
1.整体師(40歳)の履歴書【実例】
2.整体師/セラピストの履歴書の書き方(基本)
2-1.履歴書の種類・形式・サイズは?
2-2.手書きorパソコンどっちがいい?
2-3.誤字脱字のチェックを忘れずに
3.整体師/セラピストの履歴書の書き方(項目別)
4.履歴書の提出方法
4-1.郵送するときのマナー
4-2.手渡しするときのマナー
4-3.メールで送付するときのマナー
4-4.封筒はどの提出方法でも必要
5.整体師/セラピストのパターン別・志望動機
5-1.新卒・未経験者の志望動機サンプル
5-2.経験者の志望動機サンプル
5-3.異業種から転職するときの志望動機サンプル
6.整体師/セラピストの面接対策
6-1.面接前日の準備
6-2.面接当日の流れと注意点
6-3.面接時のマナー
6-4.筆記試験・適性検査の有無
6-5.よく聞かれる質問例と回答例
1.整体師(40歳)の履歴書【実例】
転職・就職活動をおこなうときに必要な“履歴書”。「書き方がわからない」「志望動機に入れるべき内容を知りたい」などと悩む方も多いのではないでしょうか?
この記事では、基本的な履歴書の書き方や面接対策だけでなく、現役の整体師が転職する際に準備したことや面接での質問内容を含め、より実践的な対策もご紹介します。
現役の整体師へのインタビューについては、以下の記事で詳しく紹介しています。実体験のほかに、ジョブメドレーのキャリアサポートからの履歴書・面接対策に対してのアドバイスも掲載していますので、参考にしてみてください。

【整体師インタビュー】40歳男性の履歴書・志望動機・面接対策(転職経験4回)
2.整体師/セラピストの履歴書の書き方(基本) 2-1.履歴書の種類・形式・サイズは?
履歴書にはさまざまな種類があります。応募先や学校からの指定がない限り、どの履歴書を使っても問題ありません。しかし新卒者と中途採用者では履歴書でアピールすべき内容も異なりますので、自分にあったフォーマットを選ぶと良いでしょう。
履歴書の種類
<ベーシック(厚生労働省推奨)>
2021年4月より厚生労働省が公正な採用選考をおこなうことを目的に作成されたフォーマット。「性別」が任意記入、「通勤時間」「扶養家族・配偶者」などの欄がないことが特徴。「学歴・職歴」欄が広く設けられているため、転職回数の多い人にもおすすめ。
<新卒者・職歴の少ない人向け>
「学歴・職歴」欄が狭く、その代わりに「趣味・特技」「スポーツ・クラブ・文化活動」「自己PR・長所」などの欄があるものがおすすめ。新卒者の場合は、学校指定の履歴書を使っても良い。
<中途採用者・転職回数の多い人向け>
「学歴・職歴」欄が広く設けられているものがおすすめ。「退職理由」を記入する欄が設けられているタイプもある。
<パート・アルバイト向け>
「希望勤務日・時間帯」欄が設けられているものが便利。「志望動機」欄をはじめ全体的に記入欄が狭く、書く文量が少ないのが特徴。
なお、履歴書の入手方法としては、コンビニやスーパー、文房具店などで市販のものを購入するか、インターネット上の求人サイトなどで無料配布しているものをダウンロードして利用する方法があります。
アドバイス|履歴書のサイズはA4かB5の2種類
市販のものやインターネットでダウンロードできる履歴書には、A4サイズ(ヨコ210ミリ×タテ297ミリ)と、ひと回り小さいB5サイズ(ヨコ182ミリ×タテ257ミリ)の2種類があります。サイズの指定がない場合、どちらを選んでも問題ありません。
A4サイズはB5サイズに比べて、各項目(学歴・職歴、志望動機・自己PRなど)の記入スペースが広いため、内容を充実させたい人はA4サイズを選びましょう。
2-2.手書きorパソコンどっちがいい?
履歴書の形式・提出方法が指定されている場合は、それに従いましょう。では、指定がない場合や「手書き・パソコンどちらでも構わない」と言われた場合は、どちらのほうが良いのでしょうか?
■時間を有効に使いたいなら、パソコン・スマホでの作成が便利
最近ではパソコンやスマートフォンで履歴書が簡単に作成できるツールも増えています。データを保存・編集できるツールを使えば、手書きの履歴書のように書き損じによる書き直しの手間もなく、複数エントリーする場合でも使い回しができて便利です。
ジョブメドレーには、プロフィールを入力するだけで簡単に履歴書と職務経歴書を作成できる機能が備わっています。積極的に活用してみましょう。
▼履歴書の書き方の基本についてはこちらの記事もご覧ください。
履歴書の書き方!いまさら聞けないキホンって?
