保育所等における保育士配置の特例とは
日本は長年、待機児童の問題を抱えています。この問題を解消するための対策の1つとして施行されたのが「保育所等における保育士配置の特例」です。この特例は、待機児童の解消と預かる側の人員確保のために緊急的に実施されたものといわれています。特例の内容は大きく3つあります。
- 1: 朝夕など児童が少数となる時間帯における保育士配置に係る特例
- 2: 幼稚園教諭および小学校教諭などの活用に係る特例
- 3: 保育所などにおける保育の実施にあたり必要となる保育士配置に係る特例
1は、朝夕など児童が少なくなる時間帯では保育士最低2人配置のうち1人を子育て支援員研修を終えた者でもよいとしています。
2は、幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭が保育士の代わりとして保育に関わることができるというものです。
3は、保育などで8時間以上開所しているところに対する特例です。認可の基準となる保育士数より多く必要となる人員については、子育て支援員研修を修了した者でもよいとしています。ただし、2と3については、施設全体のスタッフのうち3分の2以上は保育士でなければなりません。
保育・子育て支援分野で活躍したいなら注目!子育て支援員研修とは
保育所等における保育士配置の特例が実施されたことにより、幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭のほか、子育て支援員の活躍の場も広がりました。この子育て支援員とは、地域の保育や子育て支援に関わるうえで、その知識と技術が修得できていると認められた人のこと。子育て支援員になるためには、子育て支援員研修を受けることが欠かせません。研修は都道府県ごとに実施され、都道府県知事からの認定を受ける必要があります。研修は基本研修と専門研修の2つからなり、専門研修は4つのコースから選択。研修は基本的に無料で、20時間ほどで修了できます。子育て支援員は一度認定を受ければ全国どこでも活躍できるという大きなメリットもあります。
特例によって広がる働き方の選択肢
幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭の資格取得者は、その資格が有効となる分野でしか活躍することができませんでした。しかし、保育所等における保育士配置の特例が実施されたことによって、活躍の場は保育の現場にも広がりました。資格や今までの経験を生かしつつ、別の環境でも働いてみたいという方は、保育や子育て支援の分野にチャレンジしてみるのも1つの方法かもしれません。