【転職者インタビューvol.10】生活支援員5年目28歳/転職1回(アパレル→生活支援員)

「なるほど!ジョブメドレー」は新しく、医療福祉業界で働く方の生い立ちから現在までを掘り下げるロングインタビュー企画をはじめました。第10回目の取材に協力してくれたのは、東京都の福祉サービス施設で生活支援員として働くRさん(28歳)です。アパレル企業から介護業界への転職ははたしてうまくいったのか。職場環境やリアルなお給料の話を聞いて、最後に求職者へのアドバイスをもらいました。

「なるジョブ」転職者インタビューvol.11


1.今日の転職経験者はこんな人

生活支援員・28歳の人生年表

ー簡単に職歴を教えてください。

大学を卒業後、1年くらいは契約社員としてアパレルの仕事をしていました。そのあと転職して、現在の職場で生活支援員として働いています。


ー出身はどちらですか?

東京都の練馬区です。けっこう治安が悪いエリアで育ちました(笑)。


ーいまはおいくつですか?

28歳です。


ー自分はどんな性格だと思いますか?

THE・B型です。よくB型は「自己中」「マイペース」と言われますが、自分でもそう思います。周りの知人からもそう言われますね。

2. Rさん(生活支援員・28歳)の生い立ち

2-1. 幼少期〜小学校時代


ーマイペースなのは小さい頃から?

親からはどちらかというと「ヤンチャで落ち着きのない子だった」と聞いています。


Rさん(生活支援員・28歳)の幼少期

生まれたてで沐浴中のRさん。さすがにこの頃はまだ落ち着いている


ーその頃の思い出はありますか?

ぼくが通っていた幼稚園ではアヒルを飼っていたんですけど、そのアヒルがけっこうな暴れん坊で、ちょっかいを出すたびに噛まれて泣いていました。まあぼくが悪いんですけど、助けに来た先生や親も噛まれてました(笑)。


ーアヒルって優雅なイメージだったけど凶暴なんですね。小学校はどうでしたか?

特筆するようなことのない小学生でしたね。2年生から少年野球をやっていたくらいで、あとは流行りのオモチャで遊んだり、外で遊んだりしていた普通の男の子だったと思います。


2-2. 中学校〜高校時代

ー中学でも野球は続けてたんですか?

続けてました。野球が強い都立の中学へ進学したんですけど、中2からは幽霊部員のようになっちゃいました。


上の代の先輩たちが抜けたらチーム自体が弱くなってしまって、そうすると野球に対する熱もなくなってきて、急につまらなく感じてしまったんです。こういうところもB型っぽいかもしれませんね(笑)。


ー幽霊部員になってからは何をしていたんですか?

何をするでもなく、友達と集まってグダグダしてましたね。あとは他の中学校にカチコミに行ったり。


ーカチコミ?(ってなんだろう)

仲の良い後輩と他校のヤンキーの間でいざこざがあったんです。僕らはヤンキーでもなんでもなかったんですけど、「お前らの先輩呼べよ」と言われたらしく……。


それで呼び出されてみると、ヤンキー校のOBやら何やらが勢揃いしていて、「お前らそこに並べよ」「え?なんで?」「いいから並べ!ボコッ!バキッ……!」みたいな(笑)。


ー完全に漫画の世界ですね。高校には普通に進学したんですか?

地元の高校に行きました。高校ではブレイクダンスを始めて、すっかりダンスにハマってしまいましたね。


苦い思い出としては、ダンス同好会に入部してすぐに『新入部員で誰が一番上手いか決めようぜ』って先輩たちが言い出して、新人同士のダンスバトルをすることになりました。


入部してすぐの初心者同士だったので、当然グダグダで一般生徒の好奇の目にさらされて、本当に地獄の時間を味わいました。


ーダンス部ってモテそうですけど、実際どうでした?

高2のときに初めての彼女ができました。その子とは大学2年生くらいまで付き合ってましたね。


2-3. 大学時代

ー大学はどのように選びましたか?

当時の彼女に「こんな大学があるよ」と教えてもらって、軽い気持ちでオープンキャンパスへ行きました。


親が社会福祉士だったので、なんとなく「社会福祉学科でも見てみるか」と。


それでいざ行ってみると、オープンキャンパスに来ている受験生が5人くらいしかいませんでした。


その大学はオープンキャンパスに行かないと推薦入試が受けられないシステムだったので、「これ受験したら簡単に受かるんじゃね?」という、これまた軽い気持ちで推薦入試を受験して、そのまま社会福祉学科に入学しました(笑)。


ー大学生活はどうでした?

