目次
- 志望動機を考える7つのポイント
- 【ケース別】保育士の志望動機の例文
- キャリアアップを目的とした例文
- ワーク・ライフ・バランス改善の例文
- ブランク明けに復職する場合の例文
- 自宅近くの職場を志望する例文
- 新卒の例文
- 未経験者の例文
- パートタイム希望者の例文
- 【職場別】保育士の志望動機の例文
- 認定こども園
- 公立保育所(公立保育園)
- 放課後児童クラブ(学童保育)
- 児童発達支援・放課後等デイサービス
- 病児保育室
- 【年代別】保育士の志望動機の例文
- 20代の志望動機の例文
- 30代の志望動機の例文
- 40代の志望動機の例文
- 50代以上の志望動機の例文
- 志望動機が書けない場合は?
- 志望動機のNG事項
- 面接で志望動機を伝えるコツ
- 志望動機の書き方のポイントを押さえよう
志望動機を考える7つのポイント
保育士の転職で履歴書や職務経歴書を書く際には、これまでの経験をアピールするだけではなく、保育士としてのあなたの魅力を伝えることも大切です。
応募先が求めるスキルを有していることも重要ですが、似たようなスキルを持った応募者がいた場合、志望動機の内容が結果を左右することもあります。
以下7つのポイントを意識しながら考えてみましょう。
1.応募先の情報収集をする
公式サイトやパンフレットに目を通し、保育方針や理念を把握しましょう。応募先がどのような姿勢で保育を提供し、子どもたちに向き合っているかがわかります。
2.自分の考えやエピソードを交える
応募先の保育方針や理念に共感するのは大切ですが、「貴園の理念に共感し志望しました」だけでは説得力に欠けます。応募先にどう共感したのか、そして自分の考えや経験とどのように結びついているかを具体的なエピソードを通じて伝えましょう。
3.ネガティブな理由はポジティブに変換
職場への不満が理由で転職する場合、そのまま伝えるとネガティブな印象を与えてしまいます。「子どもたちとより深く関わりたい」「より良いキャリアを築きたい」といったポジティブな表現に変えることで、成長意欲や前向きな姿勢を強調できます。
>ポジティブな表現の解説はこちら
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4.向上心や長く働く意思を見せる
多くの保育施設では、長く働いてくれることを期待しています。そのため応募先でどのように活躍し、貢献したいかを伝えられると良いでしょう。
5.200〜300文字程度で書く
短すぎる志望動機は熱意が伝わりにくく、長すぎる文章は読み手への配慮が欠ける、または考えがまとまっていないと判断されてしまいます。簡潔に要点を伝えるために、以下の順序で構成すると伝わりやすくなります。
- 志望するきっかけや動機
- これまでの経験や考え
- どのように貢献できるか
6.うそをつかない
志望動機でうそをつくと、面接で矛盾が明らかになったり、入職後にミスマッチが発生してしまったりする可能性もあります。応募先に迷惑をかけてしまうだけでなく、結果的に合わない職場に就職・転職してしまっては自分にとってもマイナスになります。
>経歴詐称についての詳しい解説はこちら
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7.最後に誤字脱字を確認
提出前に必ず誤字脱字のチェックをおこないましょう。表記のミスが合否に直結するとは言い切れませんが、選考に影響を与える可能性があります。
【ケース別】保育士の志望動機の例文
ここからはさまざまな志望動機の例文を紹介します。これらを参考にあなた独自の志望動機を考えてみてください。
キャリアアップを目的とした例文
保育士としてさらに経験を積むため転職を決意しました。現職では設定保育を採用し、長期的な指導案を作成しながら、子どもたちの成長に応じて柔軟に保育内容を調整してきました。貴園を志望した理由は、自然豊かな保育環境と、一人ひとりの個性を尊重する保育理念に共感したためです。自由保育の経験はありませんが、一つひとつを学びながら、子どもたちの成長を支えていきたいと考えています。
ワーク・ライフ・バランス改善の例文
家庭とのバランスを大切にしながら長く働ける環境に魅力を感じ、志望いたしました。現職では長時間勤務が常態化しており、家族との時間を十分に持つことが難しい状況でした。貴園ではICTを導入することで業務を効率化し、子どもと向き合う時間を増やすとともに、残業削減に成功していると伺いました。そのような環境で保育士としてさらに成長しながら、子どもたちと丁寧に関わっていきたいと考えております。
