潜在化傾向の医療福祉系。では代替医療系は?
医療や福祉関係の業界では、資格を持っていても従事していない「潜在化」の割合が高いといわれています。離職中の資格保持者は、看護師が70万人、保育士が60万人にものぼっています。
では、代替医療の資格保持者の潜在化率はどのくらいなのでしょうか。代替医療とは、身体の不調を患者の全体からとらえ、自然治癒力を高めることなどを目的とした医療のこと。その職種にはさまざまなものがあります。ここでは国家資格を必要とするはり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師について見ていきましょう。
注目したいのは柔道整復師の就業率!
代替医療の国家資格は専門の教育機関で学んだ後、国家試験に合格して初めて取得できます。資格を取得するまでが容易ではないため、大半の方が資格を活かして働いているように思われがちです。ところが、話はそう単純ではないようです。
平成26年の厚生省のデータを見てみました。はり師の資格保持者は163,433名で、従事者数は108,537名です。資格保持者のうち34%は離職中という結果です。きゅう師は162,181名の資格保有者のうち従事者は106,642名。35%が離職中です。あんまマッサージ指圧師の資格保持者は188,685名で、従事者数は113,215名。離職中の人の割合は40%となります。一方、柔道整復師の資格保有者数は66,489名で、従事者は63,873名。離職中の人は、なんと4%しかいません。柔道整復師の資格保持者は、はり師や灸師、あんまマッサージ指圧師と比較すると、資格を活かして仕事に就いているという結果です。
狙い目の資格?柔道整復師の高い人気ぶり
従事者数の推移を見てみると、平成26年度の増加率は、はり師ときゅう師が7.6%、あん摩マッサージ指圧師は3.6%。これに対して、柔道整復師は9.0%となっていて、もっとも高い増加率です。実は国家試験の受験者数の伸び率も高く、このところ開業数の勢いも柔道整復師が高いのです。
一般的に、医療や福祉関係の職種では、資格保持者の潜在化が話題にのぼりますが、代替医療系の資格活用についてはさほど話題にはなっていません。ですが改めて確認してみると、興味深い結果となりました。柔道整復師の人気ぶり、代替医療系の資格取得を考えている人は考慮しておきたいポイントですね。
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