【転職者インタビューvol.28】看護助手5年43歳/転職3回(看護助手→専業主婦→介護職→看護助手)

医療福祉業界における転職経験者の人生を掘り下げるインタビュー企画。主婦として6年のブランクから、再び看護助手として働き始めたAさん。介護ヘルパーとしても働いた経験のあるAさんから、看護助手とヘルパーの仕事の違いや待遇の差、子育ての苦労などをお聞きしました。

「なるジョブ」転職者インタビューvol.28


1.今日の転職経験者はこんな人

看護助手・人生年表

ー本日はよろしくおねがいします。まず年齢、出身を教えてください。

43歳の神奈川出身です。

ー家族構成を教えてもらえますか?

主人と息子が2人。上が高3で、下が高1です。

ーなんのお仕事をされてますか?

循環器専門の病院で看護助手として働いています。ちなみに前職はデイサービスで介護スタッフをやっていました。

ー転職は何回されました?

パートで働いていたものも含めると3回です。

ーわかりました。お仕事のお話はまた後ほど詳しく聞かせてください。

2. Aさん(看護助手・43歳)の生い立ち

2-1. 幼少期〜小学校時代

ー小さい頃はどんな子どもでしたか?

すごく内気で、いつも1人でお人形遊びをしていました。

ー今はどちらかというとハキハキしているイメージですが

そうですね。中学生くらいから段々変わってきたのかな。

ー小学生の頃はどうでしたか?

変わらず内気でしたね。ただ、習い事もいくつかやっていたので幼稚園の頃に比べると友達と遊ぶようになりました。

ー習い事はなにを?

習字、水泳、バレーボールです。

ーその頃の将来の夢はなんでしたか?

動物が好きだったので、ペットショップの店員さんになりたかったですね。

2-2. 中学校〜高校時代

ー中学で性格が変わったと言っていましたね。

そうですね。バレーボール部に入ったのが大きかったのかな。わりとアクティブな性格になりました。

勉強が苦手だったので、部活に精を出すか友達と遊ぶかって感じの中学生活でした。

ー高校はどんなところへ?

学力が低かったので、進学できる高校の選択肢が少なかったんですよね。なので、私が行けるレベルの私立高校へ。家からは少し離れたところだったので、通学に1時間くらいかかりました。

ー何か思い出とかはありますか?

変わらず高校でもバレーボールに打ち込んでいました。

あ!あと今の夫と付き合い始めたのは高校生の頃でしたね。24歳のときに結婚したので、7~8年近く付き合ってから結婚しました。

2-3. 専門学校時代

ー卒業後はどんな進路へ?

福祉系の専門学校へ行きました。

理由としては、大学に行ってまで勉強したくなかったのと、昔から誰かの世話をするのが好きだったからです。高卒で働かなかったのは、まだ社会に出たくなかったので(笑)。

ー専門学校では何らかの資格を取得できましたか?

ヘルパー2級ヘルパー1級です。今で言うところの初任者研修と、実務者研修に相当するものですね。

ー実習はありましたか?

ありましたよ。老健(介護老人保健施設)に1ヶ月間。週5のフルタイムだったので、実習というか普通に働いている感じでした。実習終盤には夜勤も2回ほどあったと思います。

3. 医療療養型病院で看護助手に

看護助手・イメージカット

仕事終わりに自転車で駆けつけてくれたAさん

ー専門学校を卒業後はどんな職場へ?

専門学校の先生の紹介で、医療療養型の病院で看護助手として働き始めました。

流されやすいタイプなので、「こういう職場でこんな仕事がしたい!」という意思がほとんどなく、家からも近いしここでいいかな。という消極的な決め方でした。

ー当時の業務内容は覚えていますか?

基本的には入院患者さんの身体介護をやっていました。

おむつの交換、ベッド移乗、入浴介助、食事介助などです。介護施設のヘルパーと変わらないと思います。

ー初任給はどれくらいでしたか?

額面で20万円くらいだったような……。はっきりとは覚えてないですが、賞与は年2回ありました。

ーその病院にはいつ頃まで働いていたんですか?

24歳で結婚し、すぐに妊娠したのでそのタイミングで辞めました。

ー産休ないし育休という選択肢はなかったんですか?

その病院には託児所もありませんでしたし、待遇が特別いいわけでもなかったので「子どもが大きくなったら別の職場で働けばいいか」と軽い気持ちで辞めました。

4. 専業主婦を経て介護ヘルパーに

ーいくつまで専業主婦を?

ふたたび働きだしたのは30歳のときだったと思います。上の子どもが小学校にあがる直前で、これからはもっとお金がかかるので「これは私も働かなきゃまずい!」と。

家から自転車で10分のところの老健でパートを募集してたので、そこでヘルパーとして働きました。その施設には託児所もついていたので、下の子を預けることができてすごく助かりましたね。

ー6年ほどのブランクを経て、再び働きだすことに不安はありませんでしたか?

あー、まったくなかったですね。鈍感なんでしょうか。

ー時給はいくらでしたか?

850円でした。9時~16時まで週5で入っていました。

ーフルタイムで入っていたんですね。それなら正職員として働いていいんじゃないかなとも思うんですが。

正職員の条件が「夜勤ができる人」だったので。それに子どもがまだ小さかったのでシフトの融通がきくパートのほうが都合がよかったんです。

下の子が小学校にあがるタイミングで、また正職員として働きだそうと考えていました。

5. デイサービスのオープニングスタッフに

ーでは30代なかばで正職員に転職されたんですか?

そうですね。33歳だったかな。

家から歩いてすぐのところにデイサービスがオープンしたので、そこで働き始めました。

ーオープニングスタッフとして働く中で苦労した点は?

