1.今回インタビューしたのはこんな人
ー簡単に自己紹介をお願いします。
新潟出身の34歳です。家族構成は両親、弟2人、妹1人。いまは二児の母をしながら、近所の薬局で調剤事務のパートをしています。
ー調剤事務として働く以前は、どのようなお仕事をしていたんですか？
海外の大学に留学していて、帰国後は派遣スタッフとして事務をやったり、旅館の仲居さんをやったり、デパートで接客をやったり、いろいろな仕事をしてきました。
主人の仕事の都合による引っ越しや出産があったので、アルバイト・パートとして働くことも多かったです。
医療系の仕事でいうと、医療事務の職業訓練に通っていたんですけど、医療事務にはならずに「医師事務作業補助者」の資格を取って働いていました。
その後、下の子が幼稚園に上がるタイミングで近所の調剤薬局に転職しました。今日持ってきたのは、その薬局に提出した履歴書です。
ー医療事務と医師事務の仕事内容の違いは？
医療事務は病院やクリニックで受付やレセプト業務などをやると思うんですけど、医師事務はお医者さんの代わりに医療文書や診断書、紹介状、処方箋、各種保険の証明書などを作成します。
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ーみんな「医師事務作業補助者」の資格を持っているんですか？
持っていない人もいると思いますけど、勤めていた病院の医師事務はみんな資格を持っていました。
ー資格はどれくらいの期間で取れるんですか？
1ヶ月くらいだと思います。学校で授業を受けて試験に合格したんですけど、そんなに苦労はしなかったです。費用は6万円くらいだったかな？ いまは調剤事務なので、医師事務関連の資格はあまり役に立っていないです。
ー調剤事務の仕事はどうやって探しましたか？
家の近くで探していて、たまたま通りかかった病院の門前薬局の張り紙を見て電話してみました。そしたらちょうど開局直前だったみたいで、即採用だったんですよね。なので、その薬局以外は受けてません。
ー転職する際に重視していたポイントは？
「家から近いこと」 「雇用形態（パート）」です。幼稚園のお迎えバスが来る時間までに家にいたい、扶養範囲内の週3〜4くらいで働きたいという感じでした。
ー履歴書はどの段階で作成しましたか？
電話した当日です。「その日の内に面接したい」と言われたんですけど、履歴書が用意できてないので「じゃあ次の日で」となりました。事務が1名足りてなかったみたいで、かなり急でしたね（笑）。
ー電話で話した人はどんな役職の方ですか？
薬局の責任者をしている管理薬剤師の人でした。
ーでは次に、履歴書を見ながら質問をさせてください。
2.調剤事務員の履歴書（実例）
※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています
ーこちらの履歴書は手書きですね。
とくに手書きにこだわりはないので、次はパソコンにしようと思っています。誤字脱字をしないように下書きしてからボールペンでなぞっているので、すごい手間がかかるなと。
ー用紙はどこで買いましたか？
コンビニエンスストアで買いました。
ー電話した当日なので急だったと思いますが、証明写真はどちらで？
時間がなかったのでスマホのアプリで撮りました。データをコンビニで印刷して30円くらいだったと思います。アプリ自体も無料でした。
ー服装・身だしなみで気をつけたことはありますか？
上下黒のスーツ、白いシャツです。
ー志望動機について何か工夫した点はありますか？
“私は以前医師事務として病院にて外来診察の補助や診断書等の作成を行っておりました。この勤務を通して医療業界で従事する事の大変さはもちろんですが、仕事のやりがいを感じました。定期受診されている看者様に顔を覚えて頂けたり話かけて頂けたのは私が日々、誠実に業務に取り組んでいた成果の表れだと思います。この他にもある様々な職務経験を活かして温かく細やかな気配りができる事務員として御社で尽力したいと思います。（志望動機原文）”
調剤事務は未経験だったんですけど、病院に勤めていたことを書いて、業種は違えど同じ業界で経験を積んでいたことをアピールしました。
改めて読んでみると、もう少し簡潔にまとめればよかったと思います。
ー書く際に何か参考にしたものはありますか？
志望動機で参考にしたものはありません。
履歴書自体でいうと、転職回数が多いので毎回コピーを取っていて、学歴・職歴などを書き写すようにしています。学歴や職歴って「何年だったっけ？」ってわからなくなることが多いので。
ー本人希望欄は空欄になっていますね
