目次
1.認可外保育園(保育所)とは
児童福祉法に基づく認可を受けていない保育施設
保育所の主な種類 | |
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認可保育所等 | 認可保育所 |
地域型保育事業 ・家庭的保育 ・小規模保育事業 ・事業所内保育事業 ・居宅訪問型保育事業 | |
幼保連携型認定こども園 | |
認可外保育所 | 院内保育所 |
企業主導型保育園 | |
事業所内保育施設 | |
居宅訪問型保育(ベビーシッター) | |
幼稚園類似施設 |
保育園には、児童福祉法に基づいて国が定めた設置基準を満たした認可保育園と、認定を受けていない認可外保育園があります。認可保育園、認定保育園、認定こども園、地域型保育事業以外の保育をおこなう施設の総称を認可外保育園といいます。院内保育園や居宅訪問型保育(ベビーシッター)、ベビーホテルなどが該当し、無認可保育とも呼ばれています。
認可保育園との違い
認可保育園と認可外保育園の主な違いには、事業目的、設置・運営基準、申し込み方法、保育料などがあります。
認可保育園 | 認可外保育園 | |
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目的 | 日々、保育を必要とする児童を保育 | 日々、保護者の委託を受けて児童を保育 |
施設基準 | 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(厚生労働省令) | 認可外保育施設指導監督基準(厚生労働省通知) |
面積基準 | 乳児室の面積:1.65㎡/人 ほふく室の面積:3.3㎡/人 |
1.65㎡以上/人 |
保育士の配置基準* | 乳児3人:1人以上 満1〜2歳児6人:1人以上 満3歳児15人:1人以上 満4歳以上の幼児25人:1人以上 |
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保育従事者 | すべて保育士 ※0〜2歳児を4名以上受け入れる場合、保健師・看護師・准看護師を1人に限り保育士としてカウントできる |
保育従事者の3分の1以上は保育士または看護師 |
申し込み | 保育園がある自治体に申し込む | 施設に直接申し込む |
保育料 | 保護者の収入や子どもの年齢に応じて自治体ごとに定められ、徴収される | 施設に納付する |
*保育士の配置基準は、2024年度から満3歳児がこれまでの20:1から15:1へ、満4歳以上は30:1から25:1へと見直されることになった。現場の混乱を避けるため、当分の間は経過措置期間が設けられる予定
無償化の対象となる条件
認可保育園の場合、満3歳から3年間子どもの保育料は無償となっています。一方、認可外保育園は、都道府県に届出をおこない国が定める「認可外保育施設指導監督基準」を満たした場合、無償化の対象となります。2024年9月末までは経過措置として基準を満たしていない施設でも、都道府県に届出をしていれば無償化の対象となり、最大以下の金額が無償となります。
0〜2歳の住民税非課税世帯:月額4.2万円までの利用料が無償
3〜5歳:月額3.7万円までの利用料が無償
また、無償で利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 住んでいる自治体の保育課に「保育の必要性の認定」を受ける
- 保育所、認定こども園などが利用できない人
なお、経過措置期間終了後の2024年10月以降、基準を満たす施設は引き続き無償化の対象となり、基準を満たさない施設は無償化の対象外となります。
2.認可外保育園の主な施設
院内保育園
院内保育園は、病院に勤める職員が子育てしながら安心して働けるよう、病院内に設置された保育施設です。受け入れ可能な年齢や利用時間は施設ごとに異なりますが、24時間対応で夜勤時も預けられるなど職員のニーズに沿ったところもあります。
企業主導型保育園
2016年に内閣府が開始した保育事業です。企業が従業員や地域のニーズに合う保育サービスを提供するために、施設の設置と運営をおこないます。施設の整備や運営に認可保育所と同様の助成が受けられます。
事業所内保育施設
従業員が就業中に子どもを預けられるよう、企業(事業所)内や近隣に設置された保育施設です。従業員の子ども以外にも、地域内で保育を必要とする子どもも対象となります。国が定めた基準を満たすことで自治体の認可を受けられますが、現状は認可外の数のほうが多いです。
居宅訪問型保育(ベビーシッター)
乳幼児の自宅で保育をおこなうことで、ベビーシッターとも呼ばれています。保育士や看護師、必要な研修を修了した者がマンツーマンで保育をおこなうのが特徴です。企業やフリーランスなど運営主体はさまざまです。
幼稚園類似施設や幼児教育を特色とした施設など
幼稚園と同様の幼児教育をおこなっていても、児童数や設備の面で国が定めた基準を満たしていない施設のことです。保育時間は幼稚園と同程度のところや、延長保育をおこなうところなどさまざまです。少人数制をとっていたり、英語教育に力を入れたりと独自のカリキュラムがある施設もあります。知育や運動を通して就学前の子どもの教育をおこなう幼児教室も該当します。
ベビーホテル
ベビーホテルとは(1)宿泊を伴う保育(2)20時以降の保育(3)利用児童の半数以上が一時預かり、のいずれかの条件に該当する施設のことです。夜勤がある保護者や、預け先が見つからない一時的な利用ニーズに応えられるのが特徴です。
3.多様なニーズに応える認可外保育

認可外保育園の数は2万263ヶ所(2020年時点)あり、過去10年で約2.6倍に増えています。20万人を下回る年もありますが、待機児童の問題や、保護者の多様な保育ニーズに応えられることなどから、一定の利用者がいます。
認可外保育園はその目的や運営時間、保育内容などが自由に決められるため、独自性を打ち出している施設もあります。就労先として選ぶ際は自身の強みを活かせるか、やりたい保育が実現できるかなどを判断材料に、希望に合う職場を探してみてください。
参考
文部科学省|認可外保育施設指導監督基準