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特定看護師とは? 特定行為研修を修了すると業務の幅はどう広がる?

保健師助産師看護師法の改正により義務付けられた特定行為に対する研修。特定看護師になると、仕事内容や給与はどう変わってくるのでしょうか。

特定看護師

特定看護師とは? どんな資格なの?

特定看護師」とは、2015年10月に厚生労働省が施行した「特定行為に関わる看護師の研修制度」によってうまれた名称です。


◇特定行為に関わる看護師の研修制度とは?

「看護師が医師の作成した手順書により特定行為をおこなう場合に、特に必要とされる実践的な理解力、思考力および判断力並びに高度かつ専門的な知識および技能の向上を図るための研修」となっており、特定行為ごとに研修を受ける必要があります。


資格が発行されるわけではありませんが、特定行為研修を修了させ、高度な知識や判断力があると評価されると、医師の判断を待たずに診療補助をおこなうことができます。これは、研修を受ける前は患者の病状や変化を医師に一回一回報告し、判断や指示を仰いでいたものが、あらかじめ医師が作成した指示書をもとに自分の判断で特定行為をおこなえるようになるということです。つまり、看護師自身の判断で、対処できることが多くなるということです。

特定看護師は認定看護師・専門看護師とどう違う?

認定看護師や専門看護師のように特定看護師も資格を付与してもらうものだと思っている人が多いかもしれませんが、それは違います。そもそも、特定看護師とは資格名ではなく特定行為研修を修了した看護師のことです。


認定看護師は「特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる者」、専門看護師は「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族および集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた者」であり、看護ケアの向上を目的としています。


一方、特定看護師は2025年の団塊世代が75歳以上になるときには、熟練した看護師の技術だけでは医師の補助に足りないとして設けられたことによりうまれた看護師です。今後の医療を支える者として、そしてニーズが高まる在宅医療で活躍できる看護師として期待されています。

看護師がおこなう「特定行為」と「手順書」とは?

看護師のおこなう特定行為とは、実践的な理解力や判断能力のほか、高度な専門知識や技術をもっておこなう診療補助のことです。ただし、特定看護師の判断で特定行為がおこなえると言っても、最初から全てを看護師が判断できるわけではありません。看護師が特定行為をおこなうには、医師にあらかじめ手順書を書いておいてもらう必要があります。


◇医師に作成してもらう手順書の内容は?

手順書とは、医師が作成する看護師の指示書のようなものです。あらかじめ、医療現場で起きることを想定して指示を出しておくことで、その場で看護師が判断して特定行為をおこなえるようにしています。


医師の指示書には以下の6つの内容が記載されています。


1. 対象となる患者で、看護師が特定行為をおこなえる病状の範囲
2. 特定看護師がおこなえる特定行為の内容
3. 特定行為をおこなう対象の患者(名)
4. 特定行為をおこなうときに確認する必要のある事項
5. 医師に連絡が必要になったときの連絡体制
6. 特定行為後の医師への報告方法

この指示書をもとに、患者の病状や様子をみて看護師が特定行為をおこなうかを判断するのです。

特定看護師にはどうやったらなれる?

特定看護師になるには、指定された研修機関で特定行為研修制度にもとづいた研修を受ける必要があります。特定行為は区分ごとに分類されていますが、全ての特定行為に共通するものの向上を図る「共通科目」と特定行為区分ごとの向上を図る「区分科目」に分かれており、いずれも研修を修了させなければいけません。


研修では、次の4過程を経て知識やスキルを身につけていきます。


(1)eラーニングによる自宅学習
(2)筆記試験
(3)スクーリングによる集合研修
(4)臨床実習

研修をおこなう指定研修機関は、大学院、大学、大学病院などさまざまですが、2018年2月時点では34都道府県69機関しかありません。しかし、年々指定研修機関は増えていっている傾向にあります。


研修時間は「共通科目」で315時間、「区分別科目」で15~72時間と定められていますが、指定研修機関により研修期間は異なり、特定看護師になるまでには1年~2年かかります。


ただし、指定研修機関であればいつでも研修を受けられるというわけではありません。公益社団法人日本看護協会が、厚生労働省の委任を受けて運営している「 看護師の特定行為研修制度ポータルサイト」では、現在研修を募集している指定研修機関が掲載されており、ここから研修先を見つけるようになっています。


各施設によって、募集人数や研修期間、さらには学べる特定行為区分も異なるので、気になる施設があれば比べてみましょう。


eラーニング(遠隔教育)も可能になっている施設が多いため、近くに研修機関がない場合でも連携協力体制が確保できる環境であれば、自分が勤務する施設でも実習が可能となる場合もあります。特定看護師を目指している人で、研修機関が近くにないために諦めていた人は、一度相談してみるといいかもしれませんね。

