1.子ども医療費助成制度とは
子どもにかかる医療費を補助する制度
子ども医療費助成制度とは、各自治体が定めた年齢の子どもにかかる医療費を援助する制度です。病院や薬局で子どもの医療費が発生した際に、子どもの健康保険証と医療証を提示したり、受給券(受給者証)を提示したりすることで保護者が負担する金額が軽減されます。
子どもの医療費は公的医療保険が7〜8割を負担し、残りの2〜3割を市区町村が補助することで自己負担が抑えられる仕組みです。現状、国で統一された制度ではなく、住んでいる市区町村ごとに内容は異なります。
対象となる子ども
対象となる子どもの年齢は自治体ごとに定められています。厚生労働省が自治体におこなった調査によると、都道府県別では就学前までを対象としているところが最も多く、市区町村別では中学卒業年齢(15歳年度末)が最多という結果でした。


東京都では2023年4月1日から、中学生以下から高校生以下(18歳の年度末まで)に対象年齢を引き上げました。厚生労働省はこれまで、独自の医療費助成をおこなう自治体に対し補助金を減らす措置を取っていましたが、少子化対策を進めるために措置を取りやめる検討がなされています。
2.助成対象の医療費
子ども医療費助成制度の対象となる医療費は、医療機関などで支払う金額のうち医療保険が適用となる分です。医療費や薬代以外にも、健康保険が適用される補装具や眼鏡なども助成対象となります。保険適用外の健康診断や予防接種、薬の容器代、入院時の食事代、差額ベッド代などは助成対象となりません。
また、以下も助成対象外となるケースがあります。
- 幼稚園や学校でケガをした場合
日本スポーツ振興センターの災害共済給付対象となるため
- 小児慢性疾患など特定の疾患がある場合
ほかの医療費助成が受けられるため
- 交通事故など第三者から受けたケガや病気の場合
損害賠償などが受けられるため
3.助成を受ける方法
保護者が申請する
子ども医療費助成制度を受けるためには、まず保護者が住民票がある自治体の窓口で子どもの医療証の申請をおこないます。申請には子どもの健康保険証のほか、保護者の身分確認ができるマイナンバーカードや運転免許証などが必要です。申請後、乳幼児であれば「マル乳医療証」小・中学校生には「マル子医療証」、高校生等であれば「マル青医療証」が届きます。
医療機関などを受診した際に、医療証と健康保険証を窓口に提出することで助成制度が適用され、医療費の全額または一部が軽減されます。
都道府県外での利用は「現金助成」が受けられる
旅行先や外出先などで住んでいる都道府県外の医療機関を受診した場合は、後日住んでいる自治体に申請をおこなうことで還付が受けられます。
手続き方法は、まず受診した医療機関の窓口で自己負担分の支払いをし領収書をもらいます。後日居住地の窓口または郵送などで必要書類を揃えて提出します。申請後、審査を経て指定の口座に医療費が振り込まれます。
子ども医療費助成制度は、全国で共通の内容にすることも提言されていますが、現状は各自治体ごとに内容や申請方法が異なります。それぞれの住まいにおける制度内容をチェックして利用しましょう。