目次
1.逆質問の目的とは?
就職や転職面接での最終局面に、「何か質問はありますか?」と聞かれることが多くあります。このいわゆる「逆質問」は、応募者の疑問を解消するほかに3つの目的があります。
志望度の高さをはかるため
業務や企業について質問すると、自社への関心が高いと受け取られます。積極的に質問することで、「この会社で働きたい」という意欲をアピールできます。
ミスマッチを防ぐため
面接は、企業が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が企業を見極める場でもあります。業務内容や職場の雰囲気について質問することで、入職後のギャップや早期退職の防止につながります。
コミュニケーションスキルをはかるため
逆質問は、初対面の相手と円滑にコミュニケーションを取れるかどうかを見る機会でもあります。単なる一問一答で終わらせず、面接官の回答に対してさらに話を広げることで、柔軟な会話力をアピールできます。
2.【内容別】逆質問の例文
業務内容に関する逆質問
業務に関する質問は、応募先への関心の高さや働く意欲を示す良い機会です。入職前後でギャップが生じないよう、積極的に質問しましょう。
1.こちらで働く○○(職種名)の一日の流れを教えてください。
2.常時何人くらい出勤されて、どのようなチーム体制でしょうか?
3.活躍されている方々に共通することはありますか?
4.○○(職種名)に求める人柄やスキルがあれば教えてください。
5.入職後はまずどのような業務を任されますか?
6.勉強会や委員会などの活動はありますか?
7.外部の勉強会に参加することは可能でしょうか?
8.○○(職種の主な業務)以外に、担当する仕事はありますか?
9.一人あたり何名を担当しますか? また、どのような利用者(患者)さんが多いですか?
10.○○(特定の業務内容)の頻度はどのくらいありますか?
労働条件や職場環境に関する逆質問
労働条件や職場環境に関する質問は、働きやすさや長期的なキャリア形成を見据えるうえで重要です。待遇面に偏りすぎないようバランス良く質問しましょう。
11.いつまでに次月のシフトが決まりますか?
12.夜勤は月に何回くらいありますか?
13.平均年齢と男女比を教えてください。
14.活躍されている方々の勤続年数はどれくらいですか?
15.異動や転勤の可能性はありますか?
16.契約職員から正職員を目指すことはできますか?
17.資格取得支援や資格手当があると聞きました。内容を詳しく教えてください。
18.試用期間中と期間後では、業務や勤務体系に違いはありますか?
19.車通勤は可能ですか?
20.どのような評価制度がありますか?
自己PRにつながる逆質問
これまでの経験やスキルを基に、自分がどのように貢献できるかを示す質問です。具体的なエピソードを交えて、自信と意欲をアピールしましょう。
21.前職ではチームリーダーを経験しました。御施設でも目指せますか?
22.○○の資格取得に向けて勉強中です。業務で活かせる機会はありますか?
23.レクリエーションを考えるのが得意です。御施設でも携われますか?
24.前職では幼児から高齢者まで幅広い年齢層に接していたため、コミュニケーションスキルには自信があります。外来ではどのような患者さんに接する機会が多いですか?
25.前職では施設での調理業務があり、得意としています。業務内容に調理サポートとありましたが、どれくらいの頻度でおこなわれていますか?
26.他職種との関わりから学ぶことが多く、積極的にコミュニケーションを取るよう心がけています。職種を超えて交流する機会はありますか?
27.業務が立て込んでいるときに優先順位をつけて業務をこなすことが得意です。忙しい時期や時間帯はありますか?
28.業務改善のために職種や年齢にかかわらず意見を出し合っていました。御院でも主体的に提案することは可能でしょうか。
29.趣味で20年以上ギターを弾いています。御園で活かせる機会はありますか?
30.前職では表彰制度があり、努力賞を受賞したことがモチベーションにつながっていました。御施設ではどのような評価制度がありますか?
面接官に対する逆質問
現場のリーダーやマネージャーなどが面接を担当する場合、その人に関する質問をとおして業務や応募先の理解を深めることができます。ただし、プライベートに踏み込みすぎないよう注意しましょう。
31.○○(面接官の名前)さんが入職した理由を教えてください。
32.○○(面接官の名前)さんの入職前後でギャップはありましたか?
33.○○(面接官の名前)さんが働くうえで心がけていることは何でしょうか?
34.○○(面接官の名前)さんがこれまでの業務のなかで印象的だったことがありましたら、教えてください。
35.○○(面接官の名前)さんは業務で困難に直面したことはありますか? また、どう乗り越えたか教えてください。
36.○○(面接官の名前)さんの目標があれば教えてください。
37.求人で御院は「和気あいあいとした雰囲気」と拝見しました。○○(面接官の名前)さんはどのような雰囲気だと感じますか。
38.御園の理念に「○○○○○○」とございますが、○○(面接官の名前)さんから見て理念が実現されていると感じる取り組みはございますか?
39.○○(面接官の名前)さんが思う御施設の魅力は何でしょうか?
