1.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?
1-1.サ高住の成り立ち・主な特徴
1-2.サ高住の入居条件・入居状況
1-3.サ高住の登録基準・人員配置
1-4.サ高住の種類
1-5.サ高住の戸数
1-6.有料老人ホームとの違い
1-7.シニア向け分譲マンションとの違い
2.サ高住で働く
2-1.サ高住で必要な資格
2-2.サ高住での仕事内容
2-3.サ高住で働くメリット・デメリット
2-4.サ高住スタッフの1日の流れ
2-5.サ高住スタッフの給与
3.サ高住の展望・課題
1.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?
1−1.サ高住の成り立ち・主な特徴
サ高住(読み:さこうじゅう、正式名称:サービス付き高齢者向け住宅)は、 高齢者が安心して生活を送るために見守りなどのサービスを提供する、バリアフリー構造の住宅のことです。
急速に進む高齢化により、今後ますます一人暮らしの高齢者や夫婦世帯が増えると予想されています。 高齢者が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けられるよう、行政は「地域包括ケアシステム」を推進しています。 その施策の1つとして、2011年「高齢者住まい法」の改正により誕生したのが「サービス付き高齢者向け住宅」です。
▼地域包括ケアシステムについてはこちらの記事もチェック
地域包括ケアシステムとはどんなもの?
比較的自立した高齢者を入居の対象としている前提のため、食事・入浴・排泄などの生活支援や身体介護は、最低限提供すべきサービスには含まれていません。 義務付けられている提供サービスは「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2つのみです。
ただし実際は、要介護認定を受けている、もしくは認知症を患っている入居者が増加している実情を受け、約95%のサ高住では食事や入浴等のさまざまな追加サービスを提供しています。
1−2.サ高住の入居条件・入居状況
サ高住へ入居が可能なのは、次のいずれかの該当者です。
◎ 60歳以上の者
◎ 要支援・要介護認定を受けている者(40歳以上)
また、同居できる人の条件は以下のとおり。
◎ 配偶者(届出はないが事実上の夫婦と同様の関係にある者も含む)
◎ 60歳以上の親族
◎ 要支援・要介護認定を受けている親族
◎ 特別な理由により同居させる必要があると知事が認める者
このほかにも事業者ごとに独自の入居条件を設けています。
2018年度の調査(※1)によると、要介護度3以上の入居者の割合は31.6%、入居者の平均要介護度(自立状態を介護度0とする)は、2.2でした。介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームと比べると、要介護度の低い入居者が多い結果となりました。
1−3.サ高住の登録基準・人員配置
サ高住の運営法人は、株式会社・有限会社(62.7%)、医療法人(15.5%)、社会福祉法人(9.6%)と、民間による運営が大半を占めています(※2)。
事業者は「高齢者住まい法(正式名称:高齢者の居住の安定確保に関する法律)」で定められた以下の登録基準を満たした上で、各都道府県の窓口で登録手続きをおこない、承認を得る必要があります。
■サービス付き高齢者向け住宅の登録基準
◎ 各専用部分の床面積は、原則25㎡(約13.7畳)以上
居間、食堂、台所などが共同利用のための十分な面積がある場合は、18㎡ (約9.9畳)以上
◎ 各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること
共同利用部分に各戸に備える場合と同等以上の設備・環境が確保される場合は、各戸に備えずとも可
◎ 段差のない床、手すりの設置、廊下幅の確保がされているバリアフリー構造であること
<サービス>
◎ケアの専門家が少なくとも日中建物に常駐し、状況把握(安否確認)サービスと生活相談サービスを提供すること
◎ 常駐しない夜間の時間帯は、緊急通報システムにより対応すること
サ高住では状況把握サービス・生活相談サービスを提供する「ケアの専門家」として、日中1名以上の以下のスタッフの常駐が定められています。
