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【総まとめ】医療福祉業界で働く男女の仕事内容・働き方・給与・私生活について聞いてきました!1.今日の転職経験者はこんな人

ー現在の職業と、これまでの経歴を教えてください。
職業はアイリストです。もともとは地元の大阪で働いていたんですけど、半年ほど前に活動の場を東京に移しました。
前職は少しだけ、本当に少しだけ美容師をしていました。
ー少しだけというと?
新卒で入社して7月に辞めたので、たった3ヶ月くらいです。
当時は本当に考え方が子どもで、たくさんの人に迷惑をかけたなと反省しています……。
ーたしかに美容師歴は短いですね。ちなみに、いまはおいくつですか?
26歳です。
ー自分をどんな性格だと思いますか?
ジッとしていることが嫌いなので、せっかちなのかもしれません。
仕事やプライベートでも暇な時間が嫌いで、とにかく予定を埋めたくなります。
2.美容師としての挫折
ー新卒で美容師になったとのことですが、高校卒業後は美容師の専門学校へ?
そうです。高校では商業科に通っていたんですが、一般企業でインターンシップを経験したときに「事務仕事は全然おもしろくない。絶対自分に向いてない」って思っちゃったんです。
じゃあ、卒業したらどうする? って考えたら、ファッションや美容の道にも興味があったので美容師の専門学校に進みました。
ー専門学校生活はどうでしたか?
めちゃくちゃ楽しかったです!
人生で1番楽しい2年間だったんじゃないですかね。もう1度学費を払って通いたいくらいです。
専門学校は中学・高校と同じで、9時頃始まって夕方終わるような感じなんですけど、圧倒的に自由度が高いので。
ー逆に大変だった点はありますか?
うーん、本当にないんですよね。
実技とかもコツコツ練習するのが好きなので、苦痛ではなかったです。
ー実店舗での実習などはカリキュラムに含まれていましたか?
ありましたよ。1週間くらいだったかな。
実習に協力してくれるサロン一覧を学校から提示されて、そこから好きな実習先を自分で選ぶんです。
でも、当然お客様に触れることはほとんどないので雑用くらいしかできませんけどね。
ー技術職なので仕方ないですよね。
そうなんですよね。具体的にはカラーカップを洗ったり、落ちている髪の毛を掃いたり、実習終盤はお客様に巻いているロッドを外させてもらったりもしました。
ーなるほど。就活はどんな感じで進めましたか?
私は東京で働きたかったので、都内を中心にサロン見学をしていたんですが、美容師さんから聞く話はみんな辛そうで……。
給料もそんなに高くないし、朝は早くて夜は遅くまで練習していて。もちろんそれを承知で専門学校に入ったんですが、土壇場で怖くなっちゃいました。レベルの高い東京で働くのは、私には無理かもって。
それで大人しく大阪の美容室に就職しました。もちろん大阪のレベルが低いというわけじゃないんですけどね。
ー新卒で入社した美容室の採用試験はどんな内容でしたか?
カジュアルな面接と、その同日にワインディングっていうパーマの実技試験がありました。
面接で聞かれたことは美容師になりたい理由や志望理由とか、当たり障りのないことを聞かれましたね。
私が入社したところはそんな感じだったんですけど、例えば都内の誰もが知っているような有名店なんかだと5次審査くらいまであるそうです。
まずは書類審査があって、自分の作品をまとめたスタイルブックの審査があって、さらにはウォーキングの審査まであったりして。
ー歩き方まで見られるんですか? まるでモデルみたいですね。
新卒なので技術力というよりも、その人がどれだけ輝ける素材なのかっていうところを見ているのかなと。
ーTさんが就職した職場はどんなところでしたか?
大きな百貨店の中にある美容室だったので、若者向けというよりは「お金に余裕のある大人向け」という感じで、さらには全席個室でした。
すごくゆったりとした雰囲気で、都内のサロン見学時に心配していたようなつらい要素はまったくありませんでした。
例えば、多くのお店では営業終了後に遅くまで練習するんですが、そういうこともなく。
その職場では練習日が決まっていて、その日だけ練習するんです。それも営業中に空いている個室でやらせてもらえるので、環境としてはすごくよかったのかなと思います。
ー初任給はどれくらいでしたか?
