求人にはルールが。年齢制限は原則禁止
求人には、様々なルールがあります。大枠を挙げると、虚偽の内容や誇大表現の禁止・男女差別の禁止・年齢制限の禁止です。いずれも求職者がわかりやすいよう、また性別や年齢で不当な差別を受けないよう、それぞれの法律で定められています。このうち年齢制限の禁止は、雇用対策法によるもの。第10条では「事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」とされています。以前はなかったこのルールは、中高年の再就職を妨げないようにとの配慮から2007年に加えられました。
このように、求人の募集・採用にあたって年齢制限をすることは原則禁止されています。そこで気になるのが新卒という表記。「新卒はどうなの?年齢制限じゃないの」と言われると確かにその通りです。実は例外が認められていて、「長期勤続によるキャリア形成」を理由とする年齢制限はその例外事由となるのです。
年齢制限をかけている求人が認められるわけ
年齢制限が許される事由のひとつに「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」があります。これは若者に長期間働いてもらい、時間をかけてキャリアを形成することを目的としています。若年者とは、おおむね40歳未満。特に35歳未満が対象とされています。さきほどの「新卒者」が主にこれに当たると考えられていますが、新卒者以外でも同等の処遇とすることが求められます。また「長期勤続でキャリア形成をする」ため、対象者の職業経験を不問とすることも必須条件。このように、認められた事由があれば、年齢制限をかけている求人も出せるのです。
長期勤続によるキャリア形成・・・働く側のメリットは?
長期勤続によるキャリア形成の目的で年齢制限ありの募集をかけている事業所は、若年者に入職してもらうことで、将来的に事業所の中核を担う人材や管理者・幹部となる人材を育てていきたいという考えがあります。ですから、「育てる」という視点において、工夫している事業所が多いようです。実際に、キャリアに応じた研修制度を設けたり、資格取得を支援したりしている事業所が多々あります。ジョブメドレーでも、こういった各事業所の研修の情報を詳しく記載しているので、ぜひチェックしてみてください。即戦力にはなれない、経験がない、といったことで不安を覚えがちな新卒者や未経験の入職者にとって、「教えてくれる体制がある」ということは、その就職先を選ぶ最大のメリットといえるでしょう。