目次
1.履歴書の送付状が必要な理由
履歴書を郵送する際に同封するのがマナー
就職・転職活動では、応募先から履歴書を郵便で送るよう指示されることがあります。その際に必要となるのが送付状です。添え状や送り状とも呼ばれ、送り先に「誰が、何を、何部」送ったか示すために必要な書類です。
また、履歴書に限らず書類などを送付する際に、送付状を同封するのはビジネスマナーのため、忘れないようにしましょう。
パソコンか手書きで作成する
近年ではパソコンでの作成が主流となっていますが、履歴書の送付状はパソコンか手書きどちらで作成しても構いません。パソコンスキルをアピールしたい場合はパソコンで作成し、書くのが得意であれば手書きにするなど自分のスキルによって作成方法を選ぶのもよいでしょう。
送付状が不要なケース
書類の郵送時に必要とされる送付状ですが、以下のケースでは不要です。
- 面接などで手渡しする場合
- メールやウェブサイト上で提出する場合
- 応募先から送付状は不要との指示があった場合
2.履歴書の送付状の無料テンプレート
すぐに使える送付状のテンプレートを無料で利用できます。下のリンクをクリックするとWordファイルがダウンロードされますので、活用してみてください。
ダウンロード
3.履歴書の送付状の書き方
履歴書の送付状はパソコン・手書きどちらで作成しても構いませんが、それぞれ書き方が異なります。以下の例を踏まえて、送付状を作成してみてください。
パソコンの場合
(1)日付・宛名・自分の連絡先
書類を投函する日付を右上に記載します。同封する履歴書や職務経歴書も同じ日付にするのがポイントです。また、書類内の日付は和暦か西暦で統一しましょう。
年を書く際のポイントはこちらも参考にしてみてください▽
履歴書に書く年(年号)は西暦と和暦のどっちで書くべき?
宛名は日付から一段下げた左上に記載します。株式会社を(株)などと略さずに正式名称で書きます。採用担当者の氏名がわかっていれば、「◯◯◯◯様」と記載し、わからなければ「採用ご担当者様」または「人事部御中」と書きましょう。
自分の連絡先と氏名は、宛名から一段下げて右寄せで書きます。郵便番号、住所、電話番号、氏名の順に記載し、都道府県名も省略せずに書きましょう。氏名のあとに押印の必要はありません。
(2)表題
何を送付するのかについて件名を記載します。「応募書類の送付につきまして」や「履歴書の送付につきまして」など送付物が何か端的に伝わる内容にしましょう。
(3)前文(頭語・季節の挨拶)
本題に入る前置きとして、前文を入れるのがビジネス文書のマナーです。頭語として「拝啓」と記入し、一字分空けてから時候の挨拶(季節の挨拶)を続けます。さらに、応募先の発展に対するお祝い文を書きましょう。
季節の挨拶は時期によって内容が異なります。以下を参考に、履歴書を送る月に合わせて内容を変えましょう。
時候の挨拶
- 1月…初春の候/新春の候/厳冬の候
- 2月…立春の候/余寒の候/春寒の候
- 3月…早春の候/春暖の候/春雪の候
- 4月…陽春の候/桜花の候/仲春の候
- 5月…新緑の候/薫風の候/立夏の候
- 6月…初夏の候/向暑の候/梅雨の候
- 7月…盛夏の候/大暑の候/猛暑の候
- 8月…晩夏の候/立秋の候/秋暑の候
- 9月…初秋の候/仲秋の候/新秋の候
- 10月…秋晴の候/秋涼の候/秋麗の候
- 11月…向寒の候/深秋の候/晩秋の候
- 12月…寒冷の候/初冬の候/師走の候
(4)応募の経緯・自己PR
挨拶文から改行して、応募に至った経緯を書きます。複数の媒体に求人を掲載している可能性もあるため、応募のきっかけとなった求人媒体名と応募する職種名を忘れずに記載しましょう。
続けて自己PRを記載したい場合は、段落を下げて書きます。あくまで送付を知らせる書類のため長文は禁物ですが、3〜4行(100〜150字程度)でまとめるとほかの応募者との差別化を図ることができます。自己PRの記載は必須ではないため、書かなくてもマイナスに評価されることはありません。
(5)面接への申し込み・結語
応募の経緯・自己PRから段落を下げ、面接を希望する旨を記載します。頭語の「拝啓」で始めた文章は、対となる結語「敬具」で締めくくるのがマナーです。文末に右寄せで書きましょう。
(6)送付書類の種類・通数
同封する書類の種類と通数を記載します。履歴書や戸籍謄本などの書類は「通数」で数えます。複数枚あっても、まとまった単位で数えるため、上の例では履歴書2枚・職務経歴書2枚であってもそれぞれ「1通」と記載します。合計枚数をカッコ内に記載すると、応募先が確認しやすいでしょう。
最後は右寄せで「以上」と書きます。
手書きの場合
(1)前文(頭語・季節の挨拶)
パソコンで作成する場合とは異なり、手書きの場合は縦書きにするのが一般的です。書き始めは「拝啓」を使い、1字分空けて季節の挨拶を記載します。