総支給で12〜13万円くらいです。なので手取りは10万円を切ってました。
アシスタントの給料が安いことはわかっていたんですけど、初めて給与明細見たときは思わず笑っちゃいましたね。
「学生時代のバイトの方がよかったよ!」って(笑)。
ー給料は仕方ないにしても、環境としてはいい職場に思えるんですが、なぜ3ヶ月で辞めてしまったんですか?
本当に自分でもバカだなと思うんですけど、その恵まれた環境を「つまらない」って感じたからです。
当時、同期が3人いたんですけど、シャンプーなどの技術もみんなで横並びで学んでいくシステムだったんですよ。
どうしても上達が遅い人に合わせて進めていくので、それがもどかしくて私自身イライラしていたんでしょうね。何を勘違いしたのか「私ならもっとできるはずだ。厳しい環境でばりばりやっていきたい」って。
ほかにも、お客様の年齢層が高いっていうことは承知で入ったんですけど、やっぱり若い子相手におしゃれなお店で働きたいという気持ちもありました。
それで次は、大阪でも有数の有名店に就職しました。
ー上昇志向が強いのは悪いことではないと思いますよ。面接などで、3ヶ月で辞めてしまったことに対して何か言われませんでしたか?
私もそこに対する理由づけを必死に考えていたんですが、とくに何も突っ込まれませんでしたね。
むしろ「へたにそのお店のクセがついてなくていいよ」って好意的にとられました。
もちろんお店によっては「え?」って思われることもあるはずなので、ラッキーだったのかな。
ほかに聞かれたことは、好きな雑誌やファッションとか学生時代にどんなことをやってきたかなどですね。
ーあれ? でも、そういえば3ヶ月で美容師自体を辞めてアイリストになったんじゃ?
はい、あの、いまお話しするのも恥ずかしいんですが、そのお店は3日で辞めてしまったんです。
ー3日で? またどうしてですか?
厳しい環境に身をおきたいという気持ちで有名店に入ったんですが、逆に周りのスタッフがすごすぎて圧倒されてしまい……。
悪い言い方ですけど、どこのお店にも1人はダメなスタッフがいるじゃないですか? でも、誰一人として無駄な動きをしている人がいなくて、全員が完璧超人に見えちゃったんです。
それで完全に自信をなくしてしまって、3日目の夜に「すみません、私にはついていけそうにありません。今日で辞めさせてほしいです」って電話をしました。
いま考えれば経験3ヶ月の美容師見習いが何言ってんだって感じですよね。
ー電話したときに、お店の方はなんて?
そのお店のスタッフはみんな優しくて、すごく引き止めてくれました。
「まだ3日だからそう思うんだよ。一緒に頑張っていこうよ」って。
でも、もう心がポッキリ折れちゃってダメでした。当時のスタッフのみなさんには改めて謝りたいです。
3.アイリストの道へ進む
ー美容師を辞めてから、どういう経緯でアイリストに?
親に学費を払ってもらって美容師免許を取ったのに、それを活かさないと申し訳ないなと思い、とりあえずアイリストに挑戦してみようかなっていう軽い気持ちでした。
実はそれまで、自分自身もマツエクを経験したことがなかったんですけどね。
私みたいに、美容師としてやっていくことを諦めてアイリストになる人って多いみたいです。
ーアイリストの仕事はどのようにして見つけたんですか?
美容系の転職サイトを使って探しました。
そのサイトに載せられていたサロンの内装の写真がすごく可愛くて、オーナーもめちゃめちゃ奇抜な人で、一発でファンになっちゃったんです。この人のもとで働きたいなって。
そのサロン自体はネイルをメインでやっていたんですが、「これからはマツエクにも力を入れていこう!」っていうタイミングだったんです。
面接はカフェでおこなわれて、実物のオーナーはものすごいオーラを放ってたんですけど、かなりフランクな人でした。
「まぁ、すわってすわってー!それで、いつから働く?」って感じで(笑)。
ー未経験からアイリストになるにあたって、技術や知識はどこで身につけましたか?