アドバイス|手書きの場合、修正テープ・修正液は使ってもいい?
応募書類を書き損じた場合、修正テープや修正液は使わずに書き直すことをおすすめします。
例えば、ぜひ採用したい経験や能力を持つ人からの応募であれば、修正テープなどを使ったからといって即不採用になるとは考えにくいです。しかし同じような条件の応募者が複数いて、不備のない綺麗な履歴書と、修正テープが使われた履歴書があった場合、心証が良いのは修正テープを使っていないほうの履歴書ではないでしょうか。
書き損じを減らすための工夫としては、鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書する、事前に記入する内容をメモ帳などにまとめておくといった方法があります。コピーした履歴書で練習してみるのも良いでしょう。
2-3.誤字脱字のチェックを忘れずに
手書き・パソコン、どちらの履歴書でも大事なポイントは「読みやすさ」と「正しさ」です。メモを取るような走り書きや、不自然な日本語になっていないか気をつけましょう。
書き終えたあとには「誤字脱字」のチェックをしておくと安心です。一度声に出して読んでみることで、本人が見逃しがちな「ちょっとしたミス」を事前に防ぐことができます。
提出期間に余裕がある方は、家族や職場の同僚、学校の先生、友人などの第三者に履歴書を読んでもらい、気になる点を指摘してもらうことも有効です。
3.整体師/セラピストの履歴書の書き方(項目別)

ここでは履歴書の項目別のポイントをご紹介します。書き方のルールや証明写真を撮影するときの服装・身だしなみのマナーを覚えておきましょう。
①日付
履歴書を書いた日付ではなく、提出する日付を記入。郵送の場合は投函する日付を記入する。他の応募先に持参した、日付の古い履歴書の使い回しはNG。
②氏名
見やすく大きな字を心がける。苗字と名前の間にスペースをあけて書くのが望ましい。
③生年月日・年齢
和暦・西暦を書類全体で統一する。「満◯歳」となっているものは、提出日時点での年齢を書き込む。
④住所
必ず都道府県から書き、番地やマンション名も省略せずに記入する。ふりがなは都道府県と市区町村(番地の前)まででOK。マンション名に難しい漢字が入っている場合は、ふりがなを振っておく。
⑤連絡先
つながりやすい携帯電話の番号を記載。普段使用しているメールアドレスも記入しておく。
⑥写真
証明写真は3ヶ月〜半年以内に撮影したものを使用するのが一般的。写真がはがれたときのために、裏面に「氏名+撮影日」を記入する。スナップ写真の切り抜きやプリクラなどは避ける。
証明写真については「第一印象を良くする!履歴書写真の撮り方とポイント」で説明しているので、あわせてご覧ください。
point
- ・服装は白シャツ+黒系のスーツorジャケットが基本
- ・暗いイメージを持たれないよう、自然な笑顔をこころがける
- ・派手なアクセサリーや濃いメイクは避けたほうが良い
- ・髪が長い人は束ね、前髪で目が隠れないようにする
- ・明るすぎや派手な髪色・髪型は避けたほうが良い。「ヘアカラー7番」までが一般的

⑦学歴・職歴
学歴と職歴を分けて記載する。和暦・西暦はどちらでも構いませんが、履歴書内で統一しましょう。年・月の欄に「年」「月」と書く必要はありません。
学歴は高等学校以降の入学・卒業を記入。「◯◯高校」ではなく、正式名称で「◯◯高等学校」と書く。新卒の場合は、通っている学校を「卒業見込み」と記入しましょう。
職歴は入職ならびに退職の年月を時系列に沿って記入。整体師/セラピスト以外の職歴も正しく書く。なお、学生時代のアルバイト歴を記載する必要はありません。ただし接骨院や整体院など、選考時にアピールできる勤務先の場合は記載しましょう。
学歴・職歴の記載が終わったら、職歴の最後の行に「現在に至る」と記入し、その一行下に右寄せで「以上」と記入。退職が決まっている場合は、職歴欄の「現在に至る」の隣に退職予定日を記入しましょう。
point
- ・学校、学部、学科名は正式名称で
- ・転職した場合は正しい年月と法人名を
- ・すべての経歴を記載し終わったら、最後に「以上」を忘れずに
■短い職歴は省略してもいい?