めっちゃ楽しかったです。バイトしたり、ダンスしたり、友達の家に入り浸ったり、勉強はほとんどしてませんでした(笑)。いまの彼女と出会ったのも大学時代です。


ー大学卒業後、アパレル業界に行ったんですね。

もともと服が好きだったので、そっち方面の仕事に興味があって、ゆくゆくは自分のお店を持ってみたいなとも思っていました。


ー新卒の頃の給料はいくらくらいでしたか?

給料は手取りで16~17万円くらいでした。業界全体がそういう傾向なんですけど、なかなか少なかったです。


ーアパレル業界で働いて学べたことは何ですか?

なんとなくですけど、経済や市場の仕組みについて学べたことですかね。あとは有名ブランドのデザイナーや空間コーディネーターなど、業界のいろいろな人に会うことができて、普通に生活していたら知ることのできない世界を見ることができました。

3. アパレルから介護業界へ

ーそこから介護業界へ転身したのはなぜ?

やっぱり生活を考えると、服の仕事一本でやっていくのは大変だと思いました。


実際に働いてみて、華やかなだけではない「重労働」な側面を見たり、時代の流れで、従業員が店頭に立って販売するスタイルは廃れていくんじゃないかと感じたりしました。あとは契約社員として働いていたので、「年齢的にも正職員として働くべきなのかな?」とか。


もともと親の仕事の影響で、福祉業界にも興味はあったので、親の知人つながりで職場を紹介してもらいました。


そこで話を聞いてみたら、大きな法人で福利厚生や休日の管理もしっかりしているし、給料もそこまで低くなかったんです。あとは見学に行ったときに施設が綺麗だったので、とくに抵抗なく現在の職場に入職しました。

4. 生活支援員の職場・1日の仕事内容

ーいまの職場はどのような施設ですか?

成人以上の障がい者を対象とした福祉サービス施設です。利用者さんは「就労支援B型」と「生活介護」のサービスを受けられます。ぼくは生活支援員として、生活介護の業務をしています。


ー1日の仕事の流れを教えてください。

8時半に出勤して、9時半~10時頃にバスに添乗して利用者さんを迎えに行きます。


施設に着いたら、リハビリやレクリエーションなどの活動をおこないます。


12時からは利用者さんの介助を行いつつ一緒に食事をとって、13時30分からは、午前中と同じような活動の時間です。


バスで利用者さんを送るのは15時30分~16時頃なので、日中の支援業務自体は16時までに終わりです。


16時~17時に遅めの休憩時間があって、17時~17時30分に事務処理を終えて終礼という感じですね。


ーそれなら休憩時間カットして16時半に帰りたいですね(笑)。

そうなんですよ! 休憩は法律で義務付けられているので仕方ないんですけど。


ー「活動」ってどんなことをしてるんですか?

散歩したり、映画を観たり、ちょっとした作品をつくったりします。


作品づくりでは「商品として売れるもの」にも力を入れています。たとえば、石鹸にカラフルな模様をつけて綺麗にラッピングして100円!みたいな。


あと作品とは違うんですけど、企業から受託した簡単な内職などをしたり、賃金が発生する作業をメインにやっています。


そうすることで、利用者さんにも社会の一員として役割を担っているということを実感してもらえます。


ー作品づくりや内職で得たお金はどのように使われるんですか?

施設の消耗品を買ったり、保護者会費に充てられたりすると聞いています。あとは年2回・500円ずつ利用者さんに還元しています。


ー施設の利用者さんの年齢層はどれくらいですか?

下は18歳から上は65歳までの利用者さんがいます。

5. ザックリ給与明細書

生活支援員5年目の給与明細書

ー入職したときの給料はいくらでしたか?

入ったばかりのころは額面で23万円くらいだったかな。5年目のいまは額面で27万円くらいですね。


ー賞与はありますか?

賞与は年2回・計4.3ヶ月分です。けっこう出してくれるんです!


ー住宅手当は職員全員がもらえるんですか?

実家に住んでいない人は8,000円。結婚して扶養家族がいる人は10,000円です。


ー残業は月にどれくらい?

基本的に「残業は月4時間まで」と決まっています。ただ、どうしても仕事があるときは残業してもOKという感じです。


この明細書の月には「宿泊訓練」という行事があって、施設外の宿泊があったのでプラスの残業代と夜勤手当が含まれています。


ー年間休日日数は?

年間休日日数は120日くらいです。


ーけっこうホワイトな職場ですよね。

そうですね。最近変わってきた部分もあって、以前はサービス残業をしている人もいたんですけど、いまはもう「帰ってください」と注意されるようになりました。


ー不満な点はありますか?

もう少し給料がよければなと。

6. 介護業界を目指す人へのアドバイス

ー転職活動で「もっとこうしておけば」みたいな点はありますか?

