就職がゴールじゃない。人材会社のパーソルダイバースが描く、就労移行支援の新しい形

障害者の就労支援から企業の雇用サポートまで幅広く手がけるパーソルダイバース株式会社。就職だけでなく、その後の定着や活躍まで見据えた就労移行支援とはどのようなものなのでしょうか。今回は事業を統括する木田さんと、現場で支援を担う吉田さんに人材会社が手がける就労移行支援のあり方について話を聞きました。【PR】パーソルダイバース株式会社

就職がゴールじゃない。人材会社のパーソルダイバースが描く、就労移行支援の新しい形

目次

人材サービスとして提供する就労移行支援

就労移行支援という福祉サービスをご存じでしょうか。障害のある人の就職や職場定着に必要なスキルと習慣を身につけるためのサービスで、支援事業所は全国に多数あり、福祉施設から民間企業まで運営母体はさまざまです。

人材サービス大手・パーソルグループの特例子会社であるパーソルダイバースも、就労移行支援を手がける会社の一つです。福祉施設とは異なる、人材会社ならではのアプローチで支援をおこなっています。

では、なぜ人材会社が就労移行支援を手がけるのでしょうか。まずは、就労移行支援事業を統括するゼネラルマネージャーの木田さんに、その理由と支援の考え方について話を聞きました。

話を聞いた人

木田さんアイコン

キャリア開発支援事業部 ゼネラルマネージャー
木田 正輝さん

2006年に旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に新卒入社後、2009年に旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。2013年より人材紹介事業部へ異動し、キャリアアドバイザーとして精神障害や発達障害がある人の就労支援をおこなう。現在は、キャリア開発支援事業部(就労移行支援事業)のゼネラルマネージャーとして、支援の質の向上に取り組んでいる。

「障害者雇用」という枠組みをなくしたい

木田さん取材風景1

──パーソルといえば転職や人材派遣のイメージが強いですが、なぜ就労移行支援を手がけているのでしょうか。

木田さん:人材の会社として多くの企業や求職者と関わるなかで、障害のある方が安心してはたらき始めるための準備や、就職後の定着に課題があると感じていました。そこに踏み込まないと、本当の意味での支援にならないと思ったんです。

その思いは、私たちの理念にも表れています。「障害者雇用を成功させる。そしてその先へ。」という言葉を理念に掲げ、グループビジョンである「はたらいて、笑おう。」を障害のある方々にも実感していただくため、就職から、その後の定着までを見据えた支援をおこなっています。

パーソルダイバース公式サイト
パーソルダイバース株式会社

また、「障害者雇用を成功させる。」という言葉の裏には「障害者雇用が、特別ではなく、自然に受け入れられる社会であってほしい」という思いも込められています。

今の障害者雇用は、配慮を前提とするなかで待遇差が生じやすく、一般雇用との間に見えない壁があります。誰もが何らかの事情を抱えてはたらくなかで、社会の側にある制約を取り払い、障害の有無にかかわらず誰もが活躍し、はたらいて笑顔になれる社会を目指しています。

──福祉事業として就労移行支援を提供する事業所が多いなか、人材会社が提供するメリットは何でしょうか?

育成から就職まで一貫して支援できる体制を持ちながら、進路はご本人の希望を尊重し、最適な選択を大切にしています。また、「dodaチャレンジ」の豊富な企業ネットワークも活かしながら、多様な選択肢の中から適した就職先をご提案しています。

また、特例子会社として自社で障害者雇用をおこなってきた経験から得たノウハウも支援に還元しています。実際に障害のある社員とはたらいているスタッフや、就労移行支援を経てパーソルダイバースに就職した卒業生を事業所に招き、就職後のリアルな姿を利用者さんに伝える取り組みもおこなっています。

*特例子会社…障害者の雇用に配慮した子会社として厚生労働大臣の認定を受けた会社のこと

事務職を目指す「ミラトレ」、IT特化の「Neuro Dive」

──就労移行支援事業について詳しく教えてください。

パーソルダイバースでは、「ミラトレ」と「Neuro Dive(ニューロダイブ)」の2つの事業を展開しています。

パーソルダイバースが手がける 2つの就労移行支援事業

ミラトレは、精神障害や発達障害のある方をはじめ、さまざまな障害のある方を対象に、事務職や事務補助職などとして就職を目指す就労移行支援事業所です。利用者さんは特別支援学校卒業直後の方から50代の方まで幅広く、平均は35歳前後です。

