であれば、患者1人に対し、医療行為を施す歯科医師1人、それを補助する歯科衛生士もしくは歯科助手1人で診療にあたります。予防処置や保健指導の場合は歯科衛生士が1人で対応できます。また、人手が足りない時には、歯科助手の仕事を歯科衛生士が、歯科衛生士の仕事を歯科医師が臨機応変に対応します。そのほか、院内で患者の技工物を作るのであれば歯科技工士が常駐。全身麻酔が必要な大きな外科的手術を行う歯科医院であれば麻酔科医を常駐させていることもあります。
スタッフ構成から読み解ける職場環境
それでは、スタッフ構成欄を実際にどう読み解いていけばよいのでしょうか?一番注目すべき点は、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手・歯科技工士の構成人数。先に述べた「1人の患者に必要なスタッフ数」と「ユニット台数」を比較して極端に少ない職場は、急な病気や勉強会などで休みたい場合カバーしてもらえないというような弊害が出るかもしれません。また、歯科では歯科助手の仕事を歯科衛生士が、歯科衛生士の仕事を歯科医師がカバーすることができますので、仕事を補い合える資格保持者の人数も参考になります。スキルアップを期待して就職したものの、「毎日の現場が忙しく勉強会にも出られない」では本末転倒です。まず求人票で、どの分野に力をいれているかということや、自分の学びができるかを参考に選んだら、次はそれを実行できる環境なのかということを「スタッフ構成」から読み解きましょう。