障害者グループホーム(共同生活援助)とは? 職員の仕事内容・給料、現状と課題を解説!

障がいを持つ人たちが少人数で共同生活を送るグループホームについて。障がいの程度や支援内容によって異なる3種類のグループホームの特徴、職員の仕事内容、給料は? 入居者の満足度や今後の課題も併せて解説します。

障害者グループホーム(共同生活援助)とは? 職員の仕事内容・給料、現状と課題を解説!

1. 障害者グループホーム(共同生活援助)とは

障がいを持つ人たちが共同生活を送る住まい

障害者グループホームとは、障がいを持つ人たちが生活上必要な支援を受けながら、少人数で共同生活を送る住まいです。障害者総合支援法によって定められており、正式名称を「共同生活援助」と言います。

「一人暮らしをしたいが単身での生活に不安がある」「介護が必要だが施設ではなく家庭的な雰囲気のなかで暮らしたい」という人が主な対象で、2〜10名程度で共同生活を送ります。日常生活上の家事や介護などは世話人や生活支援員と呼ばれるグループホームの職員がおこないます。

グループホームにはアパートや一軒家などの一般的な住まいが使われており、主に社会福祉法人、民間企業、NPO法人などによって運営されています。

障害者グループホームを利用できる人

  • 障害者総合支援法が定める障がい者に該当する人(身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病など)
  • 障害支援区分*の制限:なし(施設により異なる)
  • 原則18歳以上*

*障害支援区分…障がいの特性や心身の状態に応じて必要とされる支援の度合いを示した区分。区分1〜6まであり、数字が大きいほど必要とされる支援の度合いが高い

*利用者の年齢について…15歳以上でも必要性が認められた場合には利用可能。また身体障害者の場合は65歳未満、もしくは65歳になるまでの間に障害福祉サービスを利用していた人に限る

障害者グループホームの事業所数・利用者数

障害者グループホームの事業所数、利用者数はどちらも右肩上がりに増え続けています。

障害者グループホームの事業所数・利用者数の推移
参照:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)」より事業所数利用者数

利用者の内訳を見ると、近年では障害支援区分4〜6の重度の人の割合が増加傾向にあります。

障害支援区分別の利用者割合の推移
参照:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)

2.障害者グループホームの種類

障害者グループホームは提供するサービス内容に応じて「介護サービス包括型」「外部サービス利用型」「日中サービス支援型」の3つに大別されます。

 

介護サービス包括型

外部サービス利用型

日中サービス支援型

介護サービスの提供

夜間・休日

(施設内で提供)

夜間・休日

(外部委託)

常時

(施設内で提供)

障がいの程度

中程度の人が多い

軽度の人が多い

重度の人が多い

事業所数*

8,670

1,301

348

*2021年4月時点の事業所数(出典:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)」)

介護サービス包括型

介護サービス包括型のグループホームでは、職員が調理・洗濯・掃除などの家事に加え、食事・入浴・排泄などの介助もおこないます。グループホームの中で最も事業所数が多いタイプです。

入居者は中程度の知的障害を持つ人が中心です。平日の日中は就労継続支援事業所などに通うため、主に夜間や休日にグループホームで過ごします。

外部サービス利用型

外部サービス利用型のグループホームでは、調理・洗濯・掃除などの家事や日常生活上の相談などはグループホームの職員が対応しますが、食事・入浴・排泄などの介護は外部の介護事業所に委託しておこなわれます。

入居者は軽度の精神障害を持つ人が中心です。介護サービス包括型と同様、平日の日中は外で過ごし、夜間や休日はグループホームで過ごします。

日中サービス支援型

2018年に新設された形態で、平日の日中も支援を必要とする障がい者向けのグループホームです。日中・夜間を含めて常時職員から介護や生活援助を受けることができます

入居者は重度の知的障害を持つ人が中心です。

tips|グループホームの支援を受けながら一人暮らしができる「サテライト型住居」

「グループホームを出て一人暮らしを始めたいが、いきなりだと少し心配」という方向けに、原則2年間グループホームの近くで一人暮らしができる「サテライト型住居」という選択肢もあります。

サテライト型住居は、本体住居であるグループホームから移動時間20分圏内の距離にアパートやマンションなどの一室を借りて生活します。グループホームの職員から生活に必要な介護や生活援助を受けることができ、食事や余暇時間などにもグループホームを利用できます。

3.障害者グループホームで働く

障害者グループホームの人員基準

障害者グループホームは、施設の種類に応じて人員配置基準が次のとおり定められています。

 

介護サービス包括型

外部サービス利用型

日中サービス支援型

管理者

1人(常勤)

サービス管理責任者

入居者30人あたり1人以上

世話人

入居者6人あたり1人以上

入居者5人あたり1人以上

生活支援員

障害支援区分に応じた必要数

なし(外部委託)