◎ 医療法人、社会福祉法人、指定居宅サービス事業者等に従事する者
◎ 医師、看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員または養成研修(介護職員初任者研修)修了者
これらのほかにも、都道府県ごとの基準が設けられています。登録方法や登録基準などの詳しい情報は、サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムを参照してください。
1−4.サ高住の種類
サ高住の種類は、「一般型」と「介護型」の2種類に大別でき、提供サービス内容に以下のような違いがあります。
一般型 | 介護型(特定施設) | |
---|---|---|
状況確認・生活相談 | あり | あり |
生活支援・身体介護 | 外部サービスまたはオプション | あり |
リハビリ | 外部サービスまたはオプション | あり |
レクリエーション | 少ない | 多い |
スタッフの24時間常駐 | 原則なし | あり |
介護保険 | 適用されない | 適用される |
■一般型サービス付き高齢者向け住宅
全サ高住のうち約90%以上は「一般型サービス付き高齢者向け住宅」です。自立~軽介護度の高齢者の入居を想定しているため、生活支援(配膳・掃除・洗濯等)や身体介護(入浴・排泄・食事介助等)、リハビリなどの「介護サービス」には介護保険は適用されず、入居者が全額負担することとなります。
介護が必要になった入居者は、外部の在宅介護サービスを利用します。ただし外部といっても多くの一般型サ高住は、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスの事業所を1つ以上併設しているところが大半(約82% ※2)を占めています。そのため入居者は、併設の事業所と別途契約を結び、介護サービスを受ける方法が一般的です。
■介護型サービス付き高齢者向け住宅
残りの10%未満のサ高住は、厚生労働省が定める「特定施設入居者生活介護」の事業所指定を受けた「介護型サービス付き高齢者向け住宅」です。
介護型サ高住には、介護福祉士や看護師などのスタッフが常駐しています。生活支援・身体介護やリハビリなどを外部サービスとしてではなく、サ高住のスタッフから受けることができるため、介護付き有料老人ホームに近い体制と言えるでしょう。介護型サ高住で提供する介護サービスには、介護保険が適用されます。
tips特定施設入居者生活介護は、介護保険が適用される居宅サービスの1つ。要介護認定を受けた人を入居対象とし、生活支援や身体介護、リハビリなどを提供します。
主な施設に介護付き有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護型サービス付き高齢者住宅があり、設置基準や人員基準が設けられています。
1-5.サ高住の戸数
■サービス付き高齢者向け住宅の登録状況
2011年の制度開始以来、サ高住の住宅数は右肩上がりに増えており、2020年3月末時点で7,600棟、254,747戸となっています。
登録棟数が多い都道府県は、1位大阪府(731棟)、2位北海道(495棟)、3位埼玉県(409棟)。
著しい増加の背景には、サ高住の供給促進を目的とした国からの補助金制度があります。建築費の10分の1、改修費の3分の1を事業者に対して国が直接補助します。そのほかにも住宅金融支援機構の融資制度があり、新たにサ高住の運営を始める事業者を財源的にサポートしています。
1-6.有料老人ホームとの違い
同じ居住型の高齢者施設に、有料老人ホームがあります。有料老人ホームは大別して「住宅型」「健康型」「介護付き」の3種類があり、「住宅型」は一般型サ高住と、「介護付き」は介護型サ高住とよく似ているため、それぞれの違いを比較してみましょう。
■一般型サービス付き高齢者住宅と住宅型有料老人ホームの違い一般型サービス付き高齢者向け住宅 | 住宅型有料老人ホーム | |
---|---|---|
契約形態 | 賃貸借契約 | 利用権方式 |
入居対象者 | 60歳以上 要介護・要支援認定を受けている (自立〜軽要介護度) | 原則60歳以上 (自立〜軽要介護度) |
最低限提供されるサービス | 状況確認(安否確認) 生活相談 | 身体介護、食事介助、食事提供、健康管理、家事のうちいずれか1つ以上 |
