歯科助手に聞く仕事への想い「学んだ知識は一生モノ」

将来、医療業界で働こうと思ったとき、現場のサポート役となる「医療事務」「歯科助手」などの職種を選択肢に入れる人も多いはず。では実際に「医療事務」や「歯科助手」として働いている人たちはどのような仕事をしているのでしょうか? 今回は専門学校を卒業後、歯科助手として幅広いお仕事を担当していた金内さんにお話を伺いました。

専門学校を卒業後、歯科助手として就職

金内さん1

—歯科助手として働くようになったきっかけを教えてもらえますか?

金内さん:わたしはもともと歯科助手を目指していたわけではなくて、医療事務の資格を取りたくて専門学校にはいりました。


学校では歯科助手の資格も取れる授業があって、卒業前に筆記試験を受けて両方の資格を取ったんですけど、勉強していくなかで「医科よりも歯科のほうがおもしろいな」と思うようになりました。


ただ、医療事務も歯科助手も資格を持っていないとなれないわけではないんです。


—民間の資格を持っていると有利になるんですか?

まったく知識も経験もない状態よりかは、きちんと学校で学んで資格を取得して、仕事の流れをわかっているほうが多少有利になるかなとは思います。実際に履歴書にも書けるので。


—卒業後の就職先はどのように選びましたか?

わたしは地方に住んでいたので、求人数がそこまであるわけではありませんでした。なので自宅からの通勤距離であったり、給料であったり(笑)、面接に行って環境が良さそうなところを選びました。


職場ではドクターといちばん密接にかかわるので、その人との相性が合うかどうかも判断基準にしました。


—就職した歯科医院について教えてもらえますか?

個人クリニックではあったんですけど診療室は4つ、院内に歯科技工所も併設されていました。人数はドクターが3人、歯科衛生士が5人、歯科技工士が2人、歯科助手がわたし1人という体制でした。大きい歯科医院でない限りは、歯科助手が1〜2人というところは珍しくないと思います。

歯科助手の仕事内容・歯科衛生士との違い

—歯科助手としてどのような仕事をしてたんですか?

おもな仕事内容は、治療につかう器具の準備や洗浄、滅菌(※菌を完全に死滅させること)。


受付業務でいうと、来院した患者さんの対応や診療室への誘導、帰るときのお会計と予約管理、レセコン(診療報酬明細書を作成するコンピュータ)の入力ですね。


治療中に患者さんにおこなう業務としては、バキュームという器具で患者さんのだ液を吸ったり、ライトを調整したり、歯型を取るために印象材を練ったりします。あとやっていたことは、歯科材料の注文や院内清掃などですかね。


歯科衛生士との仕事の違いとしては、歯科助手は患者さんに医療行為をおこなうことはできません。歯ブラシ指導も歯科衛生士じゃないとできません。


—歯科助手から歯科衛生士を目指す人はいるんですか?

いると思います。わたしも歯科助手になってから感じたんですけど、歯科衛生士は直接患者さんの治療にあたれるのですごくいいなって。


患者さんに何かあったときに、直接治療をしてあげられるのは国家資格を持っている人の特権というか、やりがいをもって仕事にあたれるなと思いました。


一番いいなと思ったのは、国家資格を持っていると、結婚した後や40代、50代になったときでもわりと困らずに働くことができるところです。今は地方でも歯医者さんの数がすごく多いので。


「歯科衛生士の資格ほしいな」って思ったこともあるんですけど、歯科衛生士になるためには養成校(専門学校、短期大学、大学等)に入ってから国家試験に合格する必要があります。わたしは社会人になっていたので、かかる時間や費用を考えて違う道に進みました。

歯科助手のやりがいって何?

金内さん3

—歯科助手に向いている人はどんな人だと思いますか?

性格にもよると思うんですけど「周りの人を陰で支えたい」という人には合っているんじゃないかなと思います。


歯科助手は患者さんと仲良くなることで、先生には相談しづらい悩みを聞いたり、そのことを歯科医師の先生に柔らかく伝えてあげたりすることができます。


わたしの職場では、患者さんとドクター、もしくは患者さんと歯科衛生士、ドクターと歯科衛生士の間に立って、潤滑油じゃないですけど、スムーズに診療が進むようにコミュニケーションを図るような役割もありました。


歯科助手の仕事はすごく大切だと思っていて…なんか歯医者って怖いじゃないですか。


わたしは個人的に痛いのがイヤで、すごくビクビクしながら歯医者に行ったときに、受付の人の愛想がなかったりするとその時点で超萎えるんですよ(笑)。


そういう経験があるので、受付で明るく出迎えたり、治療後に見送ったりすることで、患者さんの不安を取り除いてあげられて、その歯科医院としての印象もアップするかなと思っています。


—歯科助手として働いてよかったことはありますか?

もともとは自分の歯に対する知識も関心もなかったんですけど、いろいろな患者さんの症例や治療の経過などを見ると、歯の大切さがあらためてわかります。また、そこで身につけた知識は今後も生活していくうえでずっと役に立ちます。


今は予防歯科の重要性が広まってきているとは思いますが、虫歯になってからではなく、虫歯にならない健康な口内を保つために歯医者に通ってほしいですね。


理想としては3ヶ月に1回、せめて1年に1回は通ってもらえるといいなと思います。


金内さん4

—金内さん、ありがとうございました。

最後に・・・歯科助手を目指す方へメッセージ



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「なるジョブ」転職者インタビューvol.2

【転職者インタビューvol.14】歯科助手1年目(東京)Aさん26歳/転職回数1回


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