目次
- 1.訪問前から控室までのマナー
- 2.入室時のマナー
- 面接官に案内されて一緒に入る場合
- 面接官の待つ部屋に入る場合
- 面接官があとから入室してくる場合
- バッグやコートの置き場所は?
- 3.面接中のマナー
- (1)背筋を伸ばして座り、背もたれには寄りかからない
- (2)面接官を見て明るくハキハキと話す
- (3)会話のキャッチボールを意識する
- (4)質問の回答は具体的に答える
- (5)嘘をつかない
- 4.退室時から退室後のマナー
- 一人で退出する場合
- 面接官と一緒に退室する場合
- 建物を出たあとしばらくは気を抜かない
- 5.面接でよくある困りごとと対処法
- (1)遅刻しそうな場合は?
- (2)悪天候でも面接に行くべき?
- (3)面接中のマスクはつける? 外す?
- (4)面接中にメモを取るのはOK? NG?
- (5)面接官から名刺を渡されたら?
- (6)お茶(飲み物)を出されたら飲んでもいい?
- (7)面接後にお礼は伝えるべき?
- (8)オンライン面接で気をつけることは?
- 6.マナーは重要。でもそれだけで合否は決まらない
面接では、第一印象や社会人として必要なマナーが身についているかを総合的に判断されます。自己PRや志望動機の良し悪しだけで合否が決まるわけではありません。
とくに、医療・介護・福祉・保育・美容・ヘルスケア業界では、人と接する機会が多いため、話し方や態度、身だしなみといったマナーが重視されます。面接官はこうした要素を通じて「この人に仕事を任せられるか」を判断します。
基本的なマナーを身につけることは面接通過の第一歩です。正しく押さえて、面接官に好印象を残せるよう準備しましょう。
1.訪問前から控室までのマナー
確認するのはこの5つ!
(1)身だしなみの最終確認
(2)スマートフォン・携帯電話の電源を切る
(3)コートは建物に入る前に脱ぐ
(4)面接会場には10分前までに到着し、5分前に受付する
(5)建物に入ったら気を抜かない
(1)身だしなみの最終確認
自宅を出る前、そして面接会場の建物に入る前に身だしなみを確認しましょう。

身だしなみのチェックポイント
【女性】
- 髪型に清潔感があるか
- メイクは濃過ぎないか
- ストッキングは破れていないか
- 爪の長さが適切か
- 結婚指輪以外の不要なアクセサリーは外しているか
- 靴は汚れていないか
- タバコや過度な香水のにおいはしないか
【男性】
- 髪型は寝癖やフケなどがなく整っているか
- ひげの剃り残しはないか
- スーツにフケやホコリは付いていないか
- シャツのボタンが外れていないか
- ネクタイは曲がっていないか
- 靴は汚れていないか
- 爪の長さが適切か
- 結婚指輪以外の不要なアクセサリーは外しているか
- タバコや過度な香水のにおいはしないか
なお、前日までに準備しておきたい持ち物や服装、想定される質問への用意などについては、こちらの記事で解説しています。
>質問回答42例!医療介護福祉の面接対策~自己紹介から逆質問まで網羅~
>【スーツ・私服別】医療介護福祉職の面接にふさわしい服装・髪型・メイク・身だしなみまとめ
(2)スマートフォン・携帯電話の電源を切る

建物に入る前に、スマートフォンや携帯電話などの音の出る電子機器の電源をオフにし、バッグにしまいましょう。電源を切れない場合はサイレントモード(バイブレーションオフ)に設定してください。
(3)コートは建物に入る前に脱ぐ

コートやマフラー、手袋を身につけている場合は建物に入る前に取り外し、マフラーや手袋はバッグの中にしまいましょう。脱いだコートは内側を表にしてコンパクトにまとめ、片方の腕に抱えます。
(4)面接会場には10分前までに到着し、5分前に受付する
面接会場には10〜15分前を目安に到着しましょう。早く着いてしまった場合は会場の近くで時間を調整してください。
受付は約束時間の5分前におこなうのが基本です。受付では次のように面接に来たことを伝えましょう。