いつも「とくになし」って書いていて、勤務時間であったり、何か希望があれば直接交渉します。今回もフルタイムの募集だったんですけど、電話したときに「パートでも応募できますか？」と聞きました。
ー担当の方は何と？
「人手が足りないので、パートでも欲しいです」と。開局直前で、決まっている事務2人だけだと回せなくて、ずっと人を募集していたみたいです。仕事も待合室のソファーや棚の発注とか、そういうところから始まりました（笑）。
よっぽど変な人ではない限り、採用前提だったのかなと思います。
ーなるほど。では当日の面接について詳しく聞かせてください。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ履歴書を書くときの参考にしてみてください。
下書きをしてから丁寧に書き上げた努力は素晴らしいですが、誤字が見受けられた点が惜しいです。手書きでの作成・確認はどうしてもミスが出てしまうため、パソコンでの作成を考えるのもいいかもしれません。
②志望動機内容は具体的で良いと思います。「御社」は話し言葉のため、履歴書では「貴社」と書くようにしましょう。
3.調剤事務員の面接対策
ー面接では履歴書・職務経歴書以外に持ち物の指定はありましたか？
とくになかったです。
ー前日に準備したことはありますか？
履歴書・職務経歴書を書いたくらいですね。薬局のホームページもなくて、何も調べようがない状態でした。
ー当日はどんな服装で行きましたか？
証明写真と同じ上下黒のスーツです。
ー面接は1回で終了ですか？
責任者の薬剤師と1回だけ。時間は30分くらいだったと思います。
ーどんなことを聞かれましたか？
志望動機はまったく聞かれなかったです。
書類をさらっと見て「何時から何時まで入れるか」「週何回入れるか」など、条件面の確認という感じでした。業務面では、ご自宅にお薬を配達することがあるので「車が運転できるかどうか」を聞かれました。
あとは「オープニングだからすごく忙しいけど大丈夫？」とか「土曜日が仕事だったり、お盆などの休みも少ないけど大丈夫？」ということを確認されました。
ー逆に質問したことはありますか？
質問はしてないんですけど、子どもの午前保育の日だけは午前中のみの勤務かお休みにして欲しいということを伝えました。
ー面接で印象に残っていることはありますか？
併設している病院の薬剤師さんが責任者をしているんですけど、外来が始まる前に面接を終わらせたかったらしく、すごく朝が早かったです。
あとは面接後に内定を伝えられて、午後からいきなり研修が始まったことですね（笑）。
ーだいぶ急ですね。研修ではどんなことをするんですか？
同じ事務の人に発注の仕方を教えてもらったり、レセコン会社の人に使い方を教わったりしました。レセコンは練習用の処方箋にひたすら入力していったんですけど、流れが急すぎて大変でしたね。
もうすぐ入職して1年になるんですけど「あの時はよくやりきったよね」って同僚と話してます。
ーオープニングの方はみんな残ってるんですか？
逆にオープニングの人しか続いてなくて、後から入った人はすぐに辞めてしまいます。
ー辞めてしまう要因はどんなことが考えられますか？
仕事のスピードについていけなかったり、覚えること・やることがいっぱいあってパンクしてしまったり。私たちの教え方も悪いのかもしれません。
ーいまの薬局の体制は？
薬剤師さんが2〜3人、調剤事務は夜の学生アルバイトを入れると全部で5人です。
ー1日にどのくらいのお客さんが来るんですか？
処方箋枚数が60〜100弱くらいでけっこう波があります。忙しさは苦じゃないんですけど、パートなので途中から引き継いだ仕事をやったり、部分的な携わり方が多かったりして、仕事の全体像を把握できないことがいちばん大変です。
ー応募時に希望していたお休みは取れてますか？お子さんの行事であったり。
そこはちゃんと休めています。
ー経験上「こういう職場はやめておいたほうがいい」とアドバイスをいただけることはありますか？
結局、どこも楽しかったんですよね。入った先々で大変なことはあると思うんですけど、何かしら学べることはあったので。
ーわかりました。本日はありがとうございました。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎オープニングの求人は職場の雰囲気などがわからない分、面接時に業務内容や教育体制について確認しておくと心の準備ができて良いと思います。
◎絶対に譲れない条件を面接時に伝えられたのは大事なポイントです。
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