目次
- 志望動機を考える7つのポイント
- 【ケース別】介護職の志望動機の例文
- キャリアアップを目的とした例文
- ワーク・ライフ・バランス改善の例文
- ブランク明けに復職する場合の例文
- パートタイムを希望する場合の例文
- 【職場別】介護職の志望動機の例文
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- デイサービス
- 障害者支援
- 訪問介護
- 病院
- 【職種別】 介護職の志望動機の例文
- 介護福祉士として転職
- 生活相談員として転職
- サービス提供責任者として転職
- ケアマネジャーとして転職
- 【年代別】 介護職未経験者の志望動機の例文
- 新卒・20代の未経験者
- 30・40代の未経験者
- 50・60代の未経験者
- 志望動機が書けない場合は?
- 志望動機のNG事項
- 面接で志望動機を伝えるコツ
- 志望動機の書き方のポイントを押さえよう
志望動機を考える7つのポイント
介護職の転職で履歴書や職務経歴書を書く際には、これまでの経験をアピールするだけではなく、介護職としてのあなたの魅力を伝えることも大切です。
応募先が求めるスキルを有していることも重要ですが、似たようなスキルを持った応募者がいた場合、志望動機の内容が結果を左右することもあります。
以下7つのポイントを意識しながら考えてみましょう。

1.応募先の情報収集をする
公式サイトやパンフレットに目を通し、理念や運営方針を把握しましょう。応募先がどのような考えに基づいて薬剤師業務をおこなっているかがわかります。
2.自分の考えやエピソードを交える
応募先の理念や運営方針に共感するのは大切ですが、「理念に共感し志望しました」だけでは説得力に欠けます。応募先にどう共感したのか、そして自分の考えや経験とどのように結びついているかを具体的なエピソードを通じて伝えましょう。
3.ネガティブな理由はポジティブに変換
職場への不満が理由で転職する場合、そのまま伝えるとネガティブな印象を与えてしまいます。「スキルをより高めたい」「より良いキャリアを築きたい」といったポジティブな表現に変えることで、成長意欲や前向きな姿勢を強調できます。
>ポジティブな表現の解説はこちら
面接で聞かれる短所を長所に言い換えるコツ100選
4.向上心や長く働く意思を見せる
多くの施設では、長く働いてくれることを期待しています。そのため応募先でどのように活躍し、貢献したいかを伝えられると良いでしょう。
5.200〜300文字程度で書く
短すぎる志望動機は熱意が伝わりにくく、長すぎる文章は読み手への配慮が欠ける、または考えがまとまっていないと判断されてしまいます。簡潔に要点を伝えるために、以下の順序で構成すると伝わりやすくなります。
- 志望するきっかけや動機
- これまでの経験や考え
- どのように貢献できるか
6.うそをつかない
志望動機でうそをつくと、面接で矛盾が明らかになったり、入職後にミスマッチが発生してしまったりする可能性もあります。応募先に迷惑をかけてしまうだけでなく、結果的に合わない職場に就職・転職してしまっては自分にとってもマイナスになります。
>経歴詐称についての詳しい解説はこちら
経歴詐称がバレたらどうなる?詐称の項目や損害賠償について解説
7.最後に誤字脱字を確認
提出前に必ず誤字脱字のチェックをおこないましょう。表記のミスが合否に直結するとは言い切れませんが、選考に影響を与える可能性があります。
【ケース別】介護職の志望動機の例文
ここからはさまざまな志望動機の例文を紹介します。これらを参考にあなた独自の志望動機を考えてみてください。
キャリアアップを目的とした例文
これまで特別養護老人ホームで介護助手として働いてきましたが、介護職員初任者研修を修了したため、介護職として経験を積みたいと考えて転職を決意しました。貴施設では資格取得の助成制度も整備されており、さまざまなキャリアの方がスキルアップしていると伺いました。利用者の方に充実したケアを提供するため、私自身も成長していきたいと考えております。将来的には介護福祉士の取得も目指し、より専門的な知識と技術を身につけ、貴施設に貢献したいです。
ワーク・ライフ・バランス改善の例文
現在、特別養護老人ホームでヘルパーとして働いております。これまでの夜勤を含む勤務を通じ、利用者さまの自主性を尊重した介護を心がけてまいりました。今後は利用者さまに丁寧に向き合いながらも、家庭での時間も大切にできる環境で働きたいと考え、デイケアへの転職を希望しております。貴施設の「一人ひとりに寄り添うケア」という方針に共感するとともに、職員が安心して働ける環境づくりに力を入れている点に魅力を感じております。これまでの経験を活かし、利用者さまに質の高いケアを提供しながら、家庭との両立を目指していきたいです。