入職1年未満で退職に至る、いわゆる「早期離職」の職歴がある場合、「書くべきかどうか迷う」「悪い印象を与えたくない」という人は多いはず。
履歴書・職務経歴書について、どこまで書くべきかという決まりは定められていませんが、短い職歴についても履歴書に記載することをオススメします。
万が一、保険や年金の加入実績から過去の職歴がわかった場合、担当者によっては「経歴を詐称して応募してきた」という印象を与えかねません。
それよりは、早期退職の理由を説明して、失敗や反省点は今後に活かして働きたいという前向きな姿勢を見せることが大切です。
⑧免許・資格
免許・資格名は正式名称で記載しましょう。記載順に決められたルールはありませんが、先に運転免許を取得順に書き、その他の免許・資格を取得順に書くと見やすくなります。
⑨志望動機
履歴書の志望動機は「学歴・職歴」「免許・資格」などの情報に加えて、仕事に対する熱意・考え方を伝える重要な項目です。
「なぜその接骨院や事業所を志望するのか」という理由を、自身の経歴や応募先の特徴と結びつけて書くことで、より説得力を持たせることができます。
「何を書けばいいかわからない」という人は後述の「5.(例文)整体師/セラピストのパターン別・志望動機」を参考にしてみてください。
■正しい「敬称」はどれ?
履歴書や面接において、意外と間違えやすいのが「敬称」です。正しい「敬称」の使い分けをマスターしましょう。
point
「貴院」「貴社」書き言葉のため、おもに履歴書や職務経歴書で使用する。
「御院」「御社」
話し言葉のため、おもに面接のときに使用する。
▼「敬称」についてはこちらの記事もチェック!
⑩本人希望欄
絶対に譲れない勤務条件や待遇がある場合を除き「貴院(貴社)の規定に従います」と記入。給料や待遇などの希望は、選考が進んだ段階で担当者に直接交渉することが一般的です。
在職中で電話の対応時間が限られる場合は、連絡可能な時間帯を書いておくとより丁寧です。
4.履歴書の提出方法
4-1.郵送するときのマナー
■送付状(添え状)の書き方・テンプレート
履歴書を郵送する際には、「送付状(添え状)」を同封します。

送付状はA4サイズで、以下の項目を記入します。
①日付
郵送する履歴書と合わせて、投函する日付を記入する。西暦・和暦は書類の中で統一する。
②宛名
送り先の法人名・部署名などを省略せずに正式名称で記入する。
③署名
宛名より下に記入する。「住所」「氏名」に加えて「連絡先」を記入しておくと丁寧。
④件名
「何の件」に関する書類かわかるように、件名を記入する。
⑤頭語と結語
書き出しは「拝啓」の頭語、締めは「敬具」の結語を記入する。
⑥本文
「拝啓」に続き、簡単な挨拶文を記入する。
⑦同封書類
「敬具」の結語のあとに改行して「記」と記入。箇条書きで同封書類・枚数を記入。 最後は「以上」と記入する。
■封筒の書き方・テンプレート
封筒の表面には、送り先の郵便番号、住所、宛名を省略せずに正しく書きましょう。左下に「履歴書在中」と記載する必要がありますが、はじめから印刷されている「履歴書用封筒」もあります。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を書きましょう。
クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れて、のり付けをしたら、中央に黒いペンで「〆」と記入します。
封筒の色は「白」、サイズは履歴書を折らずに封入できる「角形A4号」か「角形A2号」を選びましょう。

4-2.手渡しするときのマナー
履歴書を直接持参する場合でも、郵送するときと同様に、クリアファイルに挟んだ履歴書を封筒に入れましょう。持参する過程で、端が折れたり、シワになったり、汚れたりすることを防ぐことができます。
直接手渡しする場合は、郵送するときのように、表面に宛先を記入する必要はありません。封筒の裏面・左下には、自分の住所と氏名を記入します。
4-3.メールで送付するときのマナー
「履歴書をメールで送ってほしい」と言われた場合は、以下のポイントに気をつけてメールを作成しましょう。
■件名は簡潔に、本文は読みやすく
採用担当者は日々多くのメールを受け取っています。件名は「履歴書ご送付の件/氏名」「整体師応募の件/氏名」など、内容がひと目でわかるようにしましょう。本文は適宜改行したり、1行空けたりして、読みやすさを心がけることが大切です。
■履歴書はPDF形式で、パスワードを設定
履歴書は個人情報が書かれた重要書類です。誤送信によって第三者に閲覧されるリスクを軽減するためにも、履歴書の送り方には十分注意しましょう。
履歴書のファイルはWordやExcelなどのテンプレートで作成した場合でも、PDF形式に変換して送るのがベストです。それにより、第三者が上書きできなくなったり、レイアウトを保ったまま印刷したりすることができます。
作成→PDFファイルへの変換が終わったらフォルダに格納。zip形式でパスワードを設定・圧縮したうえで、メールに添付。ファイル名は「20200131_履歴書」のように、担当者がわかりやすい名称にしましょう。
■パスワードは2通目のメールで伝えるのが正解?