40.○○(面接官の名前)さんから見て、御院ではどのような方が活躍されていると感じますか?
新卒・未経験者向けの逆質問
新卒・未経験者は、成長意欲や学ぶ姿勢を示すことが重要です。研修制度やサポート体制について具体的に尋ねてみましょう。
41.入職後はどのような研修がありますか?
42.一人で業務を任されるまでには、どれくらいの期間がかかりますか?
43.入職後どれくらいで配属先が決まりますか?
44.入職前に学んでおくべきことがあれば教えてください。
45.入職1年目で活躍されている方はいらっしゃいますか?
46.患者さんと関わるうえで一番大切にしていることは何でしょうか?
47.研修前後の一日の業務の流れを教えてください。
48.入職前に職場を見学できますか?
49.○○の資格取得を目指しています。御院で同じ資格を活かして働かれている方はいらっしゃいますか?
50.未経験で入職された人は何人くらいいますか?
職種別の逆質問(医科・歯科・介護・保育)
ここでは職種別の逆質問の例を紹介します。それぞれの仕事で確認したいことを具体的に尋ねてみましょう。
51.(看護師)○○の分野に興味があるのですが、症例検討会や学会発表へのサポート体制について教えてください。
52.(薬剤師)外部の研修会などへの参加する機会はありますか?
53.(理学療法士) 御院では、脳卒中後のリハビリテーションにおいてどのようなアプローチを重視されていますか?
54.(作業療法士) 認知症の患者さまに対する作業療法プログラムの特徴や、とくに効果を感じている取り組みがあれば教えてください。
55.(医療事務)繁忙期の残業時間について教えてください。
56.(歯科衛生士)将来的に認定歯科衛生士資格の取得を考えています。御院で働くうえでとくに役立つ認定分野があれば教えてください。
57.(歯科衛生士) 歯周病治療においてSRPを担当する機会はどのくらいありますか?
58.(介護職)夜勤時の緊急対応について、看護師との連携などのマニュアルは整備されていますか?
59.(保育士)保護者との連携はオンライン連絡帳や面談以外にどのような機会がありますか?
60.(管理栄養士)患者さまへの指導のために身につけておくべき知識やスキルがあれば教えてください。
3.逆質問のNG例
逆質問は自分の意欲や理解度をアピールするチャンスですが、内容によっては企業への関心が薄い、もしくは準備不足と受け取られる可能性があります。以下のような質問は避けましょう。
企業のウェブサイトや求人などを見ればわかる内容
61.企業理念を教えてください。
62.設立は何年ですか?
63.御社の事業内容を教えてください。
待遇面に偏った質問
64.賞与(ボーナス)はいつごろ出ますか? 支給実績も知りたいです。
65.残業や夜勤は多いですか?
66.何年くらいで昇給しますか?
67.有給休暇はいつから取れますか?
ネガティブな質問
68.どこも人手不足と聞いていますが、こちらも同じですか?
69.目標を達成できなかったらどうなりますか?
70.○○(業務内容)に自信がありませんが、務まりますか?
71.とくにありません。
4.「面白い」と思われる逆質問のポイント4つ
(1)相手と面接の段階に応じた内容にする
面接の段階ごとに面接官の立場や関心は異なります。相手に合わせた質問をすることで、理解度と柔軟性をアピールできます。
一次面接(現場のリーダーやマネージャー):実際の業務内容、チーム体制、職場の雰囲気など、現場に即した具体的な質問が効果的です。
質問例「この部署で活躍されている方の特徴は何ですか?」
最終面接(役員や社長):企業の経営方針や今後の展望、自分がどのように貢献できるかといった視点の質問が好印象です。
質問例「今後の事業展開について、力を入れている分野はありますか?」
(2)待遇面を聞くなら意欲の高さも伝える
「有給休暇は希望どおり取れるか」など、待遇に関する質問も重要ですが、そればかりに偏ると「条件だけが目的」と誤解されることがあります。業務への関心と意欲も併せて伝えましょう。
質問例「御社でのキャリアステップについて教えてください。また、それに伴う評価制度や昇給の仕組みはどのようになっていますか?」
(3)自己PRにつなげる
逆質問の時間は、単に疑問を解消するだけでなく、自分の強みや経験をアピールする場としても活用できます。経験や強みを質問と一緒にさりげなくアピールするのも効果的です。
質問例「前職ではチームリーダーとして業務改善に取り組んできました。御社でも主体的に提案する機会はありますか?」
(4)調べてもわからないことを聞く
企業理念や事業内容など、応募先のウェブサイトに掲載されているような内容ではなく、面接官個人の経験や業務内容の理解が深められるような内容を聞きましょう。
質問例「実際に働かれていて、御社の魅力や強みをどのように感じていますか?」
5.逆質問は5つ程度準備しておくと安心
面接中の会話で疑問が解消されることもありますので、事前に最低5つ程度の質問を準備しておきましょう。準備した質問がすべて解決した場合は、「お話を伺って疑問は解消しましたが、○○についてさらに詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?」といった形で、関心を示すと好印象を与えられます。