目次
1.「OTC」「OTC医薬品」とは?
OTCとは「Over The Counter(オーバー・ザ・カウンター)」の略で、薬をカウンター越しに販売することを意味します。一般にOTC医薬品とは、薬局や薬店(ドラッグストア)で医師の処方箋なしで購入ができる「市販薬」を指します。市販で購入できる医薬品は「大衆薬」「民間薬」などさまざまな名前で呼ばれていましたが、欧米などを参考に2007年に日本OTC医薬品協会が変更・統一し、現在の呼称(OTC医薬品)となりました。
2017年からは「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)」が導入され、特定成分を含むOTC医薬品が控除の対象となりました。さらに2022年1月からは対象となるOTC医薬品の拡大が進み、コロナ禍での解熱鎮痛薬などによるセルフメディケーションの取り組みも加速しました。今後もOTC医薬品の市場規模は拡大が予想され、人々の注目度もますます高まると考えられます。
2.OTC医薬品にはどのような種類があるの?

上記のようにOTC医薬品はリスクごとに4つに区分されています。「要指導医薬品」と「第1類医薬品」に関しては情報提供をおこなうのは薬剤師のみです。「第2類医薬品(指定第2類医薬品を含む)」と「第3類医薬品」は薬剤師または登録販売者がおこないます。
また薬機法改正により、OTC医薬品のうち該当する成分*を含むものは濫用対策として指定濫用防止医薬品に指定され、2026年5月以降は販売時の氏名・年齢確認など厳格な対応が必要になります。
なお、市販で購入できる医薬品としては、OTC医薬品のほかに「薬局製造販売医薬品(薬局製剤)」などもあります。
要指導医薬品
OTC医薬品としては初めて市場に登場した薬などが最初に区分される医薬品分類になります。医療用医薬品からOTC医薬品に移行して間もなく、一般用医薬品としてのリスクが確定していない薬や劇薬などが該当します。その取り扱いに関して十分な注意を要するため、販売にあたっては原則として薬剤師が需要者(原則、薬を使用する本人)から情報を聞き、服薬指導をおこないます。
店舗での管理方法については、購入希望者がすぐには手が届かない場所へ陳列しなくてはならない、販売記録の作成・保存の義務があるなど、より厳格なものになっています。
また従来、要指導医薬品はインターネット販売(特定販売)ができませんでしたが、薬機法改正によって2026年5月以降は一部を除き、オンラインでの服薬指導・販売が解禁されます。ただし、要指導医薬品のうち、緊急避妊薬(主な商品名:ノルレボ®)などの「特定要指導医薬品」に指定されるものは、対象外となり、対面販売が継続されます。
第1類医薬品
副作用、相互作用などにおいて安全上、注意を要する医薬品です。薬剤師の説明なしに購入することがないよう、すぐには手の届かない場所に陳列するなどの規定があります。店頭で販売する場合には、対面かつ書面などによる情報提供が必要で、販売記録の作成・保存が義務付けられています。保健所へ届出をおこない許可を受けた薬局や薬店(ドラッグストアなど)では、インターネット上での販売(特定販売)も可能です。
具体的な商品には、胃薬(H2ブロッカー)のガスター10®︎や、発毛効果が期待できるミノキシジル外用塗布薬のリアップシリーズなどがあります。
第2類医薬品
第1類医薬品と同様に副作用、相互作用などにおいて安全上、注意を要する医薬品です。第1類医薬品とは違い、薬剤師または登録販売者からの情報提供や販売記録の作成・保存は努力義務となっています。ただし、後述する「指定濫用防止医薬品」などに関しては販売記録などが必要となる場合があります。
また第2類医薬品も許可を受けた薬局や薬店ではインターネット販売(特定販売)が可能です。第2類医薬品は、風邪薬(総合感冒薬)、解熱鎮痛薬など日常生活でよく使用される薬が多く分類されています。具体的な商品としては、バファリンA、ノーシン、パブロンエースPro-X微粒、新コンタック®600プラスsなどが含まれます。
