目次
1.資格手当とは
特定の資格があるともらえる手当
資格手当とは、特定の資格を保有している労働者に対して支給される手当のことです。法律による定めのない法定外福利厚生のため、支給の有無や金額などの条件は企業によって異なります。
資格手当の有無や条件は就業規則に記載されていることが一般的です。また、求人の募集要項に記載されていることもあります。毎月継続してもらえる場合や一時金のみの支給などいくつかパターンがあるため、条件をよく確認するようにしましょう。
資格手当の種類は大きく2つ
資格手当は、基本給にプラスされる「資格手当」と、資格取得によって支給される「合格報奨金」の2つに大きく分けられます。
基本給にプラスされる資格手当は、その資格を保有していることで毎月1万円などの定額が給与に上乗せで支給されることが一般的です。看護師や薬剤師など特定の資格がないと従事できない仕事や、介護福祉士など資格を取得することで高い専門性の証明となる場合などに支給されます。
合格報奨金は、特定の資格を取得したことに対して支給される手当です。祝い金の意味合いが強いため支給は一度限りですが、毎月の資格手当よりも大きい金額をもらえるところも多いようです。
資格手当は課税される?
基本給にプラスされて毎月支払われる資格手当は、給与と同様に所得税・住民税が課税されます。合格報奨金についても特別賞与のような扱いとなり、同じく課税対象です。
なお、業務に関係のある資格を取得するために参加する研修費用や養成校の授業料などを企業が負担する場合については非課税となります。
2.資格手当は平均いくら?
全業種の平均は1万8,800円
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」によると、資格手当を支給している企業の割合は50.8%で、月の平均支給額は1万8,800円でした。
また事業者を対象におこなった別の調査では、資格や検定の取得を重視する理由として「法規対応上、合格者が必要なため」が59.8%と最多でした。

資格や検定の取得が給与や昇給の決定にどう影響するかを聞いた質問では、「月々の資格手当を支給」が41.0%で最も多く、次いで「昇給の際に考慮」23.6%「一時金の支給」20.0%「基本給を決める際に考慮」18.0%と続き、「資格・検定は一切処遇には反映されない」が27.7%でした。

医療福祉業界の資格手当の例
ここからは、医療福祉業界の資格手当の例を紹介します。医療福祉業界は資格手当の支給が多い業種のひとつ。一方で、そもそも資格がないと従事できない職種については、手当ではなく基本給としてその対価が含まれている場合もあります。
資格名 | 資格手当の平均支給額 |
---|---|
専門看護師 | 11,279円 |
認定看護師 | 8,530円 |
介護福祉士 | 9,055円 |
社会福祉士 | 10,827円 |
精神保健福祉士 | 12,227円 |
3.資格取得支援制度を活用しよう
職場によっては福利厚生として資格取得支援制度を設けているところもあります。資格の取得には費用と時間がかかりますが、資格取得支援制度がある場合はその費用を勤め先が負担してくれたり、就業時間内の受講を認めてくれたりといった利点があります。また求職中であれば、ハローワークの職業訓練などを利用する手もあります。
資格を取得することは金銭的なメリットはもちろん、自分自身のスキルアップやキャリアアップにもつながります。ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。