目次
1.【都道府県別】看護師の月収ランキング
※平均月収:2022年の6月分として支給された現金給与額を指し、手取り額でなく所得税、社会保険料などを控除する前の金額。基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額(時間外勤務手当、深夜勤務手当など)も含まれる
※ランキング内記載額:1万円単位の平均月収(1,000円未満切り捨て)
2022年の賃金データをもとに算出された「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の月収が最も高いのは東京都でした。人口の多さと医療・福祉施設の数などが影響していると考えられます。また、首都圏以外では兵庫県や奈良県などの近畿地方も上位に位置しています。
2.【都道府県別】年収ランキング
※平均年収:月収×12ヶ月分に2021年の1月から12月までの1年間に支払われた賞与・期末手当を加えた金額。基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額も含まれる
※ランキング内記載額:1万円単位の平均月収(1,000円未満切り捨て)
年収ランキングでは、月収同様に東京都が564万円で首位という結果です。続く2位〜4位までは540万円台で首位の東京都とは約20万円ほどの差があります。47都道府県中500万円を超えるのは20都道府県です。10位までには関東地方、中部地方、近畿地方がそれぞれ同数程度ランクインしているという結果になりました。
3.【都道府県別】年間賞与ランキング
※年間賞与:2021年の1月から12月までの1年間における賞与、期末手当等特別給与額
※ランキング内記載額:1万円単位の平均月収(1,000円未満切り捨て)
全国の看護師の年間賞与(ボーナス)を単体で見ると、首都圏が上位に入っていないことが特徴です。年間賞与が100万円以上なのは、富山県、岐阜県、福井県、山口県でした。とくに富山県は月収では11位ですが、賞与を含む年収では5位に入っています。月収・年収で首位だった東京都は、賞与単体で見ると24位の88万3,700円でした。
4.【勤務先別】年収ランキング
続いて看護師の勤務先別の給与相場です。看護師が働く場所は病院以外にも、診療所や訪問看護、介護施設、保育所など多岐にわたります。2023年1月時点でジョブメドレーに掲載されている求人から、それぞれの賃金相場を算出したところ次の結果となりました。
※数値は「総平均」
※年収は「月給の総平均 × 14ヶ月(ボーナスは月給の2ヶ月分)」で試算
最も賃金が高かったのは、訪問看護でした。2位以降の介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームに比べ55万円ほど差があります。訪問看護は在宅医療の需要が増していることなどから、人手不足の悩みを抱えている事業所も多く、人材の確保・安定のために賃金を高く設定しているところもあるようです。
上記は諸手当を含まない金額のため、実際に受け取る賃金はもっと多くなることが予想されます。
5.【年齢別】年収相場
続いて年齢別の給料相場を紹介します。以下は、年齢ごとに年収と賞与を合わせた金額です。
女性 | 男性 | 20~24歳 | 402万5,700円 | 375万5,900円 | 25~29歳 | 475万9,500円 | 484万6,800円 | 30~34歳 | 469万5,300円 | 519万7,900円 | 35~39歳 | 500万5,800円 | 539万4,000円 | 40~44歳 | 522万700円 | 572万7,300円 | 45~49歳 | 564万1,300円 | 579万6,600円 | 50~54歳 | 564万600円 | 599万8,500円 | 55~59歳 | 581万5,100円 | 527万5,800円 | 60~64歳 | 484万1,000円 | 461万700円 | 65~69歳 | 393万8,800円 | 422万2,300円 | 70歳~ | 400万8,600円 | 316万3,400円 |
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厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査をもとに作成
※平均年収:月収×12ヶ月分に調査前年の1月から12月までの1年間に支払われた賞与・期末手当を加えた金額。基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額も含まれる
※図内記載額:1万円単位の平均年収(1,000円未満四捨五入)
女性の年収ピークは50〜54歳で581万5,100円、男性は50〜54歳で599万8,500円といずれも50代です。男女ともに50代で最高額に達します。
男性は20代前半から50代前半にかけて年々上昇しています。一方女性は30代前半で一時年収が減るものの、その後は50代後半までゆるやかに上昇し、55〜59歳でピークを迎えたあと減少しています。30代の女性の就業者数はほかの年齢階級と比べて少ないことからも、出産や育児等のライフイベントにより、時短勤務への切り替えや夜勤免除により賃金が一時的に下がっていると考えられます。
6.看護師の初任給相場
次に、看護師として初めてもらう給料相場を見てみましょう。日本看護協会がおこなった調査によると、高卒・3年課程新卒者と大卒者の初任給は次のような結果でした。
平均基本 給与額 |
総支給額 | 高卒・3年課程 新卒者 |
20万3,276 円 | 26万3,711 円 | 大卒者 | 20万9,616 円 | 27万1,730 円 |
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*総支給額には通勤手当や夜勤手当など各種手当が含まれる
高卒者と大卒者では、基本給に差はほとんどないものの、総支給額では1万円ほどの違いがあることがわかります。
7.希望に合う職場探しを
看護師が活躍する場は多岐にわたり、同じ施設形態であっても夜勤の有無や住んでいる地域によっても給料は異なるため、一概に高い・安いと判断するのは難しいです。しかし、給料が労働時間や業務内容に見合わないと感じたら転職を視野に入れてみるのも良いでしょう。
諸手当により総支給額が基本給よりも大幅に高くなる職場もあります。求人を探す際は手当の有無をチェックしてみましょう。希望する給料、施設形態、働き方、今後のキャリアを見据えて自分が納得できる職場を探してみてくださいね。
参考
- 厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査
- 日本看護協会|2022年病院看護・助産実態調査報告書
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