目次
1.実務経験とは
実務経験とは、業務に従事した経験があることを指します。正職員だけでなくアルバイトやパートなど雇用形態を問わず、業務に従事したことがあれば「実務経験がある」といえます。
募集要項に「実務経験○年以上」などの記載がある場合、事業所は即戦力を求めている可能性が高いです。職種や業種にもよりますが入職後すぐに活躍してくれる人を欲している職場では、研修や教育のための十分な期間が設けられないこともあります。そのため、ある程度経験がある人を探すために実務経験の応募要件を設けます。
また、下記のような資格を取得するために実務経験が求められることもあります。

2.実務経験の計算方法
実務経験は業務を開始した日から携わった年月を数えます。複数の事業所で勤務した場合、通算することができます。また、なかには就労期間中に産前産後休業(産休)・育児休業(育休)を取得する人もいると思いますが、この期間は実務経験には含まないと見なすことがほとんどです。
実務経験の計算例1
- 在職期間:2018年4月1日に入職し2023年3月31日に退職
- 実務経験の年数:5年0ヶ月
実務経験の計算例2
- 在職期間:2018年4月1日に入職し2023年3月31日に退職 / 2020年6月1日〜2022年3月31日まで産休・育休を取得
- 実務経験の年数:3年3ヶ月
実務経験の計算例3
- 在職期間:2016年4月1日に入職し、2019年3月31日に退職(1社目) / 2020年8月1日に入職し2023年3月31日に退職(2社目)
- 実務経験の年数:5年8ヶ月
なお、パートやアルバイトとして週に2〜3日の就労の場合でも実務経験の期間に含まれますが、履歴書や職務経歴書には「経験○年(実働週に24時間のアルバイト)」などと記載すると良いでしょう。事業所側に求職者が実際にどれほどの実務経験を積んでいるかが伝わります。
3.実務経験が足りない場合
気になる求人が見つかり応募しようとしたものの、応募資格に記載がある実務経験を満たしていないこともあります。その場合でもまだ諦めるのは早いです。
実務経験は事業所側の「これくらいの経験を積んでいる人材が欲しい」という希望により設定されていますが、絶対条件でないこともあります。「実務経験○年以上。またはそれに準ずる経験・スキル」などと記載されているケースも。
完全に満たしていなくても書類選考を通過することもあり、その場合面接でスキルや今後学ぶ意欲をアピールすることが肝心です。
tips|実務経験と資格どちらが重視される?
資格を持っていることが前提の職種もあります。しかし、無資格で応募できる仕事では実務経験のほうが重視されることがほとんどです。とくに求人で実務経験の指定がある場合は、即戦力が求められていますのでなおさらです。
ただ、同じような実務経験を持っている候補者がいて1人は無資格、もう1人は有資格の場合、資格を持っている人が優遇される可能性が高いです。
4.就労や資格の取得に必要な「実務経験証明書」
就労や資格取得に際して、実務経験があることを証明するために「実務経験証明書」の提出が求められることもあります。転職などにより、いま勤めている事業所だけでは期間が不十分の場合、過去の就労先にも依頼して発行してもらいます。
古い実務経験証明書は使えない場合も!
あらかじめ実務経験証明書を取得しておいて必要なときに使おうとしたら、期限が切れていたということもあります。自治体によっては試験の受付開始日より前の証明年月日だと無効としているところもありますので、受験の目処が立ってから取得すると良いでしょう。
資格によっては従事日数内訳証明書も必要
介護の分野で唯一の国家資格である介護福祉士を取得するにはいくつかのルートがありますが、実務経験者ルートで受験する場合は実務経験証明書の提出が必要です。同じ期間に複数の事業所に所属していた人は追加で「従事日数内訳証明書」も提出します。
5.何事も一歩から
転職や資格の取得で求められる実務経験。どれくらいの期間業務に従事していたかを指し、雇用形態は問わずカウントできます。求人に記載の実務経験を満たしていなくても、類似の経験や熱意をアピールすることで内定が得られることもあります。
今後どのようなキャリアを希望し、そのために必要な経験や資格は何かを考えて転職先を選ぶのも良いでしょう。実務経験は一朝一夕では築けませんので、経験を積み重ねてキャリアアップにつなげましょう。