(2)応募の経緯
前文から改行して、求人を知った媒体、応募する職種に続けて、応募書類を送る旨を記載します。1字下げて書き始めると読みやすいです。
(3)送付書類の種類・通数
同封する書類の種類と通数を記載します。前後に1行ずつ空白行を入れると見やすいです。
(4)自己PR
自己PRを記載したい場合は、1字分下げてから、これまで従事した業務内容や応募意欲を3〜4行程度(100〜150字程度)で記載します。
(5)結びの挨拶・結語
面接を希望する旨を記載します。改行して文末に「敬具」と記載して文章を締めます。
(6)日付・自分の名前・宛名
結語から改行して、書類を投函する日付を記載します。次の行の末尾に自分の名前、最終行の文頭に宛名として応募先の企業名と担当部署名・担当者名を書きます。
4.職種・雇用形態別の自己PR例文
ここからは、職種、雇用形態別に送付状に書く自己PRの例文を紹介します。
看護師の例
一般病院に7年間、その後有料老人ホームに3年間従事してまいりました。訪問業務は初めてですが、これまでの経験と知識を活かして貴所に貢献したいと考え、応募いたします。
医療事務の例
営業補佐として3年間勤めてまいりました。これまで培ったコミュニケーションスキルと事務作業の正確さを貴院の医療事務で活かしたいと考え、応募いたします。
薬剤師の例
私は、調剤薬局にて8年間従事したのち、出産・育児のため3年間現場を離れておりました。子どもの保育園入園が決まったため、復職を希望しております。これまでの経験を地域のかかりつけ薬局である貴社で活かしたく応募いたします。
介護職/ヘルパーの例
これまで特別養護老人ホームに3年間従事し、その間に介護福祉士の資格を取得するなど、常に向上心を持って業務に取り組んでまいりました。実務経験と資格取得で得た知識を活かし、貴施設に貢献したく応募いたします。
契約職員の例
一般病院に8年間従事したのち、出産・育児のため一時離職しておりました。その後、保健師として企業に復職し、15年間勤務してまいりました。このたび、貴園の契約職員看護師として、これまでの経験を活かしたく応募いたします。
パート・アルバイトの例
新卒から歯科診療所で5年間、歯科衛生士業務に従事したのち、一般事務職を2年間経験してまいりました。このたび、歯科衛生士として復職し、貴院に貢献したいと考えております。
5.履歴書の送付状を作成する際の注意点
A4サイズ1枚に収める
パソコンで送付状を作成する場合、A4サイズ1枚にまとめるのが一般的です。手書きの場合は、A4またはB5サイズの便箋を使用します。自己PRをたくさん盛り込みたくなる気持ちもあるかもしれませんが、あくまで送付を知らせるための書類ということを忘れないようにしましょう。
希望条件は書かない
勤務する場所や時間などの希望条件は、送付状に書かないようにしましょう。これらの内容は履歴書の「本人希望欄」に記載します。
「本人希望欄」について詳しくはこちら▽
【履歴書】本人希望欄に書くべきことと注意点 〜バイト・パートの書き方も解説〜
6.封入方法と封筒の書き方
送付状は、履歴書などほかの応募書類と一緒にクリアファイルにまとめてから、封筒に入れて投函します。封入時は、上から以下の順番で入れるようにしましょう。
- 送付状
- 履歴書
- 職務経歴書
- (あれば)そのほかの提出書類など
封筒の宛名は、縦書き・横書きそれぞれ以下のように記載します。
縦書きの場合
送付先の住所、法人名、部署名に加えて、わかっていれば担当者名を記載します。住所は都道府県から書き始め、丁目や番地ビル名まで省略せずに漢数字で書きましょう。
人事採用部など部署宛の場合は末尾に「御中」と書き、担当者宛の場合は「様」と記載します。宛名は住所よりもひとまわり大きな字で、株式会社などは(株)と省略せずに記載します。封筒左下には、赤いボールペンで「履歴書在中」と書きます。
横書きの場合
宛名書きは縦書きが一般的ですが、送付先の法人名にアルファベットが使われている場合や、洋形封筒の場合には横書きにします。縦書きでは漢数字を使いますが、横書きでは算用数字を使いましょう。
履歴書を送る封筒について詳しくはこちら▽
履歴書を入れる封筒マナー。郵送と手渡しの書き方は違う!
7.履歴書を送る際は送付状を忘れずに
応募先から履歴書を郵送するように指示されたら、送付状も忘れずに添付するのがマナーです。その際、応募先に合わせて内容を調整するようにしましょう。
また、なるほど!ジョブメドレーでは、医療・福祉・美容・ヘルスケア分野の履歴書や職務経歴書の書き方を、職種別に詳しく解説しています。例文も多数掲載しているので、参考にしてみてください。
履歴書の書き方(実例あり) |
職務経歴書の書き方 |
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