ブランク明けに復職する場合の例文
結婚と出産を機に離職しましたが、子どもの保育園入園が決まったため現場に復帰したいと考えています。貴園は子育て中の保育士でも積極的に採用していることと、働きやすい環境づくりに取り組んでいる点に強く惹かれました。これまでの保育経験に加え、育児を通じて得た「保護者視点」を活かし、子どもたちやそのご家族に寄り添った支援を提供したいと考えています。また、貴園で多くの経験を積み、保育士としてさらなる成長を目指していきたいと思います。
自宅近くの職場を志望する例文
現在、車で約40分かかる保育園で働いています。親の介護が必要になったため、自宅に近い保育園への転職を考えていたところ、貴園の募集を拝見しました。先日見学させていただいた際、先生方が子どもたちの自主性や興味関心を尊重し、自らも楽しみながら保育に取り組んでいる姿がとても印象的で、私もここで働きたいと強く感じました。これまでの保育経験を活かし、貴園で子どもたちの自主性を育む保育を実践しながら、保育士としてさらに成長していきたいと考えています。
新卒の例文
貴園の「一人ひとりの子どもの成長に寄り添い、可能性を広げる」という方針に共感し、志望いたしました。私が保育士を目指したのは、子どもの頃に通っていた保育園の先生に憧れたことがきっかけです。引っ込み思案な性格だった私に先生が優しく寄り添い、友達作りを手助けしてくれました。私も、子どもたちの成長をそっと支えながら、可能性を引き出す保育士を目指し、貴園で多くの経験を積みたいと考えています。
未経験者の例文
現在は子ども服の販売員として勤務しています。もっと子どもと密に関わる仕事がしたいという思いから、仕事の合間を縫って独学で保育士免許を取得しました。貴園を志望したのは「子どもたちが主体的に活動できる環境づくり」「自然とのふれあいを重視した保育」という保育理念に共感したからです。未経験ですが、子どもたちの成長をサポートし、私自身も保育士として成長できればと思います。また、販売員として身につけたコミュニケーション能力を活かし、保護者の方々にも寄り添いながら仕事をしていきたいです。
パートタイム希望者の例文
過去に5年間、保育士として働いた経験があります。現在は社会福祉士国家資格取得に向けて勉強しており、フルタイムでの勤務が難しい状況ですが、これまでの経験を活かしつつ、パートタイムで保育に携わりたいと考えております。貴園を志望した理由は、「子どもたちが自分のペースで成長できる環境を提供する」という保育方針に共感したからです。また、自宅から通いやすく、学業と両立しやすい点も魅力に感じています。子どもたちの成長を支えながら、自身も保育士としてスキルを磨き、社会福祉士としても役立つ経験を積んでいきたいと考えております。
【職場別】保育士の志望動機の例文
認定こども園
保育園と幼稚園の両方の良さを併せ持ち、総合的にサポートできる環境に魅力を感じました。現職の大規模保育園では主に3歳児クラスを担当し、子どもの自主性や社会性を育むことにやりがいを感じています。今後は、年齢の異なる子どもたちが互いに学び、成長できる環境で「教育」の視点を深めたいと考えています。これまでの保育経験を活かしつつ、新たなスキルを身につけ、保育士としてさらに成長していきたいと思います。
公立保育所(公立保育園)
これまで民間の保育所で7年間保育士としての経験を積んでまいりましたが、家族の転勤に伴い、この春から◯◯県へ移住しました。私の理想の保育は「自然と触れ合い、のびのび育てる」であり、この思いは◯◯市の保育方針である「身近な動植物や信頼できる大人との関係の中で、生命を大切にする心を育てる」と深く共通しています。これまでの経験を活かし、自然を通じた学びの中で、子どもたちの好奇心や自主性を引き出し、子どもたちの成長を支えたいと考えています。また、◯◯市で、保育士としてさらなる成長を目指していきます。
放課後児童クラブ(学童保育)
前職では3歳児の担任を務めておりました。保育園では、最長20時までお預かりしていたため、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに努めていました。共働き世帯の増加に伴い、子どもたちを預かる学童保育の重要性はさらに高まっていくと感じています。先日貴社を見学させていただいた際、のびのびと過ごす子どもたちの姿に感銘を受け、私もその一員として支援に携わりたいと感じました。入社後は保育士としての経験を活かし、子どもたちに寄り添うと同時に、保護者支援にも力を入れていきたいと考えています。
児童発達支援・放課後等デイサービス