やっぱり働き手が集まらないところですね。最初は本当にギリギリの人数で運営していました。もちろん利用者さんを集めるのも大変でした。

あと、そのデイサービスは介護サービスのほかにフットマッサージとハンドマッサージを提供しているところだったんです。なので、そのマッサージの勉強が大変でしたね。

ーマッサージの研修などがあったんですか?

本社で研修があり、本場タイの方に直接指導してもらうんです。

座学から実技まであり、最終的にはテストも。そのテストに受からないと施設でマッサージを行えないので頑張りました。

ーなるほど。ちなみに介護福祉士の資格をとろうとは思わなかったんですか?

手当などもつくので取ろうと思ってテキストを開いたんですが、やっぱり勉強が嫌すぎて諦めました(笑)。

ーその会社でのお給料はいくらでしたか?

残業代をいれて手取りで20万円ほどでした。賞与は年2回・計2か月ずつです。

ー「介護職はきつい仕事」なんてことを世間では言われていたりしますが、実際に働いてみてどう感じましたか?

少なからずそういう一面もありますね。もちろんやりがいもあるんですが、もう少し給料が高くてもいいんじゃないかなと思います。

例えば老健とか病院には認知症の利用者さんが多いので、暴力を振るわれたりすることもありましたし。ただ、業務として割り切っている職員が多いのでそういった利用者さんとの問題で辞めていく人はほとんどいなかったです。

ーそこにはどれくらい働いていたんですが?

5年間働いていました。辞めたきっかけとしては私の転勤ですね。転勤してからも通勤時間は電車で40分くらいでしたが、朝が早かったので子どもたちを家に残して出勤するのが嫌で……。

そういった理由から、今の職場に正職員の看護助手として転職しました。

6. 再び看護助手に

ーなぜ再び看護助手に?

看護助手にこだわりがあったわけではなく、ただ家から職場が近かったからその病院を選んだだけです。改めて考えるとこの転職理由ばかりですね(笑)。

ーちなみにどうやって探したんですか?

その病院の前をよく通っていたので、直接病院に電話して募集があるかを聞きました。

ー意外と行動力ありますね。給料はどれくらいですか?

手取りは15万円くらいですね。手当とかもろもろ含めて額面で20万円くらい。けっこう下がりました。

看護助手・給与明細

ー デイサービスのヘルパーと病院の看護助手で、業務内容はけっこう変わりましたか?

全く違いますね。配属される科にもよるとは思うんですが、私は今「中央資材室」という部署で働いています。

業務内容としては、治療や手術などで使った医療器具の洗浄・滅菌・パッキングがメインです。そこで働いているのは私1人なので、たまに寂しくなりますが患者さんを相手にするわけではないので気楽に楽しんでます。

ーたまに耳にするんですが、看護師と看護助手の間で隔たりや派閥みたいなものってあるんですか?

転職したての頃は病棟勤務だったんですが、看護師さんが怖くて質問とかもできなかったですね。3年くらい前に「中央資材室」に配属になったので、今はどうなんでしょうかね。

ー今の職場で転職したいなと思ったことは?

ないですね。ただ、再び病棟配属を打診されたら転職も考えるかもしれません。

ーもし次に転職するとしたら「介護福祉施設」と「病院」どちらにしますか。

病院かな。今の職場は低いですが病院の方が給料がいい印象ですし、私の場合は病院の方が体力的にも余裕があったので。ただ、老健と病院しか経験したことがないので、グループホームも楽しそうだなと思います。家みたいな感じなので、一緒にご飯作ったりとかお掃除したりとか。

7.(番外編)生活・お金の話

ーお休みの日は何を?

バレーボールをやってます。3チームに所属してるので、平日も含めれば週4くらいで。

ー3チームも掛け持ちを?

ママさんバレーや、自治会のバレーなど、誘われるがままに入っていたら3チームに所属していました。

ー子育てとお仕事を両立していくなかで一番大変だったのはいつ頃ですか?

子どもが小学生のときですかね。宿題を見てあげなきゃいけないし、習い事の送り迎えもしてあげなきゃいけないし、時間的な余裕が全然なかったです。

ーその頃、仕事と家庭を両立するために工夫していたことは?

夫婦ともに実家が近いので、両親にはよく面倒を見てもらっていました。

ー家事は旦那さんと分担してますか?

いえ、ほとんど私です。

ー1日の家事時間はどれくらい?

2時間くらいですかね。

ー世帯収入はどれくらいですか?

手取りで月に35万円くらいですね。それにお互いの賞与がプラスされる感じです。

ー世帯の月の支出を教えてもらってもいいですか?

ざっくりとこんな感じですね。

看護助手・給与明細

ーでは最後に求職者の方へのアドバイスをお願いします。

アドバイスと言うか、私の後悔として「介護福祉士を頑張って取得しておけばよかったな」と今では思います。そうすれば、自分自身の選択肢ももう少し広がったんだろうなと。

なのでアドバイスとしては「取れる資格はいつ活きるかわからないから取っておけ」ですかね(笑)。

ー本日は以上になります。ありがとうございました!

読者の方へのメッセージ

介護の知識や技術は医療機関でも活かせる

デイサービスセンターでの介護スタッフと、病院での看護助手を経験したAさん。最初に働いていた病院での業務は、介護ヘルパーと同じような内容だったそうです。介護業務の経験は、介護施設でしか活かせないと思われがちですが、Aさんのように医療機関でも活かすことができます。介護ヘルパーで転職を考える際は、ぜひご参考に!

深沢 元貴 (ジョブメドレー 編集) 2019/08/26

プロフィール

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