子育てと夜勤。家族のライフサイクルを崩さないためにできること

子育てをする方にとって悩みや苦労が尽きないのが、子育てと仕事の両立。とくに夜勤が多い医療介護福祉業界では、どのようにして子育てを乗り切っているのでしょうか。

子育てと夜勤。家族のライフサイクルを崩さないためにできること

安定した収入、スキルアップなどにつながる夜間勤務

病棟勤務の看護師さんや入居型介護施設で働く介護士さんにとって、夜勤は必ずついて回るもの。ですが、最近では非常勤やパートなどで夜勤を行わない働き方など、働き手のニーズに合わせた就業形態も多くなりました。しかし、夜勤をすれば手当や割増賃金でより高い収入を得ることができますし、日勤とは違う経験を積んでいくこともできます。では、子育て中の家庭では、お子さんのことはどうしているのでしょうか。母親が夜勤であれば、父親にお子さんをみてもらうことが多いですが、残業や育児に不慣れのためきちんとお世話ができないケースもあるようです。また父親も夜勤がある同業者同士などの夫婦の場合は、お互いを頼りにすることができないのが実情です。

「実家、義実家に頼る」時には甘えることも必要

夜勤の日は両親、義両親にお子さんの世話をお願いしている方もたくさんいらっしゃいます。この場合、実家や義実家が近隣にあるということが前提になりますが、お子さんを見ていただくにはとても頼もしい存在です。ここはしっかり甘えてお願いするのもよいでしょう。また、同居してお子さんの世話をお願いできる場合は、夜勤専従常勤という働き方も選択できます。昼夜逆転にはなりますが、昼のうちにお子さんとしっかりスキンシップがとれ、また生活リズムも整うという意見もあります。

徐々に増えつつある施設内保育所

医療介護福祉業界では、子育てと夜勤の両立が難しい方に向けて24時間保育の施設内保育所を設けているところが多くなりました。その数は、厚生労働省(もしくは地方自治体)が助成金を支出するようになってから急速に増え続けています。施設内の保育所のメリットは、何と言っても送り迎えの必要がないこと。さらに保育料も比較的リーズナブルなことが挙げられます。また、高齢者施設に併設された保育所でしたら、日中は入居しているシニアの方との触れ合うイベントもあり、思いやりの心が育つと期待されています。

夜勤免除制度を利用するという方法も

どうしても継続してお子さんの世話を頼むことができない場合は、夜勤免除制度があります。この制度は医療介護福祉業界だけでなく、すべての職種において未就学児童を持つ方の夜勤を制限する制度です。しかし自分から職場に申請をするため、人数に余裕のない職場だとなかなか言い出しにくいケースもあるようです。夜勤をする方としない方の間で公平性に差が出ることを防ぐため、夜勤業務ができるスタッフには夜勤回数に応じて特別手当てを支給する事業所もあります。

大切なのは、お子さんへの配慮

子育てをしながら働きやすいような環境が整いつつある医療福祉業界。 けれど、何よりも大切なことは、お子さんへの負担が少なく、かつ絆を深めることができる子育てができることではないでしょうか。二交代・三交代制の勤務の場合、どうしてもお子さんとのライフサイクルが合わずに接する時間が少なくなってしまうことが懸念されます。子育てと夜勤を両立させるには、思い切って体制の整った病院や介護施設への転職も打開策のひとつです。

読者の方へのメッセージ

敢えてもう一度。「大切なのは、お子さんへの配慮」

本文中に述べられているように、一番最後の「大切なのは、お子さんへの配慮」の項目、ここが一番肝心なポイントです。夜勤したいという希望がある場合は、お子さんに寂しい思いをせずに無理無く働けるような環境整備が必須であるため、自分の希望と実際の状況に相違が無いか、よく下調べが必要ですね。

名原 史織 (看護師・鍼灸師) 2016/07/15

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