受付で伝えること
- 自分の名前
- 訪問の目的
- 訪問する相手の名前
(5)建物に入ったら気を抜かない
面接は会場の建物に入った瞬間から始まっていると思って行動しましょう。面接マナーが完璧でも、受付や控室での立ち居振る舞いが悪いと評価が下がる可能性があります。
受付・控室でのマナー
- 正しい姿勢で座る(背中を丸めたり足を組んだりしない)
- 落ち着いて過ごす(キョロキョロしない、爪をいじらない、貧乏ゆすりをしない)
- スマートフォンは極力操作しない(電源を切りバッグにしまう)
- 職員とすれ違ったら軽くお辞儀をして「こんにちは」と挨拶する
2.入室時のマナー
面接室に入るパターンは「面接官に案内されて一緒に入る」「面接官の待つ部屋に入る」「面接官があとから入室してくる」の3つです。それぞれの場面での適切な対応を紹介します。
面接官に案内されて一緒に入る場合

この場合は、面接官が来た際に挨拶をし、案内に従って入室します。座るのは「どうぞお掛けください」と言われてからですので注意しましょう。
面接官の待つ部屋に入る場合

面接官がいる部屋に入室するときは、相手に聞こえる程度の強さでドアを3回ノックします。ドアが開いている場合はノックは不要です。入室前に「失礼いたします」と声をかけてから入りましょう。
面接官があとから入室してくる場合

入室後、「こちらにお掛けになってお待ちください」と指示されたら、その席に座って待ちます。面接官が入室したら立ち上がって挨拶し、着席を促されたら座りましょう。
バッグやコートの置き場所は?
いすの横にバッグを置きます。コートがある場合はバッグの上に畳んで重ねて置くか、畳んだ状態でいすの背もたれに掛けてください。ただし、コートを広げて背もたれに被せるのはNGです。

3.面接中のマナー
確認するのはこの5つ!
(1)背筋を伸ばして座り、背もたれには寄りかからない
(2)面接官を見て明るくハキハキと話す
(3)会話のキャッチボールを意識する
(4)質問の回答は具体的に答える
(5)嘘をつかない
(1)背筋を伸ばして座り、背もたれには寄りかからない

面接中は開始から終了まで姿勢を意識しましょう。考え込んで腕を組んだり、無意識に脚を組んだりしないよう気をつけてください。
面接中の座り方
- 背筋を伸ばして座り、背もたれには寄りかからない
- 女性の場合は脚が開かないように膝や足は揃えて座る
- 男性の場合は膝と膝の間に握りこぶし一つ分程度開けて座る
- 手は膝の上に自然に置く
(2)面接官を見て明るくハキハキと話す

面接では落ち着いてハキハキと話すことを意識しましょう。緊張すると声が小さくなったり、早口になったりしやすく、落ち着きがない印象を与えてしまいます。普段から声が小さい人は、いつもよりも少し大きな声を意識すると活動的な印象を与えられます。
また、緊張すると視線が泳ぎがちですが、できるだけ面接官の顔を見てアイコンタクトを取りながら話すようにしましょう。目を見ると緊張してしまう場合は、鼻や眉間など目の近くに視線を向けるのも一つの手です。
(3)会話のキャッチボールを意識する
面接はコミュニケーションの場でもあります。質問を受け取って答えを返すように、丁寧な会話のキャッチボールを意識しましょう。
気をつけるポイント
- 面接官が話し終える前に話し始めない
- 質問の意図と関係ないことを話さない
- 聞き取れなかったときは、丁寧に聞き返す
例:「すみません、ご質問をうまく聞き取れなかったのでもう一度お願いできますか?」
また、共感や納得の気持ちを伝えるために、適度にうなずいたり相づちを打つのも効果的です。相づちは「はい」「ええ」「そうですね」など丁寧な言葉を使い、「うん」は避けましょう。
(4)質問の回答は具体的に答える
質問の回答は一言で終わらせず、できるだけ具体的に答えることが大切です。