これまで10年間保育士として働いてきました。そのなかで、発達障害や困難を抱える子どもたちに出会いました。保育園は集団活動が中心のため、個別での支援が難しいと感じる場面もあり、困難を抱える子どもたちにもっと深く関わりたいと考えるようになりました。また、保護者さまが相談できる場が少なく、ひとりで悩みを抱えていることも知り、保護者支援の重要性も強く感じました。貴法人で、専門的な療育の知識やスキルを学びながら、子どもたちや保護者さま一人ひとりに寄り添い、個々のニーズに応じた適切な支援を提供できる保育士を目指したいと考えています。
病児保育室
病児保育をおこなう貴社で、子どもたちに安心感を与えられる保育を提供したいと思い、志望いたしました。これまで保育士として15年間勤務し、乳児クラスから5歳児クラスまでの担任を務めた経験があります。出産を機に退職し育児に専念しておりましたが、子どもが成長し、再び保育の現場に戻りたいと考えていたところ、貴社の募集を拝見しました。私の子どももよく熱を出していた経験から、病児保育の重要性を身近に感じています。保育士として子どもたちが安心して過ごせる環境を提供し、保護者の方々の不安にも寄り添いながら、適切なサポートをおこなっていきたいと考えています。
【年代別】保育士の志望動機の例文
20代の志望動機の例文
20代の志望動機では、志望する保育園を選んだ具体的な理由と、自分が目指す保育観を明確に結びつけて伝えることが重要です。また、若さゆえの柔軟性や成長意欲を積極的にアピールすると良いでしょう。
現在、100人規模の認可保育園で勤務しており、たくさんの子どもたちとの日々にやりがいを感じています。一方で、子どもたち一人ひとりの意志を尊重し、深く寄り添う保育を実践したいと考えるようになりました。そんなとき、貴園の「家庭的な保育を目指す」という方針を拝見し、私が目指す保育を実現できる環境だと感じました。これまでの経験を活かしつつ、子どもの個性や発達に合わせた丁寧な関わりを大切にしながら、保育士としてスキルアップを目指していきたいと考えています。
30代の志望動機の例文
30代の志望動機では、これまでの経験や培ったスキルを具体的に示し、即戦力としてどのように貢献できるかをアピールすることが重要です。また、保育士としてのキャリアプランを明確に示し、どのように自己成長を図りたいかを具体的に伝えましょう。
保育全体をサポートする役割を担いたいという思いから、主任保育士を募集する貴園に応募いたしました。これまで、乳児から5歳児クラスまでの担任を経験し、子ども一人ひとりに寄り添った保育と保護者の方々との信頼関係構築に努めてきました。保育士としてさらなる成長を目指し、管理職に挑戦したいと考えております。貴園はチームワークを重視し、保育の質向上に取り組んでらっしゃると伺い、成長できる環境だと感じています。今後はこれまでの経験を活かし、クラス運営や保護者対応を含めた保育全体の質の向上に取り組みたいと考えております。
40代の志望動機の例文
40代の志望動機では、豊富な経験と専門性という強みを、具体的な実績やエピソードを交えて示すことがポイントです。自身の成長意欲を示すとともに、組織全体へどのように貢献できるかを伝えましょう。
保育士として23年間、多くの子どもたちの成長を支えてきました。異年齢保育や発達障害の子どもへの支援を通じ、子どもと保護者のニーズに合わせた柔軟な保育が求められていると感じます。貴園の「個性を尊重し、みんなで支える」という保育方針は、私の目指す理想の保育に重なる部分が多くあります。これまでの経験を活かし、チームとして協力しながら保育の質を高め、子どもたち一人ひとりを尊重した保育を実践してまいります。また、貴園で保育士としての専門性をさらに高めていきたいと考えています。
50代以上の志望動機の例文
50代以上の志望動機では、長年培ってきた豊かな経験と深い専門性を示すのがポイントです。また、次世代の人材育成や、地域社会への貢献意欲といった熱意と使命感をアピールすることで、魅力的な志望動機となります。
保育士として30年以上のキャリアを積み、多くの子どもたちや保護者さま、保育士の方々と関わってきました。園長として現場をまとめ、若手保育士の育成に尽力してきたほか、地域や行政と連携した子育て支援にも携わってきました。これまでの経験を活かし、次世代の保育士に、実践的な技術や子どもたちへの寄り添い方を伝えたいと考えています。今後も、子どもたちの笑顔や成長に寄り添い、温かい保育を提供することが私の使命です。貴園の「子どもの個性を尊重し、成長を支える」という保育方針に沿い、子どもたちの成長をサポートできることを楽しみにしています。
志望動機が書けない場合は?