Neuro Diveは、IT分野への就職に特化した就労移行支援事業所です。「発達障害のある方の特性を活かし、AI・データサイエンスなどのIT分野で活躍できるフィールドを開拓することで、誰もが生き生きとはたらける社会を実現する」というコンセプトのもと運営しています。利用者さんは20代〜30代前半が中心で、卒業生はデータ分析やDX推進などの分野に就職されています。中には大手企業のAI推進部門やITコンサルタントとして活躍している方もいます。

それぞれの事業では、利用者さんの日々の活動をサポートし就職まで伴走する「就労支援員」や、個別支援計画の作成や全体の支援を統括する「サービス管理責任者」、拠点マネジメントをおこなう「センター長」がはたらいています。

──ITに特化した事業もあるんですね。そこで利用者さんをサポートする就労支援員はITに詳しい人がはたらいているのでしょうか?

学習の進捗確認や技術的なサポートは「ITアドバイザー」という専門職が担うので、支援員にITの専門知識は必要ありません。ITへの興味関心さえあれば大丈夫ですよ。

むしろNeuro Diveには、「今の障害者雇用の在り方を変えたい」という強い気持ちをもった支援員が多い印象です。高いスキルや強みを持ちながら、環境やコミュニケーションの課題によって力を発揮できていない方がいる現状を「おかしい」と感じ、その方たちが活躍できる場を一緒につくっていきたいという思いを持った人が集まっています。

木田さん取材風景2

──就労移行支援事業の就職実績はどのくらいですか?

ミラトレの就職率が94%で、Neuro DiveのIT職種への就職率が76%です。

ただし、大事なのは「就職がゴールではなく、活躍していただくことがゴール」だということです。就職後も3年間は、定着支援として伴走するケースが多いですね。

──ミラトレの就職率は全国平均の約58%を大きく上回っていますね。卒業後はパーソルグループに就職する方が多いのでしょうか?

就職活動の結果としてパーソルダイバースへの就職を希望される方もいますが、それはあくまでご本人の選択によるものです。就職活動の進め方は限定しておらず、ハローワークやほかのサービスを利用される方も多くいらっしゃいます。

一方Neuro Diveについては、現在の障害者雇用では事務作業の求人が主流で、デジタル・AI分野の求人はあまり表に出ていないのが現状です。だからこそ、就職率はまだまだ伸ばしていけると考えています。

障害のある方にIT業務を任せるイメージがまだ湧いていない段階の企業に対しても、パーソルのネットワークを活かしてアプローチをおこなっています。具体的には、「ITやデータ分野のスキルを持った方がいるのですが、その力を活かせる業務はありませんか」と提案することで、求人をゼロから創り出すという取り組みも進めています。

*出典:厚生労働省|障害者の就労支援対策の状況

160人以上の支援員が抱えていた共通認識

──支援をするうえで、大切にしていることは何ですか?

一言で言えば「尊重」です。昨年、ミラトレとNeuro Diveの共通のゴール・ビジョン・行動指針を策定するために、1年かけて160名以上の社員とミーティングを重ねました。そのとき、みんなが口にしたキーワードが「尊重」だったんです。

・ゴール
「障害の有無にかかわらず、誰もが多様性を尊重し合い、安心してはたらき、活躍しながら自己実現できる社会の実現を目指す」

・ビジョン
「私たちは、一人ひとりのらしさを大切にし、社会の中で活躍し続けるためのはたらく力を育み、未来へと紡いでいきます」

・行動指針
尊重・共創・多様性文化の醸成・連携基盤・インクルージョン

──なぜ1年という時間をかけて、現場の声を集めることにこだわったのでしょうか。

トップダウンでゴールやビジョンを決めることもできますが、それだけでは現場の納得感や実行力にはつながりにくいと思っていました。だからこそ時間をかけて声を集め、現場一人ひとりが自分ごととして捉えられる形で言語化することにこだわりました。

事業部長として何よりも、現場ではたらく社員一人ひとりの想いを大切にしながら事業を運営していきたいと考えています。

利用者の自立を促す「答えを渡さない支援」

パーソルダイバースの理念や事業内容を聞いてきました。では、実際の現場ではどのように支援をおこなっているのでしょうか。障害者福祉施設で長年にわたり支援に携わり、現在はミラトレさいたまのセンター長を務める吉田さんに、現場の取り組みや、前職との違いについて話を聞きました。