上のNG例のような回答では話が広がらず、あなたへの理解が深まりません。相手がその質問をとおして知りたいことを考え、履歴書だけではわからない情報を伝えるようにしましょう。
ただし、回答が長すぎたり、だらだらと話し続けたりするのは逆効果です。長くても1分目安に相手の反応を見ながら簡潔に答えましょう。
(5)嘘をつかない
事実と異なることを話すのは絶対に避けましょう。入職してから嘘が発覚し、問題になるケースもあります。
>経歴詐称がバレたらどうなる?詐称の項目や損害賠償について解説
事業所側はあなたの能力や実績をもとに仕事を任せるため、できないことを伝えてしまうと自分が困ることになります。場合によっては、採用取り消しにつながることもあるため、正直な受け答えを心がけましょう。
4.退室時から退室後のマナー
面接を終えて部屋を出るパターンは「一人で退室する」「面接官と一緒に退室する」の2つです。
一人で退出する場合

面接終了時には、自分のために時間を割いてもらったことへのお礼を改めて伝えましょう。立ち上がって荷物を持ち、ドアの前まで移動したら、面接官のほうに向き直り、お礼とお辞儀をしてから退室します。ドアはゆっくり丁寧に閉めましょう。
また、コートやリュックは手に持ち、建物の外に出てから着用します。席を立つ際にいすを動かした場合は、元の位置に戻すことも忘れないようにしましょう。
面接官と一緒に退室する場合

出口まで見送られる場合は、別れ際に姿勢を正し、お辞儀をしながらお礼を伝えます。エレベーターまで見送られる場合は、乗り込んだあともドアが閉まるまでお辞儀を続けるのがマナーです。
建物を出たあとしばらくは気を抜かない
面接官と別れたあと、すぐにネクタイを緩めたり髪を下ろしたりするのは避けましょう。建物の近くには訪問先の関係者がいる可能性があります。
また、スマートフォンやイヤホンなども面接を終えてすぐに操作するのではなく、建物を出てある程度距離を取ってから取り出すようにしましょう。
5.面接でよくある困りごとと対処法
(1)遅刻しそうな場合は?
(2)悪天候でも面接に行くべき?
(3)面接中のマスクはつける? 外す?
(4)面接中にメモを取るのはOK? NG?
(5)面接官から名刺を渡されたら?
(6)お茶(飲み物)を出されたら飲んでもいい?
(7)面接後にお礼は伝えるべき?
(8)オンライン面接で気をつけることは?
(1)遅刻しそうな場合は?
やむを得ず面接の時間に遅れてしまいそうな場合は、すぐに担当者に連絡を入れます。メールでは気がつかない場合があるので、必ず電話で連絡しましょう。
遅刻の連絡で伝えること
- 謝罪
- 遅刻の理由
- 現在の状況
- 到着予定時刻
- 面接可否の確認
遅れて面接を開始するときには、改めて謝罪の言葉と、遅刻したにも関わらず対応してもらえることへのお礼を面接官へ伝えましょう。

(2)悪天候でも面接に行くべき?

大雪や台風などの悪天候の際は、できるだけ早く面接担当者に連絡し、状況を説明しましょう。
日程の延期やオンライン面接への変更が可能か、確認するのが大切です。外出できる場合は、交通機関の遅延や混雑を考慮し、通常よりも早めに出発するようにしましょう。
(3)面接中のマスクはつける? 外す?

かつてはマスクをつけたままの面接はマナー違反とされていましたが、新型コロナウイルスの影響から、感染対策として一般的になりました。
とくに、医療や福祉業界では施設内の感染防止が徹底されており、応募者にもマスク着用が求められるケースがあります。ただし、服装と同じくマスクのデザインにも配慮が必要です。
望ましいマスクの種類
・白・淡いグレー・ベージュなど、無地で落ち着いた色を選ぶ
・派手な柄や装飾があるものは避ける
また、マスクの素材によって感染予防効果が異なります。布やウレタン製ではなく、不織布のマスクを選ぶほうが望ましいでしょう。
(4)面接中にメモを取るのはOK? NG?