ブランク明けに復職する場合の例文
育児のため3年間ほど、介護の現場を離れておりましたが、幼稚園入園を機に復職を希望しています。これまで有料老人ホームで7年間勤務し、利用者さまを尊重するケアを心がけてまいりました。離職中は祖父の介護を手伝う機会があり、介護職のやりがいを改めて実感しました。貴施設のことは、親類の入所先を探している際に知り、スタッフみなさんの温かく丁寧な対応に感銘を受けました。私もその一員として、利用者さまに心温まるサービスを提供し、職場に活力を与えられる存在になりたいです。
パートタイムを希望する場合の例文
貴施設の「相手を思いやるケア」という理念に共感し、再び介護職として働きたいと思い志望しました。また、自宅から近く、柔軟なシフト調整が可能な環境にも魅力を感じております。長期間のブランクはありますが、子育てで培った傾聴力や観察力を活かし、利用者様にとって安心できる存在を目指してまいります。
【職場別】介護職の志望動機の例文
特別養護老人ホーム
これまで有料老人ホームで4年間、介護に携わってきましたが、要介護度が重い利用者の方に最期まで寄り添いたいと感じる機会が多く、特別養護老人ホームへの転職を希望しています。現職では要介護度3までの利用者さまを受け入れているため、他施設へ転出される場合もあります。次の施設での生活に慣れるご苦労や負担を思うと、私自身も不安になることがあります。貴施設では「生活の継続性を大切にする」という理念を掲げ、ターミナルケアまで提供してると伺い、志望いたしました。多様な背景を持つ利用者さまに対して、中長期的にきめ細やかで温かいケアを提供し、生活の質の向上に貢献したいと考えています。
介護老人保健施設
これまで病院で5年間、リハビリテーションを必要とする高齢者の支援に携わってきました。そのなかで、利用者さまの自立支援と在宅復帰に向けたきめ細やかなサポートの重要性を実感し、医療と介護の連携を重視する貴施設を志望しました。これまで培った経験を活かし、多職種との連携を通じて、利用者さまの身体的・精神的回復を支援し、その人らしい生活の実現に貢献したいと思います。
有料老人ホーム
介護職として6年ほど勤務するなかで、より多様で付加価値の高いサービスを提供できる有料老人ホームに興味を持ちました。現職では特別養護老人ホームで勤務しており、入居者さまの生活をよりよくするような、付加価値の高いサービスは難しい面があります。もっと晩年の生活を豊かなものにできないかと模索していたときに、貴施設の求人を拝見しました。貴施設の充実した生活支援サービスと、利用者さまの尊厳を大切にする理念に深く共感しています。これまでの経験で培ったコミュニケーション力と観察力を活かし、利用者さま一人ひとりに寄り添った介護を提供したいと考えています。
グループホーム
認知症ケアの専門性を高めたいと考え、貴施設を志望しました。これまで特別養護老人ホームで6年間勤務し、認知症高齢者との関わりを通じて、その人の尊厳と個性を尊重することの大切さを学んできました。貴施設の家庭的な環境づくりと、利用者さま一人ひとりに寄り添う介護姿勢に深く共感しています。認知症の方々の残存機能を最大限に活かし、その人らしい生活を支援する介護を実践したいと考えています。
デイサービス
介護職として勤務するなかで、高齢の方の社会との接点づくりや日常生活の支援が重要だと考えるようになり、デイサービスへの転職を希望しています。転職活動のなかで、貴施設の「地域包括ケア」の理念を知り、共感しております。季節ごとの多彩なレクリエーション活動や、利用者さまの自立支援を重視する取り組みに魅力を感じています。これまでの経験で培ったコミュニケーション力と観察力を活かし、利用者さまの生きがいづくりと心身の活性化に貢献したいと考えています。
障害者支援
介護老人保健施設で10年間のキャリアを積んできましたが、貴施設の「可能性を信じる」という理念に深く共感し、障害者支援の分野に挑戦したいと思い志望しました。これまで培った介護経験を踏まえながら、利用さまの特性を最大限に活かす支援方法を身につけたいと考えています。また、利用者さまの可能性を信じ、その人らしい生活の実現に貢献したいと考えています。
訪問介護
これまで特別養護老人ホームと介護老人保健施設で経験を重ねてきました。施設介護の必要性は十分に理解している一方で、在宅で過ごせるほうが、満足度が高いのではないかと感じるようになりました。この思いから、訪問介護に取り組みたいと希望しています。貴事業所の「社会とのつながりを大切に維持する」という方針に共感して志望いたしました。また、これまでの経験で培った介護技術とコミュニケーション力を活かして、利用者さまの状況や生活環境を踏まえた、きめ細やかなサポートを提供していきたいと考えています。
病院
