1.生活支援員の役割(仕事内容)とは
2.生活支援員が活躍する場とは
2-1.グループホーム(共同生活援助)
2-2.就労継続支援(A型・B型)
2-3.就労移行支援
3. 生活支援員が一緒に働く人たちとは
3-1.サービス管理責任者
3-2.世話人
3-2-1.世話人と生活支援員の違い
3-3.職業指導員
3-4.就労支援員
3-4-1.職業指導員・就労支援員との違い
4.家庭生活支援員や地域生活支援員との違いとは
4-1.家庭生活支援員との違い
4-2.地域生活支援員との違い
5.生活支援員になるには
5-1.必要な要件とは
5-2.持っていると歓迎される資格
6.生活支援員の給与
7.まとめ
1.生活支援員の役割(仕事内容)とは
生活支援員は、障がいを持った方の入浴や排せつ、食事の介護等の生活サポートを担う職種です。また就労移行支援や就労継続支援A・B型の事業所では、健康管理の指導なども含まれます。
2.生活支援員が活躍する場とは
障がいを持った方を対象にした仕事である生活支援員ですが、どんな職場で活躍できるのでしょうか?ここでは人員配置基準に生活支援員が含まれている職場をご紹介します。
2-1.グループホーム(共同生活援助)
グループホームは障がいを持った方々が共同生活を送る事業所です。生活支援員は、事業所のスタッフが日常生活の支援や介護をおこなう「介護サービス包括型」、共同生活ではなく単身での生活がしたいというニーズに応えた「サテライト型住居」の2つのグループホームで、介護サービスを提供しています。なお、グループホームにはもうひとつ、「外部サービス利用型」がありますが、介護サービスを外部の事業所に委託しているため、生活支援員は人員配置の中には含まれていません。
2-2.就労継続支援(A型・B型)事業所
障がい者総合支援法に定められた障がい福祉サービスである就労継続支援(A型・B型)事業所は、就労を希望する障がいを持った方をサポートするための事業所です。就労や生産活動の機会の提供、就労訓練等の支援に取り組んでいます。生活支援員はこの中で、事業所を利用される方の健康管理の指導業務や生活上での相談業務、サービス管理責任者の補助的な業務を担っています。
2-3.就労移行支援事業所
就労継続支援(A型・B型)事業所と同じく、障がい者総合支援法に定められた障がい福祉サービスとして、障がいを持った方の就労を支援している就労移行支援事業所。就労継続支援(A型・B型)事業所との違いは、求職活動の支援や障がいを持った方一人ひとりの適性に応じた職場の開拓、就職後の職場定着のサポートなどもおこなっている点です。生活支援員の業務内容は就労継続支援(A型・B型)事業所と同様、事業所を利用される方の健康管理の指導業務や生活上での相談業務、サービス管理責任者の補助となっています。
3.一緒に働く人たちとは
障がいを持った方を支援する事業所には生活支援員のほかにもさまざまな職種があります。ここでは事業所ごとにどのような職種の方々が勤務しているのかをご紹介します。
■事業所ごとの配置されている職種(○は配置されている職種、×は配置されていない職種)
サービス管理責任者 | 世話人 | 職業指導員 | 就労支援員 | |
---|---|---|---|---|
グループホーム(共同生活援助) | ○ | ○ | × | × |
就労継続支援(A型・B型)事業所 | ○ | × | ○ | × |
就労移行支援事業所 | ○ | × | ○ | ○ |
3-1.サービス管理責任者
サービス管理責任者は、障がいを持った方を支援する事業所には欠かすことのできない職種です。業務内容は個別支援計画の作成やサービス全体の管理で、この仕事に就くためには実務経験を満たし、必要な研修を受ける必要があります。
3-2.世話人
ここでいう世話人とは、障がい者総合支援法に定められているグループホームの人員配置基準に指定された職種を指します。世話人は入居される方の家事支援や日常生活の相談業務を担っており、介護サービス包括型・外部サービス利用型・サテライト型住居の3つ全てに配置されています。
3-2-1.世話人と生活支援員の違い
主な違いは仕事内容です。世話人は家事支援や日常生活の相談業務がメイン、生活支援員は入浴介助をはじめとした介護が主な業務となります。
3-3.職業指導員
事業所を利用している方の生産活動のサポートがメインの職種で、無資格・未経験の方も就業できます。就労移行支援事業所や就労継続支援(A型・B型)事業所が職場となっています。
3-4.就労支援員
就労移行支援にて利用される方の適性にあった職場探しや生産活動のサポートのほか、利用者が就職後に職場に定着できるよう支援していく職種です。就労移行支援事業所で勤務しています。
3-4-1.職業指導員・就労支援員との違い
職業指導員や就労支援員との違いも仕事内容にあります。職業指導員や就労支援員は利用される方の生産活動のサポートをメインとしており、生活面をサポートする生活支援員とは役割が異なります。
4.家庭生活支援員や地域生活支援員との違いとは
生活支援員と似た名前の、家庭生活支援員・地域生活支援員という職種がありますが、これらと生活支援員にはどんな違いがあるのでしょうか?ここではその2つの職種と生活支援員との役割の違いについてご説明します。
4-1.家庭生活支援員との違い
家庭生活支援員は「ひとり親家庭等日常生活支援事業」における、乳幼児の保育や児童の生活指導を担う職種です。そのため、障がいを持った方の生活をサポートしている生活支援員とは役割が大きく異なります。
4-2.地域生活支援員との違い
地域生活支援員は、障がいを持った方の重度化や高齢化などを見据えて、国が進めている地域生活支援拠点等の整備の中で生まれた職種です。障がいを持った方の相談や助言、市内の障がい福祉サービス事業所や医療機関、公的機関との連携のほか、必要な場合は見守りや付添いといった日常生活支援、簡単な直接処遇もおこなっています。そのため、生活支援員とは仕事内容が異なっています。
5.生活支援員になるには
5-1.必要な要件とは
生活支援員になるために必要な資格や免許、実務経験は一切ありません。未経験歓迎の求人も多いので、福祉業界で仕事を始めたいという方は、まずは生活支援員という職種からお仕事を探してみてください。
5-2.持っていると歓迎される資格
ジョブメドレーに掲載されている生活支援員の正職員・パート求人1万4,668求人(2024年12月26日時点)にある歓迎要件を調べてみると下記のような資格・免許が記載されていました。
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護職員実務者研修(旧ヘルパー1級/基礎研修)
・介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
・普通自動車運転免許
上記のほかに、何かしらの福祉の資格を持っている方や、他の福祉事業所での実務経験がある方も歓迎される傾向にあるので、就職・転職を有利に進めたい方は、上記の資格取得を目指してみるのもいいかもしれません。
6.生活支援員の給与
ジョブメドレーに掲載されている求人から生活支援員の賃金相場を算出しました(2024年12月時点)。なお、残業手当など月によって支給額が変動する手当は集計対象外のため、実際に支払われる賃金はこれより多くなる可能性があります。
下限平均 |
上限平均 |
総平均 |
|
---|---|---|---|
パート・アルバイトの時給 |
1,161円 |
1,384円 |
1,272円 |
正職員の月給 |
22万988円 |
28万4,945円 |
25万2,966円 |
正職員の年収* |
309万3,832円 |
398万9,230円 |
354万1,524円 |
7.まとめ
障がいを持った方の生活を支える生活支援員についてご紹介しました。現在ジョブメドレーに掲載されている生活支援員の求人には、未経験・無資格の方を歓迎する求人も多数ありますので、福祉の仕事を始めてみたいという方は、ぜひご覧になってみてくださいね!
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