
1.今回インタビューしたのはこんな人

—今日はよろしくお願いします! まず簡単に自己紹介をお願いします。
出身は九州で、専門学生になるタイミングで関東に上京してきました。
今28歳です。
—職歴を教えてください。
新卒で専門学校と同じ系列の精神科病院に就職し、作業療法士として2年間働きました。
その後は今働いている総合病院に転職して4年目になります。
—転職した理由は何ですか?
教育体制が整った環境で、身体機能を中心に幅広く学びたかったからです。新卒で入った精神科病院は、人員配置や病棟数の問題で直接上司から指導を受けることが難しかったので。
転職先は作業療法士だけで30人近くいる大きな病院で、教育体制もしっかりしていると友人に教えてもらいました。
—きっかけは紹介だったんですね。
はい、その友人の上司が今の私の上司と知り合いだったので、繋いでもらいました。
—転職活動期間はどのくらいかかりましたか?
1ヶ月半くらいでした。
—前職への退職意向はいつ伝えました?
退職する3ヶ月前くらいには伝えました。
辞めたのが3月なんですけど、来年度の人員配置を決めるのに年末には伝えておかないと迷惑をかけるなと思って。
—転職活動で重視した点3つをあげるとしたら何ですか?
「教育体制」「給与」「休みの取りやすさ」です。
—ありがとうございます。続いて、提出書類について詳しく教えてください。
2.作業療法士の履歴書(実例)

※証明写真は取材用に撮影したものに変更しています

—提出書類は、履歴書と職務経歴書の2種類ですか?
はい。実際の履歴書は提出してしまったので、今回持ってきたものは再現になります。
職務経歴書は実際に提出したものです。
—ではまず履歴書から伺います。パソコン作成ではなく手書きにした理由はありますか?
パソコンが苦手なのと、字を書くこと自体が結構好きって理由ですね。
—下書きはしましたか?
いえ、たしか一発書きにしたと思います。下書きを消しゴムで消す時にインクを擦ってしまいそうだなと思って。
でも書き間違えたので、2回くらい書き直したと思います。
—履歴書はどこで手に入れたものですか?
市販されてるものを買いました。
—書き方について調べたりしましたか?
買った履歴書に付属していた説明書を見たのと、ネットでも調べて参考にしました。
—証明写真はいつ、どこで撮影しましたか?
スピード写真機で、たしか提出する5日前くらいに撮ったかな……?
—服装、髪型、メイクはどんな感じでしたか?
服装は学生時代に買った黒無地のリクルートスーツです。パンツスーツで、たしか洋服の青山で買ったと思います。
髪型は黒髪ショートだったので、特にセットはしないでそのまま。
メイクは眉毛を書いて、軽くアイシャドウしたくらいです。
—身だしなみで意識したことはありますか?
メイクは普段よりかなり薄めを意識しました。
口紅は塗らないで、チークも普段より薄くしました。
—資格欄にある「訪問介護員2級(現:介護職員初任者研修)」は在学中に取得されたんですか?

そうです。学生時代のバイト先で配食サービスをしていたので訪問介護に接点があったのと、ちょうどその頃に私の祖母が要介護になってしまって。介護の知識があったらいいなと思って受けました。
—志望動機の作成で気をつけたところはありますか?

“前職の精神科病院にて、身体機能の作業療法処方が増え、技術と知識不足を痛感しました。今後も身体機能の処方は増加する傾向にあったので、一度環境を変え、身体障害について習得したいと思い、志望しました。
私は一度も学校や仕事を休んだことがありません。この忍耐力や健康管理を、今後も活かしていきたいと思います。”(履歴書原文より)
スペースも限られているので、簡潔に文章をまとめるように意識しました。
—本人希望欄に、希望病棟を書いたのは何故ですか?

志望動機にも書いたとおり、身体障害の作業療法処方について学びたいと思っていたので、入院から退院までの経過がしっかり見られる回復期を担当したいと書きました。
—続いて職務経歴書について伺います。こちらも何かを参考にしましたか?

どんなフォーマットで書けばいいかわからなかったので、ネットで調べたと思います。
—作成時に意識したことはありますか?
作業療法士としてまだ2年しか経験がないので、やってきたことをできるだけたくさん書き連ねました。短い年数のわりにはいろいろと経験したと見えるように。
—自己PRの後半部分は、履歴書の内容と重複していますね。
本当ですね。今思えば、もっと自分の強みとか志向性について入れても良かったかもしれないですね。
あと今後の目標が明確になるように「あの資格が取りたい」とか「こういう技術を身につけたい」とかも書いてもよかったかも。
—履歴書と職務経歴書は、いつ、どのように提出しましたか?
面接のときに持参して提出しました。
送付状と一緒にクリアファイルに挟んで封筒に入れて、封筒には「履歴書在中」と書きました。
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の履歴書・職務経歴書について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。

【履歴書:改善できそうな点】
①学歴
高等学校の入学歴も記載しましょう。
②免許・資格
「普通型自動車免許」の正しい表記(略称)は「普通自動車免許」です。書き終えたら誤字がないかの確認を忘れずに!
③志望動機
学生時代から就業中まで休んだことがないのは素晴らしいことです。ただ面接官によっては「仕事を休まないことは当たり前」と捉えられる可能性もあります。休まないために努力したことや、休まなかったことで周囲に良い影響を与えたエピソードなど、より掘り下げて記載すると良いです。
・業務内容が簡潔でわかりやすく記載されています。
・自己PRから前向きに業務に関わってきたことがわかり、人柄が伝わります。
・履歴書と同じ内容の自己PRは避け、新しい情報を記載するようにしましょう。 ・学生時代のことよりも、業務を経て培った能力や今までの実績などもふまえて自身の強みを記載するとさらに良いでしょう。
3.作業療法士の面接対策