パスワードのかかったzipファイルを送るとき、後続のメールでパスワードを送付することが慣習となっています。しかしながら、このような対策はセキュリティ上、ほとんど意味を成しません。
現在、データ送付にメールを使用しなければならない場合は、「電話」「郵送」「直接会う」などの方法で、担当者にパスワードを伝える方法が最も良いとされています。
■履歴書をメールで送付するときの文面例
<件名>
履歴書ご送付の件/氏名
<文面>
株式会社○○
○○接骨院
採用担当 ○○○○様
○○○○と申します。
ご指示いただきました履歴書をお送りいたします。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
応募書類には念のためパスワードを設定しております。
パスワードは追ってお伝えいたしますので、
ご確認いただけますと幸いです。
お忙しいところ大変恐縮ですが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
———————————–
氏名
郵便番号+住所
電話番号
メールアドレス
———————————–
4-4.封筒はどの提出方法でも必要
履歴書を入れる封筒は、履歴書を郵送する場合、手渡しする場合、メールで送る場合のすべての提出方法で必要になります。
メール送付の場合は必要ないと思う人もいるかもしれませんが、念のため送付したPDFファイルを印刷したものをクリアファイル・封筒に入れて面接に持参すると良いでしょう。
5.(例文)整体師/セラピストのパターン別・志望動機
志望動機といっても、求職者のステータスや応募先によって、伝えるべき内容は異なります。志望動機にどのようなことを書けばいいか、以下の「パターン別・志望動機」を参考にしてみてください。
5-1.新卒・未経験者の志望動機サンプル
新卒・未経験者の場合は、その人自身の人間性や考え方が重視されます。「人柄がわかるエピソード」や「なぜ整体師/セラピストとして働きたいのか」というポイントを伝えましょう。
5-2.経験者の志望動機サンプル
整体師/セラピストとしての実務経験がある方が転職する場合は「活かせるスキルや以前の役職」「現在の職場やほかの職場ではできないこと」を志望動機としてアピールしましょう。
5-3.異業種から整体師/セラピストへ転職するときの志望動機サンプル
異業種からキャリアチェンジする場合は「なぜ今から整体師/セラピストとして働きたいのか」という具体的な理由に加えて、「これまでの経験から活かせるスキル」を書くことが大切です。
6.整体師/セラピストの面接対策
整体師/セラピストとして就職・転職する際の最終審査となる採用面接。面接の場ではあなたの行動や話し方、立ち居振る舞いなどから、履歴書ではわからない「人柄や考え方」も見られます。ここでは、面接時の服装や身だしなみ、面接前日の準備、面接当日の流れと注意点、よくある質問と受け答えをご紹介します。
6-1.面接前日の準備
■当日の持ち物・服装・身だしなみをチェック!
当日に慌てることのないように、面接前日までに以下を準備しておきましょう。
point
<持ち物>・履歴書や職務経歴書などの書類は、クリアファイルに挟んで封筒に入れる。郵送・メールなどで提出している場合でも、念のため書類のコピーを用意する
・持ち物の指定がない場合でも、筆記用具やノートなどは最低限持っていくようにする
<身だしなみ>・当日着る服が綺麗な状態か確認する
・靴に汚れが付いていないか確認。時間に余裕があれば磨いておく
・男女ともに爪は短く切る。女性はマニキュアを綺麗に落としておく
新卒採用の場合はスーツ着用が一般的ですが、中途採用の場合は着ていく服装に迷うかもしれません。インタビューに答えてくれた整体師の男性は、スーツで面接に臨んだようです。「動きやすい服装」などの指定がない限り、中途採用でもスーツを着ていくのがよいでしょう。
整体師(40歳)の例
“ー面接当日の流れを簡単に教えてください。
まず会場(接骨院)の最寄駅には30分前には着くように家を出ました。
ただ、その日はスーツを着ていったんですが、電車に乗ってからスニーカーで家を出てきたことに気づきまして……。
急いで家に引き返して、革靴に履き替えました(笑)。”
▼面接時の服装・身だしなみについては、こちらの記事で詳しく解説!
