子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは? 2024年度より新設される資格の内容、取得要件を解説!

子どもに関するさまざまな問題に対応する新たな専門資格「子ども家庭福祉ソーシャルワーカー」について。創設の経緯や働く場所、資格取得のための要件、研修・試験の内容などについて解説します。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは? 2024年度より新設される資格の内容、取得要件を解説!

※本記事の内容は2022年5月13日時点で公表されている情報を基に作成しました。資格・制度の内容は今後変更となる可能性があります。

1. 子ども家庭福祉ソーシャルワーカーとは?

子どもや家庭の問題に対応する専門家

子ども家庭福祉ソーシャルワーカー(仮称)とは、子ども家庭福祉分野に専門性を持つ新たな資格です。2024年4月の制度開始を目指し、厚生労働省の専門部会で準備が進められています。

新資格創設の背景には、子育て世帯を取り巻くさまざまな社会課題があります。育児と仕事を両立する困難さ、保護者自身の病気や障がい、親の介護、家庭内暴力、貧困、孤立化など──このような問題を背景に、児童虐待の件数は毎年右肩上がりに増加しています。

これらの問題に対処するにはより高い専門性が求められることから、新たに子ども家庭福祉分野に特化した資格が創設されることとなりました。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの働く場所は?

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは、児童相談所をはじめ、市区町村の虐待相談対応部門民間の児童養護施設乳児院児童家庭支援センター保育所などの幅広い職場での活躍が期待されています。

とくに注目されるのは、児童福祉法上、この新資格が児童福祉司の任用資格として位置づけられる点です。児童福祉司は児童相談所で働く公務員のことで、その約半数が勤続年数3年未満であるなど、人材の確保・定着が課題となっていました。そこで今回の任用資格を拡大することで、採用活動の活性化や長期的なキャリア形成を後押しし、高い専門性を持つ人材の確保を図ろうという狙いがあります。

さらに現場への任用を促進するため、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーが児童相談所のスーパーバイザーになるための要件を緩和する(実務経験を約5年から約3年に短縮する)ことや、施設等への配置によりインセンティブを設けることなども検討されています。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは民間資格? 国家資格?

2024年4月の制度開始時点では、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーは民間資格として位置づけられることが決定しています。

ただし検討段階において国家資格化を望む意見があったことから、制度開始から2年後の2026年をめどに国家資格化することも視野に入れられています。

2.子ども家庭福祉ソーシャルワーカーになるには

実務経験+研修の修了+試験の合格が必要になる見込み

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの資格を取得するルートは、「既存の有資格者ルート」「現任者ルート」の2つが有力視されています。どちらも一定の実務経験、研修の修了、試験の合格が必要です。

なお、実務経験を問わない「福祉系大学等ルート」として、学生のうちから社会福祉士や精神保健福祉士の指定科目に上乗せ履修する形で、子ども家庭福祉ソーシャルワーカーの受験資格を得られるルートも候補に挙がっていました。しかし子どもの命や権利を守ることは緊急性が高い課題であることから、人材輩出まで時間がかかるこのルートは見送りの可能性が高くなっています。

子ども家庭福祉ソーシャルワーカーになるには(案)
参考:厚生労働省「子ども家庭福祉分野の資格について(案)

〈既存の有資格者ルート(社会福祉士、精神保健福祉士)〉

社会福祉士または精神保健福祉士として、相談援助の実務経験が2年以上ある方が対象です。子ども家庭福祉指定研修の修了、子ども家庭福祉ソーシャルワーカー試験に合格することで資格が取得できます。

〈現任者ルート(子ども家庭福祉分野の実務経験者、保育士)〉

制度開始後、時限付きで認められる経過措置のルートです。子ども家庭福祉分野の相談援助の実務経験が4年以上、もしくは保育士の実務経験が4年以上あることに加え、ソーシャルワークに関する研修を受講した方が対象です。そのうえで子ども家庭福祉指定研修の修了、子ども家庭福祉ソーシャルワーカー試験に合格すると資格が取得できます。

*受験要件を満たす保育士の範囲は、相談援助や保護者対応などの経験を留意しながら今後検討される予定

子ども家庭福祉指定研修の内容

子ども家庭福祉指定研修は、民間の職能団体などによって実施される予定です。研修時間は100時間程度で、通常業務との両立がしやすいよう、オンライン授業やレポート審査などが取り入れられる見込みです。

子ども家庭福祉指定研修の内容(案)

  • 学校とソーシャルワーク
  • 教育の基礎的理解に関する科目
  • 母子保健と小児医療の基礎
  • 社会的養護の現状と課題
  • 子どもの貧困・格差
  • 家族理解と支援
  • 保護者理解と支援
  • 子どもの発達
  • 子ども虐待予防
  • 地域共生社会(虐待を発生させない地域づくり)
  • 子どもの権利擁護
  • 非行対応
  • 子ども虐待対応
  • 行政権限の行使と司法手続き
  • 関係機関(市区町村を含む)との連携・協働と在宅支援
  • 社会的養護における自立支援
  • 児童相談所における方針決定の過程
  • 子どもの面接・家族面接に関する技術
  • 子ども家庭支援のためのケースマネジメント

参考:厚生労働省「子ども家庭福祉分野の資格・資質向上について(案)

子ども家庭福祉ソーシャルワーカー試験の内容

子ども家庭福祉ソーシャルワーカー試験は、厚生労働省により認定を受けた民間機構による実施が検討されています。

具体的な内容はまだ明らかになっていませんが、子ども家庭福祉分野の現任者の場合は実務経験を考慮し、実践的な内容が問われる見込みです。

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