話を聞いた人

吉田さんアイコン

ミラトレさいたま センター長
吉田 舞さん

2022年、7年半勤めた多機能型事業所を退職しパーソルダイバースへ入社。支援員、サービス管理責任者を経て2026年にミラトレさいたまのセンター長へ就任。企業や支援機関など外部と連携しながら、利用者の就職・就労継続の支援をおこなう。

吉田さん取材風景1

──吉田さんは前職で多機能型事業所の支援員をされていたそうですね。

吉田さん:はい。前職では、生活介護事業、就労移行支援事業、就労継続支援B型事業の3つが同じ建物内にある施設で、利用者さんと一緒にパン工房の運営をしたり、就職の支援をしたりしていました。

──ミラトレの就労移行支援ではたらいてみて、前職との違いは感じましたか?

大きく違ったのは、外部とのつながりの多さですね。前職は生活介護の方が多かったこともあり、生活支援に重きを置いた環境でした。しかしミラトレに来てからは、企業や地域の支援機関など外部の方々と連携する機会が非常に多くなりました

──具体的にはどのような連携が?

例えば、定着支援でお伺いしている企業に職場見学をお願いして、利用者さんと訪問することがあります。また、すでに定着している利用者さんがいる企業に新しい受け入れを提案し、求人をいただくケースもあります

それ以上に大きな違いを感じるのは、利用者さんの悩みを事業所内だけで抱え込まない点です。体調面では病院の先生や訪問看護の方、生活面では生活支援機関に入っていただくなど、外部と連携しながら幅広く支援できる。これがミラトレの強みだと、はたらいてみて改めて感じています。

土台から固める支援プログラム

──では、ミラトレでの支援の流れを教えてください。

「就労準備性ピラミッド」という軸に沿って支援を進めます。

就労準備性ピラミッド

日々の講座でインプットし、擬似就労でアウトプットすることを繰り返し、就労準備性ピラミッドの土台部分から少しずつ固めていきます。擬似就労の時間にはスタッフが上司役として入り、利用者さんが報告や相談をする練習を、実際の職場に近い形でおこなっていただきます。

こうした日々の積み重ねを経て、企業見学を実施したり、実際の職場で短期間の実務体験(実習)をおこなったりすることもあります。実習先で企業からのフィードバックを受けながら自身の課題を一つずつ乗り越え、本格的な就職活動に入り、内定へとつなげていきます。

──利用開始から内定までの期間を教えてください。

多くの方は1年から1年半ほどかけて就職を迎えています。就職後も最長3年間、定着支援として伴走します。

ただし、課題や目標は人それぞれです。年齢層も幅広く、マニュアルどおりには対応できないことも多い。だからこそ、一人ひとりと面談しながら、その方に合った進め方を決めていきます

吉田さん取材風景2

一般雇用と障害者雇用の壁をなくしたい

──支援するうえで、一番気をつけていることは何ですか。

接し方と伝え方です。同じ内容でも、それら次第で受け取り方がまったく変わりますから。

私たちの役目は答えを渡すことではなく、気づきを引き出すことです。利用者さん自身が自分の道を選べるようになることが目指すべき姿で、私たちはそこに気づくためのきっかけを与えるにすぎないと思っています。

──では、利用者さんの就職が決まったときはどんなお気持ちですか。

利用者さんの就職が決まると、一人ひとり卒業セレモニーがあり、本当に涙なしには見られません。最初はほとんど通所できなかった方が、だんだん通えるようになり、実習を経て就職活動に入っていく。そのドラマに寄り添えることが、この仕事の一番のやりがいです

就職後も、定着支援が終わるときはさみしい気持ちもありますが、それ以上に「良かったな」という喜びがあります。

──今後の展望について教えてください。

一般雇用と障害者雇用の壁をなくしたいというのが率直な思いです。子育てや持病など、誰もがなんらかの事情を抱えてはたらいています。配慮は特別なことではなく、誰もが必要なものだという社会になってほしい。配慮が当たり前になり、誰もがはたらきやすい社会になってほしいと願っています。

──最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。

完璧を求めるよりも「やってみよう!」の精神を歓迎します。試して、学んで、改善していくプロセスを一緒に歩める方とはたらきたいです。失敗を恐れず挑戦し、仲間を信じて前進できる方をお待ちしています!

※掲載内容・所属・肩書はインタビュー時点のものです。
※本記事は提供企業の方針を反映し「障がい」を「障害」と表記しています。

プロフィール

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