老人保健施設で5年間、リハビリテーションを必要とする高齢者の支援に携わってまいりました。そのなかで、急性期医療と介護の連携の重要性を強く感じ、転職を決意しました。貴院の「治療と生活の一体的支援」という理念に共感し、急性期から回復期、そして生活期まで一貫したケアを提供できる環境に強い魅力を感じています。これまでの経験を活かし、医療専門職と協働しながら身体的・精神的回復を支援し、より質の高い生活支援を実現したいと考えております。
【職種別】 介護職の志望動機の例文
介護福祉士として転職
これまで10年間、住宅型有料老人ホームで介護職として勤務してきましたが、介護福祉士資格を取得したため、転職を決意しました。貴施設では、先進的な介護技術を積極的に取り入れ、職員の専門性を高めている点に強く惹かれました。これまでの経験と資格取得で得た知識を活かしながら、より質の高い介護サービスの提供に貢献したいと思います。また、利用者さまの尊厳を守り、その人らしい生活を支援するための深い知識と技術を磨きたいと考えています。
生活相談員として転職
グループホームの介護職として8年間の経験を積み、利用者さまとそのご家族の総合的な支援の重要性を実感してきました。日々の業務のなかではご要望にお応えできず、「社会資源を活かせば、もっと利用者さまのためにできることがあるはず」と感じることが多くなってきたため、生活相談員に挑戦しようと決意しました。貴施設では効率性だけでなく、一人ひとりのニーズを満たすことを重視していると伺いました。私も貴施設の生活相談員として、利用者さまの生活全体を支援する役割に挑戦したいと考えています。これまでの介護経験で培った信頼関係の構築・多職種連携のスキルを活かし、より包括的な支援を提供したいと思います。
サービス提供責任者として転職
これまで約10年間、デイサービスや訪問介護事業所で勤務してきました。支援をおこなうなかで、チームで連携しながら、利用者さま一人ひとりに合わせた計画を作成して支援することの重要性を感じました。今年度、介護福祉士の資格を取得できたため、今後はサービス提供責任者の役割を担える職場を探してます。貴社では地域密着型のサービス体制を整え、寄り添った支援を重視している点に共感しました。これまで培った現場経験を活かし、利用者さまの個別性に配慮した計画を立てながら支援の質を向上させていきたいと考えております。
ケアマネジャーとして転職
これまで施設や訪問の介護現場で勤務してきました。今年、ケアマネジャー試験に合格したため、今後はケアマネジャーとして経験を積みたいと考えております。介護の現場が長かったため、利用者さまのニーズに応えるケアプランを作成できると考えております。また、ケアマネジャーの業務は現場での介護と両輪になって利用者さまを支えるものです。貴施設では多職種が垣根なくコミュニケーションできていると伺い、最適な環境だと感じて志望いたしました。貴施設の一員として、現場経験を活かして利用者さまがより良い生活を送れるよう、丁寧にサポートしたいと考えています。
【年代別】 介護職未経験者の志望動機の例文
新卒・20代の未経験者
高校生のころ、特別養護老人ホームのボランティアに参加した際、入居者の方が自宅のようにくつろいで過ごす姿を見て、介護の仕事に関心を持ちました。大学では社会福祉について学び、高齢者と社会の接点の重要性について理解を深めました。貴社の「いつまでも地域とともに」のスローガンに貴施設の温かみを感じています。私も貴施設の一員になり、新人研修やスキルアップ研修で自分を高めながら、地域の高齢者の暮らしに貢献したいです。
30・40代の未経験者
これまで経理や総務などのオフィスワークを経験してきましたが、親の介護が必要になり一度離職しました。実際に介護を経験し、専門職の方とも接するなかで、この仕事の重要性や、やりがいを実感することが多かったため、介護職に挑戦したいと考えております。貴施設については、知人家族が利用していることで知りました。利用者さまの個性や生活リズムを尊重したケアが、私の理想の介護像に近いため志望いたしました。未経験ではありますが、家族の介護で得た知識と経験を活かしながら、学び続ける姿勢で貢献したいと考えております。
50・60代の未経験者
これまで事務職や飲食業での接客などに従事してきましたが、直近の2年間は母の介護のため離職しておりました。自宅で介護をおこなうなかで、介護従事者の支えのありがたみを実感しました。その母が施設へ入所することとなり、私も介護の現場で役に立ちたいと思い、介護職への挑戦を決意しました。貴施設では未経験者にも手厚い教育体制があり、シニア層の介護職員が活躍していると伺いました。未経験ではありますが、介護体験を活かしながら、責任を持って職務に取り組んでいきたいと考えています。
志望動機が書けない場合は?
