1.入社・入職の違いと使い分け
「入社」と「入職」は、どちらも新しく職場で働き始めることを表す言葉です。ただし、対象となる範囲が異なります。
入社:株式会社や合同会社などの企業に就職することを意味します。
入職:一般企業に限らず、新しい職業や職務に就くことを意味する言葉です。主に病院などの医療機関や法人、福祉施設などに就職する場合に使われます。
つまり、「入社は入職の一部」と考えるとわかりやすいでしょう。ジョブメドレーで求人を扱っている医療・福祉業界では、「入職」を使うケースが多い傾向にあります。
tips|入行、入局、入省、入庁の意味は?
入行……銀行の職員になることを指す
入局……大学病院の医局に入ること、もしくはテレビ局など「局」のつく組織の一員になることを指す
入省……厚生労働省などの行政機関に入ることを指す
入庁……国税庁や裁判所、県庁など「庁」のつく組織の一員になることを指す
入社・入職の使い分け
入社か入職どちらを使うべきかは、従業員や代表をどう呼ぶかによって判断できます。従業員を社員と呼ぶ場合は「入社」、職員と呼ぶ場合は「入職」を使うのが一般的です。また、組織の代表が社長の場合は「入社」、院長や校長、所長など社長以外の場合は「入職」を使います。
入社を使う主な組織
- 株式会社
- 有限会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
入職を使う主な組織
- 病院
- 法人
- 学校
- 組合
- 役場・役所
アルバイトの場合
株式会社や有限会社でアルバイト・パートとして働く場合も「入社」を使います。ただし、病院や学校など入社を使わない施設の場合、口頭では「入職」を使い、書類では「勤務」を使うのが一般的です。
公務員の場合
公務員として働く場合、勤務先によって表現が異なります。都道府県庁などで働く場合は「入庁」、厚生労働省などの各府省等は「入省」、裁判所や国会は「入庁」を使います。
2.入社・入職の正しい使い方
履歴書・職務経歴書の記載方法
履歴書や職務経歴書では、所属した組織名のあとに「入社」や「入職」を記載します。
注意点
入社・入職を使う際は、対義語に注意しましょう。
入社の対義語:退社
入職の対義語:離職
退社と離職には、どちらも会社や仕事を辞める意味合いがありますが、履歴書や職務経歴書では、どちらの場合も「退職」と記載します。
また、正社員以外の雇用形態で働いたことを履歴書などに記載する場合、入社や入職のあとに(アルバイト)や(パート)と添えると応募先にわかりやすく丁寧です。

履歴書の詳しい書き方はこちら
>【テンプレート付き】履歴書の正しい書き方!学歴・職歴・志望動機の例文と写真や封筒の注意点
面接での使い方
入社・入職は、書類以外にも面接でこれまでの就労経験や展望を伝える際にも使います。
入社の使用例
- 入社後は、即戦力として活躍できるよう事前に業界知識を身につけます。
入職の使用例
- 新卒で総合病院に入職し、整形外科を経験しました。3年目からはICUに異動となり現在に至ります。
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>【質問・回答例つき】医療介護福祉の面接対策|自己紹介から逆質問まで転職でよく聞かれること42選
【医療・福祉業界】職場別の使い方
(1)チェーン展開するドラッグストアの店舗に勤める薬剤師
全国展開するドラッグストアの場合、株式会社が運営していることが多いため、「入社」を使います。
(2)歯科技工所に勤める歯科技工士
歯科技巧所には、法人経営や、株式会社などさまざまな運営形態があります。有限会社や株式会社であれば「入社」、歯科診療所やクリニックと同じ法人が運営する場合は「入職」を使います。
(3)株式会社が運営する訪問看護ステーションに勤める看護師
訪問看護ステーションも、株式会社の場合は「入社」を用います。ただし、求人では「入社後」「入職後」など厳密な使い分けがされていないケースも多く、入職が必ずしも誤りというわけではありません。
(4)介護施設の営業職
医療・福祉業界で働く営業や事務など専門職以外の職種でも、所属する組織が株式会社などの企業かそれ以外かを基準に使い分けます。
(5)地域包括支援センターに勤める事務員
地域包括支援センターは、市区町村が設置し、委託を受けた法人が運営をおこないます。そのため、同施設で働く職員は「入職」を使います。
3.正しい使い分けで好印象を
入社や入職は、就職・転職活動でよく使う用語です。これまで所属した組織や応募先に応じて、正しく使い分けましょう。履歴書や職務経歴書などの書類や面接では、マナーやポイントを押さえることで、応募先に良い印象を与えられます。以下の記事も参考に、より良いキャリアが切り開けることを応援しています!
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