基本的なことは研修で学んで、あとは実際に働きながらコツを掴んでいきました。
研修は、オーナーが紹介してくれたアイリストさんのお店で2週間お世話になりました。
同期があと2人いたので、私も含め3人でローテーションしながらマツエクをひたすらつけ合う感じですね。
でも2週間の研修だけでお店に立つなんて本来ありえないんですよ。
ー普通であればどれくらい練習を積んでから実際の施術に入るんですか?
ほかのサロンとかを見ていると、3ヶ月くらいは客前に出ずにずっと練習していますね。
ーそれを考えると、たしかに2週間は早いですね。 そもそもなんですけど、マツエクってどうやってつけてるんですか?
自まつ毛に、1本1本接着剤でくっつけていくんです。
ーもとから生えているまつ毛につけていくんですね。例えば、全然まつ毛がない人の場合はどうするんですか?
毛みたいな細い毛にも着けることはできるんですが、やっぱり強度が弱くてすぐ取れちゃうんですよね。
なので、そういったことをお客様に説明して、それでもよければって感じです。
「結婚式やイベントを翌日に控えているので1日だけもてば十分」って方もよくいらっしゃいますよ。
ーなるほど。アイリストの仕事で大変な部分ってどんなところでしょうか?
どんな仕事も大変だと思うんですけど、アイリストは細かい作業で目をすごく酷使するので、視力が低下する人が多いんです。
あとは私自身、接着剤のアレルギーになってしまって施術中は涙と鼻水がだらだらです。
ーそれはつらいですね。
なので施術中は伊達メガネを掛けたり、鼻水がひどいときは鼻にティッシュを詰めたりしています(笑)。
肩も背中もすごく凝るので、自分のボディメンテナンスは必須ですね。
ーそんなに過酷な仕事だとは思いませんでした。アイリストになって給料は上がりましたか?
かなり上がりました。アイリストの給料って、一般的な美容室と比べてもいい方だと思います。
私の場合は未経験だけど基本給が23万円スタートで、さらに指名料のインセンティブがプラスで入りました。
その職場には6年いたんですが、最後の1年は個人事業主として独立したので、さらに稼げましたね。
4.アイリストとして独立→東京へ

ー独立しても同じ店舗で働いていたんですよね? 美容師でいうところの「面貸し」のような形態ですか?
はい、本当にそんな感じです。
社員として働いているときから、指名のお客様が8〜9割くらいを占めていたので、それなら個人事業主になったほうが絶対にいいなって思い、オーナーに相談したんです。
そしたら「全然いいよー」と言ってもらえて。
条件としては、個人売上の50%が自分の報酬になるという形です。
売上が100万円を下回ることはなかったので、月収は50〜60万円くらいでした。社員時代の倍くらい増えましたね。
ーすごい売れっ子ですね! 収入面以外での変化はありましたか?
個人事業主になってもお店は同じだし、抱えていたお客様もそのままなので、ほとんど変わりませんでしたよ。なので、個人事業主といっても半独立という感じです。
ただ、お客様の予約状況に合わせて勤務時間や休日を自由に決められるようになったので、生活の自由度はすごく上がりましたね。
ーなるほど。でもお客様がつかないと必然的に収入も減りますよね。指名してもらうための極意を教えてください。
極意ってほどのことじゃないんですけど、3つのことだけ意識していました。
まず施術ベッドやその周辺は、徹底して衛生的に保つ。これって美容院やエステサロンなどでは当たり前の衛生観念だと思うんですが、その “当たり前” をできていない子がアイリスト業界にはすごく多いんです。
2つ目は、指名してくれたお客様には毎回、直筆のメッセージカードをお渡しする。
最後は、親近感を持ってもらうためになるべくお名前で呼ぶように心がける。
普通なら「どうですか? 痛くないですか?」って聞くところを「〜さんどうですか? 痛くないですか?」というような感じで。
ーたしかに信頼関係を築けそうですね。大阪でのお仕事はすごく順調だったかと思うんですが、半年前に上京した理由は何ですか?
