1.今回インタビューしたのはこんな人

ーまず、プロフィールを簡単に教えてください。
東京都在住の29歳です。職業は介護職員で、障害者福祉施設で働いています。
ーこれまでの転職経験は?
新卒でアパレル業界に就職し、1年間働いていました。その後いまの職場に転職して、勤続6年目です。
ー退職の意向はいつ頃伝えましたか?
退職する2ヶ月前です。
ー転職活動期間は?
2〜3週間くらいだったかと思います。
ー転職するうえで重視したポイントは?
「正職員」という条件は譲れませんでしたね。前職は契約社員だったので、しっかり地に足つけて働きたいという気持ちが強かったんです。
あとは「通勤時間」。本当は30分以内で通えるところがよかったんですが、現実は40分ほどかかっています。
あとは「給料」ですが、「低すぎなければいいかな」とだけ考えていました。
ーありがとうございます。それではその時の履歴書についてお話聞かせてください。
2.介護職の履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ー履歴書は手書きなんですね。
そうですね。
手書きにこだわりがあるわけではなく、「履歴書は手書きで作成するもの」っていう固定概念がありました。
ーなるほど。書類審査はありましたか?
いえ、なかったです。いきなり面接からでしたが、その前に施設見学をしました。
ー見学はどのようにして申し込みましたか?
母も介護職員なんですが、その見学した施設に母の知り合いが働いていたんです。
なので「母の紹介」という感じですね。
ー履歴書を書くうえで工夫した点などがあれば教えてください。
工夫と言えるほどのことではないんですが、先に鉛筆で下書きをして、その上からボールペンで書きました。そのあと、消しゴムで下書きを消して。
ー丁寧に作成したんですね。証明写真はどこで撮影しましたか?
一応ちゃんとした写真屋さんで撮ってもらいました。
証明写真機でもよかったんですけど、少しでもクオリティが高いほうが採用される確率が上がるかなと思って。
ー写真屋さんで写真の撮影をしてもらったことがないんですけど、どういうシステムなんですか?
写真屋さんの中にある簡易スタジオで撮影してもらうんです。
何枚か撮ってもらって、その中から気に入ったものを選ばせてもらいます。納得いかなければ撮り直しも。
たしか値段は1,500円で、証明写真機の倍くらいしちゃうんですけどね。
ー撮影時はどのような服装でしたか?
黒いスーツに白シャツです。ネクタイはシルバーのストライプでした。
ー志望動機欄に「特技:ダンス」とありますね。

“障害者支援に力を入れている、貴社のサービスに関わりたいと思い、志望しました。
一度、貴社の施設を見学させてもらった際、利用者さんと、支援員の関係がとても魅力的で障害者支援の仕事を貴社で取り組みたいと感じました。
特技:ダンス (志望動機原文より)”
高校の頃からずっとダンスに打ち込んできたので、面接時の話のネタにでもなればなと思って自分で特技欄を作っちゃいました。
ーいま履歴書を見てみて、反省点などはありますか?
まず一番気になるのは、字の汚さですね(笑)。
当時は丁寧に書いたつもりだったんですが……。
あと、志望動機には「なぜ介護職に転職しようと思ったのか」ということも書けばよかったなと。
ーたしかにそのあたりは少し気になりますね。次に面接対策について聞かせてください。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ履歴書を書くときの参考にしてみてください。

全体を通して
やや走り書きのような印象をうけます。文字の得手不得手はありますが、丁寧に書く姿勢は必ず伝わります。履歴書の文字は丁寧に書く意識を持ちましょう。
志望動機・文語と口語が混ざっています。履歴書では文語に統一しましょう。
例:見学させてもらった→見学させていただいた・拝見した・施設見学に伺った 等
・なぜ障害者支援に携わりたいと思ったのか、その具体的な理由も書ければよりよいアピールとなりそうです。
3.介護職の面接対策

ー当日、履歴書はどのようにして持って行きましたか?
コンビニで履歴書を購入したんですが、それに付属されていた封筒に3つ折りにして入れて持って行きました。
ー面接時の服装は?
履歴書に貼った写真と同じです。
カバンは黒い手提げのビジネスバッグを持って行きました。
カバンの中身は、履歴書・筆記用具・メモ帳・財布・スマホくらいですね。
ー筆記試験などはなく、面接のみでしたか?
いや、最初に筆記試験があって、そのあと面接という流れでした。
ー筆記試験の内容を教えてください。
一般教養試験と小論文ですね。簡単な数学や、漢字の読み書き、英単語の和訳など。
文の出題テーマは「なぜ福祉の仕事をしたいのか」というものでした。規定の文字数は、たしか800字くらいだったかな。
試験時間は両方合わせて2時間くらいでした。
ー面接官からはどのようなことを聞かれましたか?
「アパレル業界からの転職ですが、介護はおしゃれな仕事じゃないけど大丈夫?」ということを聞かれたのを覚えてます。
「たしかにきらびやかな仕事ではありませんが、誰かのためのサービスを提供するという部分では共通するところがあるので、頑張りたいです。」と答えました。
ほかには、志望動機や「見学した施設はどうだったか」ってことくらいですかね。
面接官4〜5人と僕1人だったんですが、面接時間は10分くらいのあっさりとしたものでした。

ーちなみに面接対策や準備はしましたか?
聞かれそうなことと、それに対する答えを頭の中でシミュレーションしました。
一般教養試験と小論文があることも告知されていたので、福祉系の小論文の出題例をネットで調べたりもしましたね。
あとは面接対策というわけではないんですけど、スーツをクリーニングに出しておきました。
ー当時の面接を自己採点すると?
20点くらいですかね……。
ーかなり低いですね。
そうですね。志望動機とか自己PRをもう少し練っていけばよかったなと。
いま思えば、どちらも抽象的なことしか言えなかったので。
ーなるほど。内定の連絡はいつ頃きましたか?
だいたい1週間後くらいだったと思います。
ー最後に、求職者の方にアドバイスをお願いします。
偉そうなことは何も言えないんですけど、施設見学は可能な限りさせてもらったほうがいいかなと思います。
とくに施設内が綺麗に整理整頓されているか、物品は充実しているかなどを見ておくといいかもしれません。
あと、個人的には建物自体が新しいところをおすすめします。そのほうが冷暖房やセキュリティなどがしっかりしていたり、介護する際の導線がしっかり計算された造りになっていて動きやすかったりするので。
ーなるほど。とても参考になりました。本日はありがとうございました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎第一印象はとても大事。面接前にスーツをクリーニングに出しておくのは、身だしなみを整えるうえでとても良い行動です!
◎この方のように、あらかじめ施設を見学することはとても重要。気になる部分などは見学時に確認しておき、転職後のミスマッチを防ぎましょう。
◎異業種からの転職の場合、「なぜこの仕事につきたいのか」という質問は高い確率でされます。具体的な理由や前職で得た経験なども絡めて答えられるよう準備しておきましょう。
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