障害支援区分に応じた必要数

夜間支援

なし

1名以上

日中支援

なし

1名以上

出典:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)

サービス管理責任者の要件・仕事内容・給料

グループホームでの支援方針となる「共同生活援助計画」を作成し、サービスが適切に提供されるようマネジメントするのがサービス管理責任者の主な役割です。なお、世話人・生活支援員のいずれかと兼務することも可能です。

〈必要な資格〉

所定の実務経験と研修の修了(自治体により異なる)

〈仕事内容〉

入居相談・見学対応/共同生活援助計画の作成・更新/個別⽀援計画策定会議の実施/入居者の生活相談・日常生活のトレーニング/職員の教育・指導/関係各所との連絡調整/施設全体の運営マネジメント など

〈働き方〉

シフト制による日勤が多い

〈平均給与〉

正職員(月収):33万995円

パート・アルバイト(時給):2,024円

*出典:2022年4月時点でジョブメドレーに掲載している求人より算出。毎月決まって支払われる給与以外の各種手当や残業代などは含まない

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世話人の要件・仕事内容・給料

身体介護以外の身の回りの世話を中心に担当します。入居者が安心して日々の生活を送れるよう、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築くことも大切な役割の一つです。

〈必要な資格〉

とくになし

*普通自動車運転免許を必須要件、介護職員初任者研修の修了を歓迎要件とするところもある

〈仕事内容〉

食事の用意・清掃・洗濯・整理整頓などの家事全般/買い物や病院への同行/日誌などの記録作成/入居者の相談対応 など

〈働き方〉

シフト制。施設によって夜勤あり

〈平均給与〉

正職員(月収):22万6,222円

パート・アルバイト(時給):1,094円

*出典:2022年4月時点でジョブメドレーに掲載している求人より算出。毎月決まって支払われる給与以外の各種手当や残業代などは含まない

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生活支援員の要件・仕事内容・給料

障がいの程度に応じて支援が必要な人の身体介護を中心におこないます。世話人と同じく入居者と接する時間が長いため、ホームの一員として関係性を築くことが重要になります。

〈必要な資格〉

とくになし

*普通自動車運転免許、介護職員初任者研修の修了を必須要件とするところもある

〈仕事内容〉

食事・入浴・排泄・更衣・移動・移乗などの直接介助/買い物や病院への同行/日誌などの記録作成/入居者の相談対応 など

〈働き方〉

シフト制による夜勤が含まれることが多い

〈平均給与〉

正職員(月収):24万4,625円

パート・アルバイト(時給):1,107円

*出典:2022年4月時点でジョブメドレーに掲載している求人より算出。毎月決まって支払われる給与以外の各種手当や残業代などは含まない

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なお、世話人と生活支援員の違いは身体介護があるかないかなので、兼任しているケースもあります。仕事を探す際には業務内容をよく確認するようにしましょう。

4.障害者グループホームの現状と今後

最後に、昨今のグループホームの利用状況と今後の改善が望まれる課題について紹介します。

入居者の約7割が生活に満足

2021年に厚生労働省がおこなった調査によると、グループホームでの生活に「満足している」「まあまあ満足している」と答えた入居者の割合は約7割、対して「あまり満足していない」「満足していない」は約1割という結果が出ました。

入居者の約7割が生活に満足
出典:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)

グループホームでの生活で良いと思う点は「具合が悪くなったときや病気になったときに助けてもらえる」「困ったときに相談がしやすい」「グループホームの仲間がいるのでさみしくない」が上位3つの理由に挙げられました。この調査がすべてのグループホームに当てはまるわけではありませんが、比較的多くの入居者が満足して生活できる環境にあるということがわかりました。

反対に、グループホームの生活で嫌だと思うことで多かったのは「周りの人がうるさいときがある」「特にない」「自由に外出ができない」でした。

地域での自立生活を後押しする支援が必要

今後の課題としては、グループホームを退居して一人暮らし、または家族やパートナーなどと一緒に暮らそうと考えている人への支援の充実が挙げられます。同調査によると「将来一人暮らしや親しい人との同居を考えている人」は一定数いるものの、実際にグループホームを出て生活することは困難だと考えられる割合が約7割にも上りました。

「一人暮らし等の実現が難しい」が約7割
出典:厚生労働省「障害者の居住支援について (共同生活援助について)

グループホームを出たあとも希望する生活が送れるように、自立生活援助や地域定着支援などの障害福祉サービスとも連携した支援体制の構築が求められています。

増加中の重度障がい者への支援強化

また近年では重度障がい者の長寿化やケアを担ってきた親の高齢化に伴い、それに対応できる受け入れ体制の整備が進められています。2018年には重度障がい者向けの日中サービス支援型のグループホームが新設され、2021年には重度障害者支援加算が拡充されました。今後も伸展する障がいの重度化・高齢化に向けた支援強化の検討が進められそうです。

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参考

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