志望動機がない、思いつかない、明確でない場合は、以下の2点を掘り下げてみましょう。
自分と志望先を結びつける
まず、自分の興味関心、強み、目標、好きなこと、得意なことをリストアップしてみましょう。次に、志望先の運営方針や理念を調べます。これらの情報を照らし合わせることで、自分の能力や興味が志望先でどのように貢献できるかが見つけやすくなります。
学んだことや経験を振り返る
学生時代に学んだことや以前の職場で経験して身につけたこと、あるいは日常生活での気づきを振り返ってみましょう。それらの経験が志望先での仕事にどう役立ち、どのように貢献できるかを考えることで、志望動機が明確になっていきます。
志望動機のNG事項
志望動機が漠然としている
採用担当者が志望動機から読み取りたいのは、仕事に対する意欲や熱意です。その職場でなければいけない理由や、どのように働きたいかを具体的に伝えることが大切です。
待遇面を押し出す
給与や福利厚生は志望先を選ぶうえで大切な要素です。しかし、志望動機として前面に出し過ぎるのは避けましょう。待遇を理由にすると、採用担当者は「ほかに条件の良い職場があればすぐに辞めてしまうのでは?」と危惧します。志望動機はあくまで事業内容や仕事内容に照らしたものが望ましいでしょう。
例文を丸写しする
面接対策の本やネット上で紹介されている志望動機の例文は、一般的な表現でしかありません。志望動機は自分の経験やスキルを反映したものであるべきです。例文を参考にする際は、自分自身の経験や考えを取り入れてアレンジし、よりあなたらしい志望動機に仕上げましょう。
面接で志望動機を伝えるコツ
履歴書の志望動機と一貫性を持たせる
面接で志望動機を聞かれたら、履歴書に記載した内容をベースに話しましょう。履歴書の内容と違うことを話すと、志望動機に一貫性がないと判断されてしまいます。面接では履歴書に書いた志望動機を深堀りして質問されることもありますので、あらかじめ関連するエピソードを考えておくと良いでしょう。
結論→理由→展望の順に話す
志望動機を伝える際はまずその応募先を選んだ理由を簡潔に伝えます。「◯◯◯をしたくて御社を志望しました」のように結論から話すことで、面接担当者は要点をつかみやすくなります。
次に、結論に至った理由を自身の体験や考えにひもづけて話し、入職したらどのように働きたいか展望を述べることで伝わりやすい志望動機になります。
結論:御施設の「生活の継続性を大切にする」という理念に深く共感し、志望しました。
理由:これまで介護職として有料老人ホームに7年間従事し、さまざまな要介護度の方に介護サービスを提供してきました。そのなかで、利用者さま一人ひとりの生活史や個性を尊重し、その人らしい暮らしを支援することの重要性を感じるようになりました。
展望:今後はこれまでの経験を活かしながら、きめ細かな介護スキルに磨きをかけてまいります。また、御施設が掲げている地域に根差した取り組みと、家庭的な環境づくりに貢献したいと考えています。
なお、文語(書き言葉)では「貴」を使い、口語(話し言葉)では「御」を使うのが一般的です。
>敬称の解説はこちら
「貴院」と「御院」……病院の正しい「敬称」はどっち?
2分を目安に話す
志望動機は約2分を目安に話すと良いとされています。短すぎると熱意が伝わりにくく、長すぎると面接担当者が要点をつかめないためです。
人が1分間に話せる文字数は250〜300文字とされています。履歴書の志望動機に関連するエピソードを加えるなどしながら、2分を目安に話せるよう事前に練習をしましょう。
>介護職の面接対策の解説はこちら
【介護職の面接対策】よく聞かれる14の質問と回答例、見られるポイントを解説
志望動機の書き方のポイントを押さえよう
志望動機は履歴書に記載する必要があり、面接でもほぼ確実に質問されます。適切な対策を取らなければ合否にも関わります。この記事で紹介したコツや例文を参考にしながら、熱意が伝わる志望動機を考えてみてください。
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