製薬会社が担っている3つの役割
製薬会社には大きく分けて「医薬品の研究開発」、「医薬品の製造販売」、「医薬品についての情報提供」の3つの役割があります。日々進化する現代医療の中で、医薬品による治療は欠かせません。その医薬品の進化をサポートし、商品の流通や医薬品情報の提供を担っているのが製薬会社です。製薬会社では、これらの役割を果たすべく薬剤師やCRA(臨床開発モニター)、MRなどが働いています。中でも薬剤師は、医薬品のスペシャリストとして上記3つのどのセクションでも活躍しています。
「医薬品の研究開発」に携わる人々
医薬品の研究開発は、製薬会社にとって重要な業務です。治療法の乏しい疾患に対する新薬の開発は社会的な意義に加え、それだけ魅力的な新薬は製薬会社にとっても大きな恩恵をもたらします。具体的な職種として挙げられるのが開発職。研究所でまだ見ぬ新薬の開発を担い、高い専門性が求められます。そうして開発された新薬は、治験の段階へと進みます。医療機関で行う治験を、中心となって進めていくのが臨床開発モニター(CRA)です。薬事部は治験によって得られた結果を申請し、最終的な承認を得るまでを担当します。こうした複数の業種が協力して、医薬品の研究開発は進められています。
「医薬品の製造販売」「医薬品についての情報提供」に携わる人々
医薬品の販売や情報提供を行う職種として有名なのはMRです。営業担当として、医薬品の正確な情報を医師に伝え、最善の治療をサポートします。また、医師や社内のMRに最新の情報を伝えるための役割もあります。学術担当やDI担当と呼ばれるこの担当者は、安全性情報や関連文献をリサーチする医薬品情報の専門家です。さらに、医薬品の管理には管理薬剤師も欠かせません。医薬品を扱う場所には管理薬剤師の常駐が必須であるように、製薬会社の医薬品の品質を保証するための重要なポジションです。