紹介されたところに入職したので、インターネットを使っていろいろな職種や会社を見ればよかったなと思っています。


ー介護業界へ転職を考えてる人にアドバイスはありますか? 取ったほうがいい資格とか。

ぼくも資格を持っていないんですけど、無資格でもとくに問題ないかなと。もちろんあれば役に立ちますけど。


あとは個人的な所感なんですけど、高齢者施設よりは障がい者施設のほうが肉体的にも精神的にも余裕があるような気がします。


障がいの度合にもよりますけど、障がい者の方々はわりとしっかりしているので。


高齢者介護では身体介助で腰を壊すことがあると聞きますけど、障がい者施設でそういうことはあまりないです。


あとは若者から高齢者まで、いろいろな世代の利用者さんがいるので、コミュニケーションのストレスが少ないんじゃないかなと。これは完全に個人的な意見ですけど(笑)。


ーいまの職場で転職しようと思ったことは?

ありますね。排せつ介助をしているときに、ふと「つらいな……」と感じてしまうことがあって。


いますぐに転職しようとは思っていないんですけど、やっぱりもう一度服飾関係でがんばってみようかとか、今後については絶賛悩み中です。


ーなるほど。ありがとうございました。

7.(番外編)生活・お金・恋愛の話

ーここからプライベートの話を聞いていきます。休日は何してます?

同棲している彼女と出掛けたり、友達と遊んだり、ジムに行ったり、ダンスをしたり、釣りをしたり。


ー多趣味ですね。

飽き性なんですけどね(笑)。


ー彼女とは付き合ってどれくらい?

7年です。


ーわりと長いですね。付き合った理由は?

ちょこちょこと後をついてくる感じの性格が可愛かったからですね。


ー同棲して良かった点と悪かった点を教えてください。

悪い点は洗濯物が多くなる点。あと、ぼくは料理ができないので、彼女が帰ってくるまでご飯が食べられない点(笑)。


ーそこはお惣菜でも買いましょうよ(笑)。

それはお金がもったいないので。


ー家事は分担制ですか?

料理は彼女でそれ以外はぼくです。


ー同棲して良かった点は?

……。


ーないんですか?

会話ができるところ? 家に帰ったときに誰かがいるのはうれしいですね。あとは「帰りにこれ買ってきて」と頼みごとができる点(笑)。


ー彼女に直してほしいところは?

話の内容にまとまりがないところですね。あとはテレビに向かって独り言をブツブツ言うことが多いところかな?


ー月の支出の内訳を教えてください。

個人的な支出以外は、基本的に折半にしてます。


生活支援員・28歳の支出内訳

ー何かしらの節約はしていますか?

基本的にあまりお金を使わないようにしています。服が好きなんですけど、増えすぎないように気をつけたり、着なくなったものはすぐに売ったり。


ーお金にまつわる失敗談はありますか?

高校のときに先輩から「お前ら10万円集めて」と言われて、友達から借金してお金を渡していたことですね。そういうことが何度かありました。


ー治安が悪い(笑)。スマホのホーム画面を見せてください。

こんな感じです。


生活支援員・28歳のスマホ画面

ー整理されてるけど、通知たまりすぎじゃないですか?

1,400件溜まってるのはメールですね。もう怖くて開けないです。


ーよく使うアプリを3つ教えてください。

1位は「YouTube」、2位は「LINE」、3位は「メルカリ」です。あとはゲームをちょこちょこと。家ではひたすらYouTubeを視てます。


ーYouTuberになりたいと思ったことは?

さすがにそれはないです(笑)。


ー将来はどんな男性になりたいですか?

家庭を大切にできるようになりたいです。ちゃんと家に帰って子どもと遊んだり。共働きを希望していて、世帯年収で1,000万円はほしいです。


ー異性のタイプは?

目が猫目というか、アーモンドみたいな形の人。芸能人でいうと、桐谷美玲とぱるる。


ー彼女に秘密にしていることは?

最近ダーツにハマっていて、彼女には「1回1,500円くらいだよ」と言っているんですけど、本当は2,000~3,000円かかるときもあります。


ー小さい秘密でよかった(笑)。ちなみに結婚は考えてますか?

そうですね。個人的には30歳くらいでしたいと思っています。


ー今日はありがとうございました。

読者の方へのメッセージ

アパレル業界からのチャレンジ

アパレル業界から介護業界へと転身したRさん。無資格・未経験からでも十分に活躍することができるのも介護業界の強みです。まったくの異業種から生活支援員として活躍するRさんのお話は、未経験から介護業界へ飛び込もうとしている方にとって、とても参考になるのではないでしょうか。

深沢 元貴 (ジョブメドレー 編集) 2019/04/24

プロフィール

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