その他の介護サービスの提供方法 | 外部の介護サービスを利用 | 外部の介護サービスを利用 |
初期費用 | 0〜数百万円 (家賃2〜6ヶ月程度の敷金) | 0〜3,000万円 (入居一時金) |
介護保険 | 適用されない | 適用されない |
居室面積 | 原則25㎡(約13.7畳)以上 | 13㎡(約7.1畳)以上 |
メリット | ・生活の自由度が高い ・プライバシーが重視される ・費用が安い | ・イベントやレクリエーションが多く入居者同士の交流が盛ん |
デメリット | ・イベントやレクリエーションが少ない ・要介護度が重度化すると退去が必要な場合も | ・費用が高い ・共同生活の要素が強い ・要介護度が重度化すると退去が必要な場合も |
決定的に異なる点は「契約形態」による違いです。有料老人ホームは介護施設の利用権を契約する「利用権方式」をとるのに対し、サ高住は住宅の賃貸契約を結ぶ「賃貸借契約」をとっています。
住宅型有料老人ホームは、身体機能の低下による生活上の不便が出ていたり、高齢のため一人で生活することに不安を感じていたりする高齢者の生活支援サービスをメインにしています。一般型サ高住と同じく、最低限提供されるサービス以外で必要な支援を受けたい場合は、外部の訪問介護や通所介護サービスを別途契約して利用する形が多いようです。介護保険も適用されません。
そのほかの違いとしては、住宅型有料老人ホームはサ高住と比べると費用が高い傾向にあり、入居者同士の交流が比較的多い点が挙げられます。
■介護型サービス付き高齢者住宅と介護付き有料老人ホームの違い介護型サービス付き高齢者向け住宅 | 介護付き有料老人ホーム | |
---|---|---|
契約形態 | 賃貸借契約 | 利用権方式 |
入居対象者 | 60歳以上 要介護・要支援認定を受けている (自立〜軽要介護度) | 原則65歳以上 (自立〜要介護度5) |
主なサービス | 生活支援 身体介護 リハビリ など | 生活支援 身体介護 リハビリ など |
サービスの提供者 | サ高住のスタッフ | ホームのスタッフ |
初期費用 | 0〜数百万円 (家賃2〜6ヶ月程度の敷金) | 0〜3,000万円 (入居一時金) |
介護保険 | 適用される(定額料金) | 適用される(定額料金) |
居室面積 | 原則25㎡(約13.7畳)以上 | 13㎡(約7.1畳)以上 |
介護付き有料老人ホームは、住宅型よりも介護の必要性が高い高齢者が入居しています。介護型サ高住と同じく「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設なので、設置基準や人員基準が同様に規定されています。そのため2つの施設はサービス内容も非常によく似ていて、主な違いとしては契約形態や費用部分が挙げられます。
どちらも24時間体制で必要な介護を受けることができ、介護保険が適用されるため月額料金は定額制です。その代わり、住宅型有料老人ホームや一般型サ高住で利用できた外部の介護サービスを併用することはできません。
1-7.シニア向け分譲マンションとの違い
サービス付き高齢者向け住宅 | シニア向け分譲マンション | |
---|---|---|
契約形態 | 賃貸借契約 | 所有権契約 |
入居対象者 | 60歳以上 要介護・要支援認定を受けている(自立〜軽要介護度) | 物件による (自立の場合が多い) |
主なサービス | 状況確認(安否確認) 生活相談 など | 物件による |
初期費用 | 0〜数百万円 (家賃2〜6ヶ月程度の敷金) | 数千万円~数億円 (購入費) |
月額費用 | 3~30万円 (家賃、管理費、光熱費など) | 10~30万円 (管理費、水光熱費、修繕積立金など) |
居室面積 | 原則25㎡(約13.7畳)以上 | 物件による |
メリット | ・費用が安い ・住み替えしやすい ・訪問介護やデイサービスが併設されているところが多い | ・娯楽設備やレクリエーションが豊富 ・賃貸貸出し、売却、リフォームが可能 |
デメリット | ・イベントやレクリエーションが少ない ・要介護度が重度化すると退去が必要な場合がある | ・管理費・修繕積立金・固定資産税などがかかる ・住み替えしづらい ・要介護度が重度化すると退去が必要な場合がある |
シニア向け分譲マンションもバリアフリーが整えられた高齢者向け住宅です。大きな違いとしては、シニア向け分譲マンションはサ高住のように法で定められた登録基準はなく、行政への届け出も不要です。