—改めて、面接までの選考の流れを教えてください。
紹介を受けて今の上司に繋いでもらってあとは、メールで直接、面接兼見学日の日程を調整しました。
面接は、1次面接が終わったら最終面接と、1日でまとめて受けました。
1次面接の相手は今の上司で、作業療法士で1番上のポジションの人です。面接時間は15〜20分くらい。
最終面接の相手はリハ課(リハビリテーション課)のトップの理学療法士で、面接時間は10〜15分くらいでした。
—面接場所はどこでしたか?
院内の空いている診察室だったと思います。
—面接で話した内容は?
研修や入社後のスケジュール、就業時間の説明、希望病棟の確認などについて話したと思います。
1次も最終も勤務条件の確認や仕事内容の説明が多くて、あまり変わった質問はなかったですね。
—逆質問はしましたか?
転職に合わせて引っ越しが必要だったので、ほかのスタッフの通勤手段について聞きました。
あとは残業時間や、何曜日が定休になるのか聞いたと思います。
—重視する点に給与を上げていましたが、給与についての質問は?
軽く話した程度ですね。事前にメールで過去の給与実績データをもらっていて、だいたいの金額はわかっていたので。
—面接時の服装やメイク、髪型は証明写真と同じですか?
まったく同じでした。
—作業療法士の面接では、スーツが一般的なんですか?
スーツが多いと思います。
病院や施設に私服で行くと、患者さんの家族だと勘違いされそうなので。
—当日の持ち物は?
提出書類、筆記用具、メモ帳、ハンカチ、ティッシュ、財布、メイク道具、時計、スマホ、飲み物くらいです。
—面接準備は何かしましたか?
志望動機がスムーズに答えられるように、ノートに箇条書きでまとめました。
あとは実際に声に出してみる面接練習も軽くやってたかな。
—面接当日の過ごし方を教えてください。
面接は13時半からだったんですけど、まだ引っ越し前で電車で2時間かかるし、初めて行く場所なので余裕を持つようにしました。
朝はちょっと早めに起きて朝ごはんを食べて、志望動機を見直し、身支度を整えて11時頃に出発。
30分前には着いて、帰りのバス停を確認したりして、10分くらい余ったかな。
集合場所のリハ課には5分前に訪問しました。
—面接結果が出るまでどのくらいかかりましたか?
1週間後くらいにメールで採用連絡が来ました。
面接中にも「大丈夫だよ」と言われてたのでそれほど心配してなかったんですけど、結果を受けたときはそれでも安心しましたね。
—初出勤までの期間は?
1ヶ月弱くらいです。早めに来てほしいと言われたんですが、引っ越しもあったのでそのくらいかかっちゃいました。
—ほかに入職までに準備したことはありますか?
回復期を担当するうえで身体機能についての知識が足りなかったので、勉強してました。
—転職満足度は何点ですか?
90点くらいですかね。
—高いですね! その理由は?
自分の知識も技術もぜんぜん足りないし、職員の顔と名前を覚えるのに時間がかかったりして、慣れるまでは大変でした。
でも聞いたとおり教育体制は整っているし、比較的休みも取りやすいので、ギャップの少なさから90点です。
—残り10点は何がマイナスですか?
立地ですね(笑)。駅から結構離れた場所にある病院なので、もうちょっと好アクセスだと良かったですね。

—今後の目標があれば教えてください。
いずれは訪問リハビリに携われたらいいなと思ってます。
私たちは患者さんの退院後の生活を考え、リハビリ計画を立てて一緒に練習していくんですけど、退院後に自宅でも実践できているのか、どんな生活を送っているのかは、病院にいると見えません。やっぱり生活の基盤は自宅だと思うので、そこに関わっていきたいですね。
今は病院の数が減って在宅を重視するようになって、お給料も訪問のほうが高いみたいです。周りでも、訪問リハビリに転職したり独立したりする人が増えてきてます。
—では最後に、作業療法士で転職を考えている方に向けて、アドバイスをお願いします。
私は紹介経由の転職でしたが、もし一から職場を探すのであれば、見学に行ったり人から話を聞いたりして、たくさん比較したほうがいいと思います。
実際に見に行くと、どんなリハビリ用の物品があるかも確認できますし、スタッフの礼節とか見学者への対応、雰囲気なんかを肌で感じ取れると思うので。
勉強会に参加して知り合った人から、周囲の施設の口コミを聞いてもいいですし、いい職場ならそのまま紹介を頼んでみることもできると思います。
—実践的な内容ですね。本日はありがとうございました!
ジョブメドレーからのアドバイス
今回の面接対策について、ジョブメドレーのキャリアサポートに「良い点」「改善できそうな点」を聞いてみました。主なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
◎声を出しての面接練習がGood!
実際に声に出して面接をシミュレーションしてみると、思ったよりもスムーズに回答できないことも多いです。本番に近い形で練習してみるのはとても良いです!
◎面接場所への到着時間もバッチリ!
時間に余裕を持って面接場所に到着することで、気持ちの面でも余裕を持って面接に臨めたと思います。訪問時間も5~10分前でちょうど良かったです。
◎逆質問は絶好のアピールチャンス!
逆質問の内容によっては、それまでにアピールしきれなかったことを伝えられるチャンス。待遇面の質問だけでなく、自身の志向性や熱意なども含めて、面接官に自分をアピールできる質問も用意しておくといいでしょう。
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