【スーツ・私服別】医療介護福祉職の面接にふさわしい服装・髪型・メイク・身だしなみまとめ
■面接会場までの行き方・天候を確認しよう
電車やバスなどの公共交通機関を使う人は、自宅から面接会場までの交通手段を確認しておきましょう。
初めて行く場所で不安な場合は、どのくらいの時間がかかるか事前に下見をしたり、面接場所付近に早めに着けるように出発時間を決めたりしておくと安心です。
早く着きすぎた場合は、カフェなどで受け答え内容の最終チェックや身だしなみのチェック、お手洗いなどを済ませ、時間を調整してから訪問しましょう。
また、大雨や雪などの悪天候下では、高い確率で交通機関の運行が乱れます。当日の天気を確認して、出発時間を早める必要があるかどうかの検討も忘れずに。
■面接のシミュレーションをしておくと安心
持ち物や行き方の確認に加えて、当日役に立つのが「面接のシミュレーション」です。「志望動機」や「整体師/セラピストとして働く上で大切にしていること」など、予想される質問に対する回答を用意しておきましょう。
また、回答が頭の中で整理できていても、いざ面接官を前にすると頭が真っ白になってしまってパニック……なんてこともよくあります。
そんなときのために、予想される質問と回答をメモ帳やノートに書き出したり、書き出した内容を声に出して読んでみたりしておくと、落ち着いて面接に臨むことができるでしょう。
6-2.面接当日の注意点
■当日の遅刻は悪印象。遅れる場合は速やかに連絡を
「当日の遅刻」に対する面接官からの印象は良くありません。余裕を持って到着できるように出発しましょう。
万が一、やむを得ない事情で遅れてしまう場合は、速やかに担当者にお詫びの電話をして「現在の状況」「到着見込み時間」を伝えましょう。
■訪問するのは5分前を目安に
面接場所に到着したら、受付やスタッフの方に声をかけ、面接で訪れた旨を伝えます。面接時間ギリギリに駆け込むのはもちろんNGですが、早すぎる訪問も避けたいところ。
多忙な接骨院や事業所では、面接担当者も直前まで業務にあたっていることがほとんどです。待たせたり急かしたりすることがないよう、開始時刻の5分前を目安に訪問すると良いでしょう。
■スマートフォンはマナーモードに
面接中はスマートフォンの電源を切っておくかマナーモードにして、着信音や通知音が鳴らないようにしましょう。バイブレーションの音が鳴ってしまうことも、あまり良い印象を与えません。
6-3.面接時のマナー
■話し方や仕草、表情にも気をつけよう
整体師/セラピストは患者さんなどの多くの人とコミュニケーションを取る職種のため、話し方や姿勢などの見た目の印象は非常に大切。面接中は相手の顔をしっかりと見て、元気よく話しましょう。姿勢が悪かったり、目線が合わなかったりすると、仕事中もそのような接し方をするのではないかと思われます。
普段は気にしていなくても、他人から見ると気になる点が1つや2つは出てしまうもの。面接に慣れていない人は、模擬面接などで第三者にフィードバックをもらうことも有効な対策です。
■入退室時のチェックポイント
面接会場への入室時には軽くノックをして、応答が聞こえたら「失礼します」と断ってから入りましょう。部屋に入室したら、軽くお辞儀をして「◯◯◯◯(氏名)です。本日はよろしくお願いいたします」と元気よく挨拶をしましょう。着席は面接官に「おかけください」と勧められてから。先に自分から座ってしまうのはNGです。
面接が終わったら「本日はありがとうございました」とお礼をしてから席を立ち、ドアの前で「失礼します」とお辞儀をしてから静かに退室しましょう。
6-4.筆記試験・適性検査の有無
整体師/セラピストの採用試験では、面接の前後で筆記試験や小論文試験、適性検査がある場合があります。
筆記試験の場合は、国語や計算などの一般常識問題レベルから、企業などの就職試験でおこなわれるSPIなどがあります。心配な方は、市販の対策テキストを1冊やっておくと良いでしょう。
小論文試験では、特定のテーマに関する自分の考えを述べる作文が出題されます。試験会場で制限時間内に作成する場合と、自宅などで作成し提出する方法の2パターンがあります。
適性検査では、複数の質問に回答することで、その人の性格や仕事に対する姿勢などを判断します。採用に有利に働かせようとして実際の考えと異なる回答を選ぶと矛盾が生じてしまいます。適性検査では、あまり深く考えすぎずに素直に回答していきましょう。
以前インタビューに答えてくれた整体師の男性は、応募後に心理テストが課されたそうです。
整体師(40歳)の例
“ー当日は面接以外に何か試験はありましたか?