志望動機がない、思いつかない、明確でない場合は、以下の2点を掘り下げてみましょう。
自分と志望先を結びつける
まず、自分の興味関心、強み、目標、好きなこと、得意なことをリストアップしてみましょう。次に、志望先の保育方針や理念を調べます。これらの情報を照らし合わせることで、自分の能力や興味が志望先でどのように貢献できるかが見つけやすくなります。
学んだことや経験を振り返る
学生時代に学んだことや以前の職場で経験して身につけたこと、あるいは日常生活での気づきを振り返ってみましょう。それらの経験が志望先での仕事にどう役立ち、どのように貢献できるかを考えることで、志望動機が明確になっていきます。
志望動機のNG事項
志望動機が漠然としている
採用担当者が志望動機から読み取りたいのは、仕事に対する意欲や熱意です。その職場でなければいけない理由や、どのように働きたいかを具体的に伝えることが大切です。
待遇面を押し出す
給与や福利厚生は志望先を選ぶうえで大切な要素です。しかし、志望動機として前面に出し過ぎるのは避けましょう。待遇を理由にすると、採用担当者は「ほかに条件の良い職場があればすぐに辞めてしまうのでは?」と危惧します。志望動機はあくまで事業内容や仕事内容に照らしたものが望ましいでしょう。
例文を丸写しする
面接対策の本やネット上で紹介されている志望動機の例文は、一般的な表現でしかありません。志望動機は自分の経験やスキルを反映したものであるべきです。例文を参考にする際は、自分自身の経験や考えを取り入れてアレンジし、よりあなたらしい志望動機に仕上げましょう。
面接で志望動機を伝えるコツ
履歴書の志望動機と一貫性を持たせる
面接で志望動機を聞かれたら、履歴書に記載した内容をベースに話しましょう。履歴書の内容と違うことを話すと、志望動機に一貫性がないと判断されてしまいます。面接では履歴書に書いた志望動機を深堀りして質問されることもありますので、あらかじめ関連するエピソードを考えておくと良いでしょう。
結論→理由→展望の順に話す
志望動機を伝える際はまずその応募先を選んだ理由を簡潔に伝えます。「◯◯◯をしたくて御園を志望しました」のように結論から話すことで、面接担当者は要点をつかみやすくなります。
次に、結論に至った理由を自身の体験や考えにひもづけて話し、入職したらどのように働きたいか展望を述べることで伝わりやすい志望動機になります。
結論:御園の「子どもの個性を大切に磨く」という方針に共感し、私もその一員として貢献したいと思って志望しました。
理由:これまで保育士として10年間勤務し、さまざまな子どもたちの成長を見守るなかで、個性や発達段階に合わせた保育の提供が重要だと実感しています。また、保護者との信頼関係を築くことが、子どもたちの健やかな成長に大きな影響を与えると感じ、丁寧なコミュニケーションを心がけてきました。
展望:今後は、これまで培ってきた経験を活かしながら、子どもたちが安心して過ごせる環境をつくっていきたいと考えています。また、保護者の方々とも信頼関係を築き、子どもたちの成長を支える保育を実現していきたいと思っています。
なお、面接では「御園・御社」という表現を使います。文語(書き言葉)では「貴」を使い、口語(話し言葉)では「御」を使うのが一般的です。
>敬称の解説はこちら
「貴院」と「御院」……病院の正しい「敬称」はどっち?
2分を目安に話す
志望動機は約2分を目安に話すと良いとされています。短すぎると熱意が伝わりにくく、長すぎると面接担当者が要点をつかめないためです。
人が1分間に話せる文字数は250〜300文字とされています。履歴書の志望動機に関連するエピソードを加えるなどしながら、2分を目安に話せるよう事前に練習をしましょう。
>保育士の面接対策の解説はこちら
【保育士の面接対策】よく聞かれる15の質問と回答例、見られるポイントを解説
志望動機の書き方のポイントを押さえよう
志望動機は履歴書に記載する必要があり、面接でもほぼ確実に質問されます。適切な対策を取らなければ合否にも関わります。この記事で紹介したコツや例文を参考にしながら、熱意が伝わる志望動機を考えてみてください。
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