新卒のときみたいに「高いレベルを目指したいから」っていう理由ならかっこよかったんですが、彼氏が東京に住んでいたからです(笑)。
ーなるほど。現在も東京で個人事業主として働いているんですか?
そうです。また面貸しのような感じで、美容室の一角をお借りしています。
ーそのお店はどうやって見つけたんですか?
他の仕事と同じ要領で、フリーのアイリストを募集しているお店は求人サイトにたくさん掲載されているんですよ。
そのお店ではありがたいことに、空きスペースを「マツエク専用スペースとして好きに使っていいよ」って言われているんです。
いずれ自分のお店を持ちたかったので、その前段階のような感じで経験をつめるかなと。
ーたしかに店舗経営の練習になりそうですね。大阪と東京でお客さんの違いはありましたか?
そうですね、大阪は派手めなメイクを好む人が多かったのか、マツエクのオーダーも「つけ放題」が多かったです。一方で東京はナチュラル志向な人が多いので、「つけ放題」をオーダーするお客様はほとんどいないですね。
ーなるほど、面白いですね。東京での仕事は順調ですか?
もう全然ですよ。いまのお店では個人売上の40%をもらえるんですけど、収入は手取りで10万円あるかないか……。
大阪のお客様はみんな後輩に引き継いできたので、ゼロからの集客で苦戦しています。
ー集客のために何かしていることがあれば教えてください。
仕事用のインスタアカウントを作ったんですが、 アイリストとしての技術に自信がないので投稿するのが怖くて運用停止してます(笑)。ー投稿が怖いっていうのは、どういうことですか?
インスタを活用しているアイリストってすごくたくさんいるんですよ。
ということは、自分の投稿も全国のアイリストに見られちゃうわけです。それが恥ずかしくて……。
「下手だな」なんてコメントされたときには、もう立ち直れないですね。
ー気にしすぎな気もしますが……。休日はどれくらいありますか?
予約状況によるので、本当にバラバラですね。丸1日休みの日が月にだいたい5回くらいかな。
勤務時間も1時間だけ働く日があれば、5〜6時間働く日もあります。
ーでは最後に、今後アイリスト業界はどうなっていくと考えますか?
正直、今後はマツエクの人気が収束していくと思います。と言うよりも、現在進行形で収束しつつあります。やっぱり流行り廃りがあるので。
なので、アイリストは最新の技術やトレンドなどを細かくキャッチアップして、自分を磨き続けていかないと生き残っていけないんじゃないかなって思います。
5.(番外編)お金と生活の話
ー毎月の家賃や生活費などの、固定支出を教えてください。
こんな感じです。

彼氏と同棲しているので、家賃・光熱費・食費は折半した金額です。
本来であれば家賃は13万円、光熱費は1万円です。
ー失礼ですが、いまのTさんの収入では赤字では?
そうなんです。
大阪時代の貯金を切り崩したカツカツの生活を送っているので泣けてきます。
ーなかなか大変そうですね。休日はどのように過ごしていますか?
彼氏と過ごすことがほとんどですね。
飲みに行ったり、ウインドウショッピングをしたり。
ー彼氏さんとはどこで知り合いましたか?
彼氏が出張で大阪に来ているときに、クラブで知り合いました(笑)。
ー喧嘩などはしますか?
そんなにしないですよ。
ただ、彼氏はアパレル店員なので服や靴がすごく多いんですよ。クローゼットの中もかなり場所をとっていますし、靴箱はほとんど占領されてます。
彼氏の靴だけで100足以上あるんじゃないかな。
なので、それをどうにかしてよ!って揉めたことはあります。
ー100足あるのもすごいですけど、100足入る靴箱もすごいですね。
めっちゃ大きいんですよ。床から天井まである靴箱です。
ーその靴箱、私も欲しいです。本日は以上になります。ありがとうございました!