またサ高住の契約形態が「賃貸借契約」に対し、シニア向け分譲マンションはマンションを購入する「所有権契約」となり、初期費用もかなり高額になります。
シニア向け分譲マンションの生活支援サービスや住宅設備は、物件によりさまざまな選択肢があります。日常的な家事の代行サービスや各種レクリエーション、スポーツジムやシアターなどの娯楽設備が豊富に用意されており、老後の生活を楽しむことができます。マンションによっては24時間管理人が常駐し、緊急時にはすぐに医師や看護師が対応できる体制をとっているところもあります。
その一方で、要介護度が進行した場合は物件売却の難しさもあり、サ高住と比べると住み替えづらいところが難点としてあげられます。
2.サ高住で働く
2-1.サ高住で必要な資格
サ高住のスタッフは、日中1名以上の常駐が義務付けられているケアの専門家については医療法人、社会福祉法人、指定居宅サービス事業者等に従事する者、もしくは有資格者(医師、看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員または介護職員初任者研修修了者)である必要があります。
事務作業やフロント業務、入居者の簡単な生活サポートなどの資格不要な業務も多いため、無資格・未経験OKの求人も多数募集しています。
なお2020年8月の調査(※4)によると、常駐するスタッフの保有資格で多かったものは、養成研修(介護職員初任者研修)修了者(67.5%)、介護福祉士(67.4%)でした。
■サ高住の常駐スタッフの資格(n=6,469)2-2.サ高住での仕事内容
サ高住の登録基準上、必須の業務となる「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2つは具体的にどのような内容でしょうか?
■状況把握(安否確認)
回数は事業者によって異なりますが、少なくとも1日1回以上、入居者の状況に異変がないかの確認をおこないます。
確認手段としては、居室訪問(約93%)や電話確認(約15%)などの直接的な手段が最も多く、そのほか入居者の外出や喫食のチェック、生活リズムセンサーなどの間接的な方法も用いられています。
■生活相談
入居者から生活に関する相談を受け、管理者やケアの専門家とともに解決にあたります。そのほか、日用品の買い物代行、家族への連絡、病院への付き添い、ゴミ出し、郵便物の受け取りなどの生活サポート全般もおこないます。介護面でのサポートは、生活相談には含まれません。
一般型のサ高住では夜間のスタッフ常駐は必須ではありませんが、実態として約9割のサ高住で宿直または夜勤のスタッフを配置しています。そのため「日勤」「夜勤」の勤務条件については予め確認したほうが良いでしょう。
介護型のサ高住の場合は、状況把握・生活相談のほか、食事・入浴・排泄などの生活支援・身体介護も仕事内容に含まれます。
2-3.サ高住で働くメリット・デメリット
サ高住で働く上でのメリットやデメリットは? ほかの高齢者施設での入居者との関わり方との違いを知って、自分に合う・合わないを考えてみましょう。
■メリット◎ 入居者と長期的に関わり、見守ることができる
入居者の日々の生活を見守り、困ったことがあれば相談に応じる業務の性質上、サ高住のスタッフを「第2の家族」として接する入居者も少なくありません。入居者の生活に寄り添い、支えられる仕事はやりがいに繋がるでしょう。
◎ 接遇やマナーが学べる環境
さまざまな人が暮らし、コミュニケーションをとる環境のため、スタッフとしてしっかりとした接遇やマナーが求められます。サ高住での仕事を通じ、適切な言葉遣いやマナーを学ぶことができます。
◎ ほかの介護施設よりも身体的な負担が少ない
サ高住は自立もしくは軽介護度の高齢者が主なため、ほかの介護施設のように移乗介助やおむつ交換などの体力的にハードな作業が比較的少ないです。
△ 介護職での業務内容は限られる可能性も
自立もしくは軽介護度の入居者が多いため、介護職として実践を積みスキルアップを目指している人にとっては、介護の業務が少なく物足りないと感じる可能性があります。職場を探す際には、入居者の要介護度や介護業務の作業量などを予めチェックするようにしましょう。
2-4.サ高住スタッフの1日の流れ