さらに第2類医薬品の中でもとくに注意すべき成分(小児や妊婦が禁忌とされる成分や、相互作用や習慣性・依存性がある成分など)を含む医薬品は「指定第2類医薬品」に区分され、通常の第2類よりも厳格な管理が求められます。また成分以外にも、パッケージの表示方法や陳列する場所に関しても指定第2類の規定が加わります。
第3類医薬品
副作用、相互作用などにおいて、第1類・第2類医薬品に相当するもの以外の一般用医薬品です。購入者からの相談がある際には、他区分同様に薬剤師や登録販売者が応じる義務があり、販売記録の作成・保存は努力義務となっています。第1類・第2類と同様に第3類医薬品も許可を受けた薬局や薬店では特定販売が可能です。
なお、第3類医薬品には疲れ目(眼精疲労)用の目薬や消毒薬など、多くの医薬品が含まれます。
指定濫用防止医薬品
社会的な問題となっている若年層を中心としたOTC医薬品の濫用への対策として2026年5月以降、要指導・一般用医薬品のうち、指定された成分を含むものは指定濫用防止医薬品に指定されます。
具体的には咳止め成分のジヒドロコデインや、鼻づまりなどを改善する成分のプソイドエフェドリンなど、指定された8成分のいずれかが含まれる商品(外用剤を除く)が対象となり第2類医薬品のパブロンエースPro-X微粒や新コンタック®600プラスsといった一般的によく知られている商品も該当します。
3.「調剤併設型ドラッグストア」とは?
調剤併設型ドラッグストアとは、医療機関からの処方箋を取り扱う「調剤薬局」と、OTC医薬品や健康食品などを取り扱う「通常のドラッグストア」が併設された業態を意味し、近年増えてきた新しいドラッグストアの形です。
4.調剤併設型ドラッグストアの特徴やメリットは?
一般的なドラッグストアと違い、薬剤師が処方箋を受け付けてくれるため、幅広い医薬品に対応することができます。さらに、ドラッグストアは薬局よりも営業時間が長いことが多いため、薬剤師が滞在している時間であれば、夜間や土日・祝日でも処方箋を受け付けている店舗もあります。
そのほか大きなメリットとしては、「調剤を待つ時間に買い物ができる」という点が挙げられます。医療機関での待ち時間は苦痛を感じる人が少なくありません。ましてや体調が優れないときはなおさらです。調剤併設型ドラッグストアなら、調剤している間の待ち時間に必要なもの、例えば、水分補給のための飲料や食欲が低下しているとき用のおかゆやゼリーなどの買い物を済ませておくことも可能です。このように、利用者にとって便利な側面が多々あります。また、経営側にとっても薬局とドラッグストアの合同経営が可能なため、お互いの相乗効果により大きなメリットが生まれることでしょう。
このように、調剤併設型ドラッグストアは多様なニーズに応えながら、徐々にその店舗数を増やしています。
5.調剤併設型ドラッグストアで求められる仕事は?
調剤併設型のドラッグストアでは、調剤のみの薬局とは求められる仕事内容がやや異なります。ドラッグストアではOTC医薬品や健康食品などさまざまなものが販売されており、薬剤師はそれらの商品に対する知識も必要となります。また、登録販売者も、医療用医薬品について尋ねられる可能性があるため、薬剤師とうまく連携をとりながら対応しなければなりません。
このように、一般的な調剤薬局以上に幅広い商品知識を求められる調剤併設型ドラッグストアですが、その分大きなやりがいも感じられるでしょう。例えば、ドラッグストアには日用品の購入のために日常的に利用するお客さんも多く、それだけお客さんとの距離をより身近に感じられるかもしれません。また医薬品を販売したあとには、そのお客さんの「購入後の様子」を直接確認したりアドバイスしたりする機会があるほか、感謝の言葉をかけてもらえることもあるでしょう。このようなところは調剤併設型ドラッグストアならではの魅力ではないでしょうか。
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参考
- 厚生労働省|指定濫用防止医薬品の販売等について
- 厚生労働省|指定濫用防止医薬品の指定について