ヨンチャン
運動大好きな筋肉オタク男子でプロテイン好き。モーニングの新人賞「第4回THE GATE」にて『ヤフ島』が大賞受賞。スポ根╳ラブコメボート漫画『ベストエイト』(全4巻)でデビュー。『リエゾン ―こどものこころ診療所―』では世界観やキャラクターを生み出し、テーマの策定から完成までの制作全般に関わっている。
マンガを描き続けるために鍛える
──ヨンチャンさんはかなり体を鍛えていると噂で聞きました。
ヨンチャンさん:アピールしているわけではないんですけど、ほかの媒体で紹介されてそういうイメージを持たれてるのかもしれません。
大学時代はアメフト部に所属していて、その後徴兵に行ったので、それから継続して鍛えています。
──ライフワークなんですね。
漫画家は一日中机に向かっているので、毎日30分から1時間くらい凝縮してトレーニングしています。
──トレーニングは自宅で? それともジムで?
ジムです。自宅もジムに近いところを探しました。健康だからこそ作品を作り続けられると思っています。
デッドリフトが好きな理由
マンガ筋ってご存知ですか? 肩とか背筋とか、姿勢を保つための筋肉なんですけど、漫画家の間ではマンガ筋と言われているんです。
──マンガ筋!? 初めて聞きました。
長期連載をする漫画家って意外と普段から鍛えてるんですよ。腰を痛めたりしたら描けないじゃないですか。
──実はしっかり鍛えているんですね。 ちなみに好きなトレーニングは?
デッドリフトが一番好きです。主に背筋を使うのでマンガを描くのにも役立つんですよ。
前作の『ベストエイト』はボートの話を描いていたんです。そのとき埼玉県戸田市に住んでいて、取材兼トレーニングという感じで僕もボートをやっていました。市民大会で優勝したこともあるんです。
──取材のためにボートを始めて大会で優勝するって、それこそマンガ的ですね。
ボートはものすごく良いスポーツでした。背筋を鍛えられるし、同じことを繰り返しているので漕ぎながら頭の中で考えごともできるし。漫画家に向いているスポーツですよ。
人生はボートに似ている
──ボートを漕ぎながら構想を練ったりしたわけですね。
マンガのことを考えたり、人生のことを考えたりとか。「人生はマラソン」ってよく言うじゃないですか? 僕は人生はボートだと思ったんですよ。
──というと?
マラソンってゴールの先の景色が見えるじゃないですか。でも人生のゴールって、ゴールしてみないとその景色が見えないんですよ。
ボートは後ろ向きに漕ぐスポーツだから、ゴールラインを切って初めてゴールの景色が見えるんですよね。
僕はずっと漫画家になりたくて努力して、それで夢を叶えたんです。でもいざなってみたら想像していた景色とぜんぜん違ったんです。毎日同じ場所に缶詰。しかも地獄のようなスケジュール(笑)。
──華やかに見える世界って裏側は地味だったりしますよね。
そうなんですよね。マンガが売れたらちょっと高い机を買ったり、大きな窓の部屋に住めたりしますが、やることは変わらないんです。
だからか「もう少し社会と繋がりたいな、社会に貢献したいな」と思ったんです。リエゾンを描くとき、そういったメンタル的な部分がちょっと影響しましたね。
<リエゾン原作・マンガを担当するヨンチャンさんと原作の竹村優作さんのインタビューはこちら>