いや、面接だけでした。
ただ事前に心理テストがありましたね。
ー心理テストですか。
はい、ネットの転職サイトから応募したんですが、「まずはこちらの心理テストにお答えください」ってメールが来まして。
変わった会社だなぁと。
ーどんな心理テストでしたか?
「類人猿分類診断」っていう、性格タイプ診断みたいなものです。例えば「あなたは感情を表に出すタイプですか?」みたいな質問に答えていくんです。
その結果によって「チンパンジータイプです」とか「ゴリラタイプです」とか。”
6-5.よく聞かれる質問例と回答例
面接対策として、整体師/セラピストがよく聞かれる質問と回答例を紹介します。これらの例文をもとに「自分ならどう答えるか」を考えてみましょう。
整体師/セラピストの面接に限らず、どの職種でも必ず聞かれるのが「志望動機」です。事前の下調べや可能であれば職場見学をさせてもらうなど、応募先のどこが良くて志望するのか明確に伝えられると良いでしょう。
回答例
“前職は老人ホームで介護職員として働いていましたが、御院でボディケアを受けた際に、これまでの体の不調が嘘のように改善しとても感動しました。その後も数回通うなかで、患者さんに対する丁寧な態度や心遣いに強く心を打たれ、私もみなさんのように感動を与えられるセラピストになりたいと思い志望しました。介護とボディケアでは「一人ひとりに合ったケアを考える」という点で共通しているため、異業種ではありますが前職の経験を活かすことができると考えています。”
その職種を目指したきっかけを聞くことにより、「求職者の人となり」が伝わります。できるだけ具体的な体験を伝えることが大切です。
回答例
“学生の頃から自分の身体のケアが好きで、整体院にもよく通っていました。リラクゼーションの癒し効果を体験していくうちに、「自分も誰かに癒しを与えたい」と考えるようになったことがきっかけです”
この質問では「自分を客観的に見られるか」「短所をどのようにカバーしようとしているか」といったポイントが見られます。ただの自慢話に終わったり、欠点を述べるだけになったりしないように気をつけましょう。
回答例“私の長所は「ひとつのことを継続・努力し続けられること」です。小学生から高校生まで野球を続け、スランプやケガにも挫けずコツコツと努力を続けてきました。短所は「頑固なところ」です。こだわりが強い性格のため、自分が納得するまでに時間がかかってしまったり、理由を求めてしまうところがあります。複数人で働く以上は他のスタッフと意見がすれ違うこともありますが、そういったときにはお互いの主張を理解するために、たくさん話すことを大切にしています。”
中途採用の人が必ずと言っていいほど聞かれる質問です。「職場の人間関係が悪かった」「残業が多く、給料が少なかった」などの愚痴になってしまうと「大変なことがあったら辞めてしまうのでは」という印象を与えるため、前向きな理由を伝えましょう。
回答例“待遇や人間関係に不満はなかったのですが、小規模かつ完全予約制システムの関係で1日に診られる患者様の人数に限りがありました。より多くの患者様や症例を経験し、さらなるスキルアップを目指すべく転職を決めました。”
いわゆる「逆質問」に対して「とくにありません」と回答するのは避けたほうが良いでしょう。途中までの受け答えがうまくいっていたとしても「第一志望ではないのかもしれない」「働きたい職場なのに何ひとつ質問は浮かばないのだろうか」と思われてしまう場合もあります。そのため、逆質問を通してその応募先に対する意欲や自己PRをすることが大切です。
回答例“入職後も勉強を続けるためにセミナーなどへの参加を考えています。院内や近隣施設で開催している勉強会はありますか?”
“御院にご縁をいただけた場合、配属先はどのように決定しますか?”
これらの質問・回答例は、あくまで代表的なものにすぎません。整体師/セラピストの面接ではほかにも「ほかの職場も受けていますか?」「前の職場で学んだことは?」「今関心がある医療ニュースはありますか?」など、さまざまな質問が想定されます。当日慌てることがないように準備しておきましょう。