サ高住で働くスタッフの1日の流れは、運営形態が訪問介護併設型、デイサービス併設型、介護型(特定施設)、いずれの介護サービスも併設していないかどうかによって大きく異なります。
訪問介護併設型の場合は、介護が必要な居宅へスタッフが訪問し介護サービスを提供します。
一方デイサービス併設型は、介護が必要な入居者は併設されているデイサービスで過ごすため、日中の介護サービスはおこなわず夜間の見守りやおむつ交換などがメインになります。
いずれの介護サービスも併設していない場合は、最低限の状況把握・生活相談やフロント業務が主な業務内容となります。
ここでは、訪問介護もおこなう場合の1日のタイムスケジュール例を紹介します。
■サ高住スタッフの1日のタイムスケジュール例夜勤スタッフからの申し送りを受け、1日の業務の流れを確認
8:30 朝食片付け・安否確認
朝食を終えた入居者宅へ訪問し、食事の片付け。世間話などでコミュニケーション
10:00 清掃
入居者の居室や共有スペースの清掃をおこないます
12:00 昼食・食事介助
食事介助が必要な入居者をサポート
14:00 生活相談
入居者の日常生活における相談事をヒアリングし、管理者や専門スタッフと共有し解決を進めます
15:30 入浴介助
入浴介助が必要な入居者をサポートします
17:00 業務終了・夜勤スタッフへの引き継ぎ
日中の業務内容や報告事項をまとめ、夜勤スタッフへ引き継ぎます
2-5.サ高住スタッフの給料
サ高住で働くスタッフの平均給料はどのくらいでしょうか? 2020年3月にジョブメドレーとハローワークに掲載されていたサ高住の介護職/ヘルパー求人を集計したところ、以下の金額となりました。
平均給料(常勤) | 平均時給(非常勤) |
---|---|
213,791円 | 1,098円 |
上記には夜勤手当や交通費、賞与などは含まれていないため、実際の支給総額はさらに多い可能性があります。また業務内容に介護業務を含むかどうかによっても金額に差が出るため、金額と仕事内容は突き合わせて比べると良いでしょう。
3.サ高住の展望・課題
超高齢社会を支える「終の棲家」の1つとして数を増やし続けているサ高住。制度が始まって数年が経ち見えてきた課題と今後の展望には、どんなものがあるのでしょうか?
■適切な開設の推進
右肩上がりで戸数を伸ばしているものの、その設置状況は最適とは言えません。特定の地域に集中して開設が進んだことにより、高齢者人口(需要)に対して供給が多い地域と少ない地域のバラツキが発生しています。また、土地の安さから郊外での開設が進み、公共交通機関や医療機関へのアクセスが悪いサ高住も存在しています。これらの対策として、今後は設置条件の見直しなどをおこない、立地の最適化が求められるでしょう。
■サービスの質の向上
併設した事業所から訪問介護やデイサービスを提供するサ高住が多い反面、そのサービスの質が問題となっています。人手不足から介護が必要な入居者への支援が足りていなかったり、反対に過剰な介護サービスを契約させていたりするなど、監督が行き届いていない事業所が存在します。
今後は入居者の高齢化に伴う要介護度の重度化が予想されているため、より質の高いサービスを必要な入居者へ届けられる体制構築が必要です。
■参考文献
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/track-record/assets/pdf/management-report.pdf
※2:社保審−介護給付費分科会 第102回(H26.6.11) 資料2 高齢者向け住まいについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000048000.pdf
※3: サービス付き高齢者向け住宅登録状況(一般社団法人高齢者住宅協会)
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_01.pdf
※4:サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析(一般社団法人高齢者住宅協会)
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_02.pdf
※5:『高齢者住まい 種類と選び方 高齢者住まいアドバイザー検定公式テキスト』一般社団法人高齢者住まいアドバイザー協会