
1.政府主導の「子ども・子育て支援新制度」とは?
2.「子ども・子育て支援新制度」の具体的な施策
3.最近増加中の「育児支援あり」の求人とは?
4.育児支援のある職場の特徴は?
5.育児支援の充実した職場への転職・復職のコツ
1.政府主導の「子ども・子育て支援新制度」とは
「子ども・子育て支援新制度」とは、地域社会における子どもたちの学校教育や保育の質の向上、各家庭における子育ての負担低減などを目的とし、2015年4月にスタートした制度です。
この取り組みは市区町村を中心におこなわれ、市区町村は各家庭の状況・子育て支援のニーズ・教育や保育の需給を把握し、「市町村子ども・子育て支援事業計画」を作成します。
この制度の財源には、引き上げられた消費税の税収分があてられ、国や都道府県は財政面・制度面から市区町村をサポートします。
またこの制度では、企業における子育て支援もサポートしており、事業所内保育事業や派遣型ベビーシッターサービスの拡充を促しています。
point5年間の計画期間における幼児期の学校教育・保育・地域の子育て支援について、現在の利用状況・利用希望・確保状況・実施時期などをまとめる需給計画。
「子ども・子育て支援新制度」の実施主体である市区町村が作成する。
2.「子ども・子育て支援新制度」の具体的な施策例
「子ども・子育て支援新制度」はその名の通り、家庭や職場での子育てをサポートするために作られた制度。その制度をもとに実施される具体的な施策には、次のようなものがあります。
◆地域型保育事業の設立
地域型保育事業は、保育ニーズの高い0〜2歳の子どもたちへの対応を目的として新たに作られた小規模保育事業です。
大きくわけて4つの形態があり、そのどれもが市区町村からの認可を受けた事業になります。
またそれぞれの形態で、保育内容の支援や卒園後の受け皿を担う連携施設(保育所、幼稚園、認定子ども園)が設定されます。
家庭的保育(保育ママ):保育者の自宅などの家庭的な環境のなか、少人数(定員5人以下)を対象におこなう保育
小規模保育:家庭的保育と近い環境で、より保育規模を大きくしたもの(定員6〜19人)。2023年5月以降、対象年齢が拡大され、きょうだいで別々の施設に通園せざるを得ない場合や、集団生活をおこなうことが困難な場合、過疎地やへき地で近くに保育施設がないなどの場合は、3歳以上児も受け入れ可能に
事業所内保育(企業主導型保育):企業の敷地内などに設置される保育施設で、その企業で働く従業員の子どもと地域の子どもを一緒に保育する
居宅訪問型保育:子どもの自宅に保育者が行き、保育をおこなう事業。さまざまな理由によって個別のケアが必要な場合や、施設がなくなった地域で保育を維持する必要がある場合などに利用される
◆地域の子育て支援の拡充
それぞれの地域におけるすべての子育て世代を対象に、さまざまな子育て支援が実施されています。
下記の子育て支援は一例です。実際にどのような支援サービスが提供されているかは、お住まいの市区町村にご確認ください。
• 地域子育て支援拠点
各地域の公共施設や保育所など、さまざまな場所を「地域子育て支援拠点」とし、気軽に子育て世代の交流や相談をおこなうことができるサービス。行政やNPO法人が主導となり運営している。
• 一時預かり
保育所や地域子育て支援拠点などで、短時間子どもを預けられるサービス。急な用事・買い物・パートタイム就労など、理由を問わず利用できることがほとんど。また出張や病気などで子どもの保育ができないときに、短期間の宿泊で子どもを預けられる「子育て短期支援」という支援を実施しているところもある。
• 利用者支援
子育てに関する困りごとや不安などを解消するための支援サービス。地域子育て支援拠点や役所等の窓口で、情報の提供や利用できるサービスの紹介などがおこなわれる。
• ファミリー・サポート・センター
子育て世代(乳幼児・小学生等の保護者)を会員として、会員同士で相互に子どもを預けたり、援助し合ったりする活動を支援・調整するサービス。
• 病児保育
病気や病後の子どもの保育を家庭でおこなえない場合に、保育所や病院に設置された保育スペースなどに預けることができるサービス。看護師等が、具合の悪くなった子どもの送迎をする仕組みも作られている。
• 乳児家庭全戸訪問
乳児(生後4ヶ月まで)のいる家庭を訪問し、子どもの健康状態や子育て環境などを把握したのち、適切な情報提供などをおこなう。
• 事業所内保育事業(企業主導型保育事業)の助成
従業員のために設置する事業所内保育施設の運営・設置費用の一部を助成する。
• 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業
従業員が仕事や職場復帰などの理由により民間のベビーシッターを利用した際、その一部費用の助成をおこなう。
3.最近増加中の「育児支援あり」の求人とは?
最近目にすることの多い「育児支援あり」の求人。一般的に、産休育休といったベーシックな制度のほか、企業独自の育児支援制度を設けている求人のことを指します。
企業にとっても、育児をしながら長く働き続けてもらうことは大きなメリットです。
そのため、職種を問わず育児支援の環境を整えている事業所が増えています。育児中や出産を予定しているなかでの転職では、育児支援が充実している職場をしっかりとチェックしておきましょう。
4.育児支援のある職場の特徴は?
企業や事業所において、従業員は具体的にどのような育児支援を受けられるのでしょうか?
多くみられるのは、保育所の保育料やベビーシッター費用の補助や、事業所内保育施設の利用。ほかにも、育児休業や短時間勤務など、仕事の負担を実質的に減らす制度もあります。
また、育児中の職員からアドバイスをもらえたり、情報交換ができたりするような仕組みを作っているところもあります。同じ職場に育児の先輩がたくさんいることは、心強いサポートになるでしょう。
ジョブメドレーでは、これらの制度を求人内の「待遇」などの項目に記載しているので、ぜひ確認してみてください。求人情報だけでイメージしづらい点は、事業所とのメッセージのやり取りや面接で確認することをおすすめします。

※ジョブメドレーの求人例
5.育児支援の充実した職場への転職・就職のコツ
育児支援の制度が充実している求人は、競争率も高くなることが予想されます。企業や事業所にとって育児支援とは、家庭と仕事を両立しながら長く活躍してもらうための制度。
そのため、職種を問わず「育児をしながらでも長く働き続けたい」「自分の力を発揮し、長いスパンで活躍したい」という意欲をアピールすることが重要です。
ジョブメドレーでは「育児支援」や「保育支援」の充実した求人も多数掲載しています。
家庭と仕事の両立を目指す方は、こういった制度が充実している職場も選択肢に入れてみてはどうでしょうか?