看護師がおこなえる特定行為は21区分38行為

特定看護師とそうではない看護師では、おこなえる診療の補助(医療行為)が大きく違います。特定行為は21区分に分けられ、さらに細かく分類されて全部で38の行為があります。具体的な種類は以下のものです。


1. 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
2. 侵襲的陽圧換気の設定の変更
3. 非侵襲的陽圧換気の設定の変更
4. 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
5. 人工呼吸器からの離脱
6. 気管カニューレの交換
7. 一時的ペースメーカの操作および管理
8. 一時的ペースメーカリードの抜去
9. 経皮的心肺補助装置の操作および管理
10. 大動脈内バルーンパンピングからの離脱をおこなうときの補助の頻度の調整
11. 心嚢ドレーンの抜去
12. 低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定およびその変更
13. 胸腔ドレーンの抜去
14. 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。)
15. 胃ろうカテーテルもしくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
16. 膀胱ろうカテーテルの交換
17. 中心静脈カテーテルの抜去
18. 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
19. 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
20. 創傷に対する陰圧閉鎖療法
21. 直接動脈穿刺法による採血
22. 橈骨動脈ラインの確保
23. 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作および管理
24. 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
25. 脱水症状に対する輸液による補正
26. 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
27. インスリンの投与量の調整
28. 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与および投与量の調整
29. 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
30. 持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
31. 持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
32. 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
33. 持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
34. 抗けいれん剤の臨時の投与
35. 抗精神病薬の臨時の投与
36. 抗不安薬の臨時の投与
37. 抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射および投与量の調整
38. 創部ドレーンの抜去

特定看護師になると仕事内容はどう変わる?

医師の指示を待たずにできる特定行為が増えたことで、看護師として仕事の幅は広がります。実際に、扱える医療行為自体は変わりませんが、手順書にもとづいて特定行為をおこなうことができるので、より早く処置がおこなえるようになります。そのため、判断力が必要になる場面や急性期医療、在宅医療など任される現場も多くなるはずです。


チーム医療の一員として、特定行為ができる看護師が医師と患者の間に入ることは、患者や家族ケアの向上にもつながります。


もともと、特定看護師とは高齢化人口がピークを迎えると言われている2025年に向けて、医療を支えられる看護師の育成を目的につくられたもの。そのため、特定行為研修を終えた後は、訪問看護ステーション、介護施設、診療所、在宅医療など多くの場所で活躍の機会があります。


病院において高度急性期、急性期、回復期、慢性期のいずれの場合でも特定看護師の力が必要とされており、勤務先や研修先の医療施設での活躍はもちろんのこと、今後転職するときにも有利なスキルとなるはずです。

特定看護師に期待されていること・やりがいは?

今後、さまざまな医療現場で活躍が期待されている特定看護師ですが、特に期待されているのは在宅医療における活躍です。高齢化が進む日本では、外来通院、入院医療につぎ在宅医療が一般的になりつつあります。通院に行くのが困難な方や、住み慣れた自宅で治療を受けたいという人が増えている中で、在宅医療のニーズはますます高まってきているのです。


そこで、訪問診療や訪問介護が必要になりますが、医師が不在で看護師だけで訪問する場合もあります。しかし、医師が在宅患者の自宅に訪問する頻度は訪問看護師が訪問する頻度よりも少なく、患者によって異なりますが平均して月に2回程度です。それも計画的に決められた曜日だけだったり、急変時や患者が求めた場合だけだったりします。


そのため、患者の様子や病状を把握しているのは週に数回訪れている看護師の方が上だと言えます。その上で、処置が必要なのに医師の指示を待たなければいけない時間は看護師にとっても患者にとってももどかしい時間です。場合によっては、在宅療養を希望しているにも関わらず病院に行かなければいけない場面が出てくることもあります。


特定看護師は、医師から手順書を受け取っていれば、手順書の指示に従ってリアルタイムで患者に処置や早期対応をすることが可能です。患者が求めている医療ケアがすぐに提供でき、スムーズに処置できるので看護師として大きなやりがいになるはずです。患者にとっても、病院に行かなくてすむため、特定看護師の存在は非常に助かるでしょう。

2025年までに特定看護師、約10万人以上が目標

今はまだ特定行為研修を受講できる施設は少ないですが、厚生労働省では2025年までに約10万人以上の特定看護師を育成する方針です。そのため、研修施設も増えていく予定であり、いずれは特定行為研修を受けるのが当たり前になる時代もくるかもしれません。


研修を経て得た知識や判断力、対応力などのスキルは、どの医療現場でも必ず役に立ちます。患者に適切な医療を提供できる専門スキルの高い看護師として活躍するために、今のうちに特定行為研修制度を利用してみてはいかがでしょうか。


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