幼稚園教諭ってどんな仕事？保育士との違いは？
「幼稚園」とは、学校教育法に規定された正規の教育機関。小学校就学前の幼児が通う幼稚園において、子どもたちの健やかな心身の発達を促すための教育を行うのが幼稚園教諭の役割です。保育士と同じように思われがちですが、保護者の代わりに保育をすることが中心の保育士とは大きく違っています。指導するのは「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つの領域。生活や遊戯を通じて総合的に、自分を表現することや言葉遣いを学べる場をつくる。人との関わりや環境に適応できるように導き、子どもの生きる力を育てる。これらを効果的に指導するための指導計画を作ったり、指導記録をつけたりすることもあります。園単位での勉強会や、園外で行われる指導向上のための勉強会などに参加したりすることも大切な仕事です。
昨今の幼稚園教諭就業人数の傾向は？
幼稚園教諭は、昔から子どものなりたい職業ランキングでも上位にくる人気の仕事です。ですが、近年は少子化の影響で幼稚園数も減り、採用人数が減少の傾向にあるとされています。また、最近では結婚・出産後に職場復帰する人も増えており、新規採用の人数が限られている状況もあります。特に国公立の幼稚園は公務員採用となることもあり難関です。文部科学省の調査によると、幼稚園教諭として就業している人数は、平成26年の調査で11万1,059人。そのうち国公立が2万3,704人、私立が8万7,355人でした。圧倒的に私立幼稚園の就業人数が多くなっています。
幼稚園教諭の就業先と給与の相場は？
幼稚園教諭としての就業先は、主に「幼稚園」。他には近年働く女性が増え、保育施設へのニーズが多様化してきているのが現状。幼稚園と保育所の施設や運営を一元化する「幼保一体施設」が増えつつあります。幼稚園教諭と保育士の両方の資格を持つ人には有利な状況とも言えます。給与の相場は、厚生労働省「平成24年賃金構造基本統計調査」によると、平均月給が22万3000円。そのほか、賞与等が年間65万2600円となっています。私立の幼稚園になると、園によって金額に差が出てきたり、保有する資格や個人の能力に応じて差が出たりすることがあるようです。
幼稚園教諭になるために必要な資格や学歴とは？
幼稚園教諭になるためには、国家資格である「幼稚園教諭免許状」を取得しなければなりません。まずは大学や短大、専門学校の養成課程を修了するのが一般的です。免許状は学歴によって、専修（大学院学位）、1種（大学学位）、2種（短大学位）の3種類に分かれていますが、給与や待遇の差はあったとしても、業務はさほど変わりません。また、保育士から幼稚園教諭へ転職したい場合、資格保有者で3年以上の実務経験があれば「教員資格認定試験」を受験し合格することで2種免許状を取得することができます。
幼稚園教諭免許を取得後、勤務先が公立か私立かで採用試験の形態が異なります。公立の幼稚園の場合、小・中・高校と同じように各都道府県教育委員会が採用試験を実施。私立の幼稚園の場合は、それぞれの幼稚園が独自に選考し採用します。