面接中はメモを取らないほうがいいとされています。会話への集中が大切なため、メモに気を取られると、会話が途切れたり、面接官を待たせたりしてしまう可能性があります。覚えておきたいことは、面接後に落ち着いて記録しましょう。
ただし、勤務条件や就業規則、選考スケジュール、提出書類など重要な内容については、メモを取っても問題ありません。その際は、「メモを取ってもよろしいでしょうか?」と一言断り、許可を得てから書くようにしましょう。
メモを取るときの注意点
- 面接官から質問されているときはメモを取らない
- 必要なキーワードだけを書く程度に留める
- 自分が回答するためにメモを見て話さない
(5)面接官から名刺を渡されたら?

面接で名刺交換は基本的におこないませんが、場合によっては面接官から名刺を渡されることがあります。
その場合、相手と自分の間に机などを挟まずに受け取れる位置まで移動し、両手で丁寧に名刺を持ち「頂戴いたします」と言って受け取ります。面接中に自分の前に机がある場合は机の上に名刺を置き、面接が終了するまでしまわないようにしましょう。

(6)お茶(飲み物)を出されたら飲んでもいい?

面接前や面接中に、お茶などの飲み物を出してもらうことがあります。訪問者への気遣いとして出されるものなので、まったく口をつけないよりも、適度にいただいたほうが印象が良くなります。
お茶を出されたときのマナー
- お茶を持ってきてくれた方に「ありがとうございます」と一言お礼を伝える(面接中の場合は軽いお辞儀でもOK)
- 飲む前には「いただきます」と一言添える
- 会話の邪魔にならないタイミングで飲む
- 音を立てず静かに飲む
- カップに口紅がついた場合は、面接後にティッシュで拭き取る
また、ペットボトルの飲み物が提供されることもあります。基本的なマナーは変わりませんが、面接終了後に「お持ち帰りください」と言われた場合は、処分の手間をかけないよう、できるだけ持ち帰るのがスマートです。
(7)面接後にお礼は伝えるべき?
現在は手書きのお礼状を送る習慣は少なくなっていますが、「より丁寧な印象を与えたい」「志望度が高いので感謝を伝えたい」という場合は送っても問題ありません。ただし、連絡が遅いと逆効果になるため、面接の翌日までにポストへ投函しましょう。
なおジョブメドレーのメッセージ機能を使ってお礼を伝える方法もあります。お礼のメッセージに続いて応募先からの連絡が早く届くケースもあるため、選考をスムーズに進めたいという場合にもおすすめです。
メッセージの書き方のポイントについては、こちらの記事をご覧ください。
>【例文付き】応募先へメッセージを送るときの3つのポイント
(8)オンライン面接で気をつけることは?
オンラインで面接をおこなう場合でも基本的なマナーは大きく変わりません。ただしオンラインの場合は画面上で見える範囲、つまり顔に注目が集まりやすいため、明るい表情でいることや視線を下げないことがとくに大切です。
オンライン面接の流れや使用ツール、注意点などについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>WEB面接・動画選考とは?
6.マナーは重要。でもそれだけで合否は決まらない
今回ご紹介したマナーは、身だしなみや姿勢、話し方、動作など多岐にわたります。すべてを一から完璧に覚えるのは大変かもしれませんが、これらは社会人として身につけておきたい基本のマナーでもあります。日ごろから意識することで、自然と習慣になっていくでしょう。
また、面接中にマナーを完璧に守れなくても、必要以上に落ち込む必要はありません。面接で最も重視されるのは、あなたの人間性や仕事に必要なスキルです。多少のミスがあっても、それを挽回できるだけの魅力を伝えられれば、結果は変わるかもしれません。
基本的なマナーを押さえつつ、面接本番では自分の強みを積極的にアピールしましょう! 応援しています!