目次
1.無資格可の医療の仕事
看護助手
〈仕事内容〉
病院やクリニックにおいて看護師のサポート、患者さんの心身のケアや身の回りの世話を担当します。具体的には、カルテの整理や備品管理、医療器具の消毒・滅菌、病室や検査室の清掃、ベッドメイキング、清拭、食事・排泄・入浴・移乗・移動の介助など多岐にわたります。
看護助手は看護師だけでなく患者さんやその家族とも密なコミュニケーションが求められますが、配属によっては手術室や資材室などで黙々と器材を扱うような場合もあります。
〈看護助手求人の特徴は?〉
入院設備のある比較的大規模な病院の求人が多い傾向にあります。24時間の対応が求められるため、早番・日勤・夜勤などのシフト制で働くことが多いですが、日勤のみ・夜勤のみ(夜勤専従)の働き方もあります。夜勤の場合は夜勤手当がつくので収入アップも目指せます。
看護助手の求人を見ると、「未経験可」の求人が多数掲載されています。ただし、診療科によって業務内容が異なるため、求人を探す際には配属先や仕事内容までよく確認しましょう。
歯科助手
〈仕事内容〉
歯科診療所における事務作業や、歯科医師・歯科衛生士の診療補助を担当します。歯科助手は“患者さんの口腔内に手を入れる行為”をはじめ、歯ブラシ指導などの予防処置や保健指導、レントゲン撮影などはできません。歯科医師に器具を手渡す、バキュームで口内の唾液を吸い取るといった補助業務を担います。そのほか受付・会計、診療報酬の請求、カルテの整理、院内の掃除など幅広い仕事をおこないます。歯科助手は受付で患者さんと最初に接するので、診療所の顔的な存在ともいえるでしょう。
〈歯科助手求人の特徴は?〉
歯科助手の求人では「未経験可」の診療所も多数ありますが、器具出しや診療補助では専門用語が飛び交うので、円滑なチームワークを築くためにも積極的に学び、できる業務範囲を広げていくことが大切です。受付や電話対応を任されることも多いので、接客経験があると歓迎されやすいでしょう。
歯科診療所のほとんどは日勤のみで、休診日も決まっているため働く時間を固定できるのも魅力の一つです。また近年では自宅で介護を受ける高齢者が増えていることから、訪問歯科での歯科助手求人も増えてきました。訪問歯科の場合は歯科助手ではなく「歯科コーディネーター」の名前で募集されることもあります。
医療事務/受付
〈仕事内容〉
病院やクリニックなどの医療機関において、事務作業を担当します。具体的には、受付・会計、診療報酬の請求、カルテなど備品の準備・管理、患者さんの案内などをおこないます。クリニックの場合は幅広い業務をこなす必要がありますが、大規模病院の場合は分業化しているため、配属先によって携わる業務が限定されることもあります。
〈医療事務/受付求人の特徴は?〉
医療事務の仕事は無資格から始められますが、「医療機関での勤務経験」「医療事務の民間資格」などを応募要件としている求人もあります。医療事務の仕事では診療報酬をはじめとするさまざまな専門知識が求められますので、未経験であっても医療事務の民間資格を取得しておくと応募の間口が広がり、実務でも役に立つでしょう。
医療事務の働き方は基本的に日勤のみですが、診療報酬の請求作業が発生する月末〜月初は業務量が増えやすい傾向にあります。また、勤務先によっては20時など遅い時間まで開院しているクリニックもありますので、開院時間やシフト制の有無も確認しましょう。
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調剤事務
〈仕事内容〉
調剤薬局において、薬剤師の業務のサポートや事務作業を担当します。具体的には受付・会計、一般事務、処方箋の入力・管理、調剤報酬の請求、医薬品の在庫管理、薬剤師の指示下での調剤補助(薬のピッキングや数量チェック)などをおこないます。また在宅訪問サービスをおこなっている薬局の場合、患者宅や施設に薬を届けに行くこともあります。
〈調剤事務求人の特徴は?〉
調剤事務は「無資格可」の求人が多いですが、同時に「普通自動車運転免許」を応募要件に入れている求人もあります。なお、調剤報酬の請求業務は診療報酬と比べるとそれほど難しくはありませんが、勤務先で扱う医薬品名など覚えるべき専門知識は多いです。
調剤事務の勤務時間は、調剤薬局の営業時間に準じます。最近では夜遅くまで開店している薬局が増えているため、早番・遅番のシフト制を取っていることも。また医療事務同様、調剤報酬の請求作業が発生する月末〜月初は業務量が多い傾向があります。
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2.無資格可の介護の仕事
介護職/介護助手
〈仕事内容〉
介護施設において利用者の介護や身の回りの世話を担当し、介護助手や介護補助とも呼ばれています。食事、入浴、排泄など利用者に対して直接的なサポートをおこなう「身体介護」、食事の準備や配膳、掃除、洗濯、薬の受け取りなど間接的なサポートをおこなう「生活援助」、レクリエーションの企画・実行、通所施設の場合は利用者の送迎業務などがあります。施設によっては身体介護は有資格者が担い、それ以外の業務は無資格者がおこなうなど業務を明確に分けているところもあります。
〈介護職/介護助手求人の特徴は?〉
一口に介護の仕事といっても、その事業所が提供するサービスによって働き方にも違いがあります。高齢者が入所している施設(介護保険施設や老人ホームなど)の場合は早番・日勤・夜勤などのシフト勤務が一般的で、夜勤手当も発生します。デイサービスなどの通所施設の場合は基本的に日中のみ運営しているので、職員の勤務時間も日勤のみとなります。
高齢化によって介護職の需要は伸び続けているので、無資格・未経験であっても求人は数多くあります。また、資格取得支援制度を設けている事業所も多く、入職後に介護職員初任者研修などの資格を取得する人も珍しくありません。資格があると仕事の幅が広がり、資格手当で給与アップにもつながります。求人では社内制度も要チェックです。
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介護事務
〈仕事内容〉
介護保険サービスを提供する事業所において、事務作業を担当します。主な仕事は介護報酬の請求作業ですが、それ以外にも一般事務や経理、労務、採用、広報など介護事業所の裏方として幅広い業務をおこないます。介護職と比べて利用者やその家族と接する機会は少なくなりますが、行政担当者など外部関係者とのコミュニケーションが増える傾向にあります。
〈介護事務求人の特徴は?〉
介護事務の仕事は無資格から始められますが、実際の求人を見ると「Excel・Wordなどのパソコン操作が可能な方」「普通自動車運転免許」などを応募要件にしている事業所もあります。これは介護事務の仕事ではパソコンを使うことが多く、事業所によっては利用者の送迎業務なども含まれるためです。
また介護報酬の請求作業には専門知識が求められるため、介護事務の民間資格の取得を考えてみても良いでしょう。
介護事務の働き方は、ほかの介護職とは異なり基本的に日勤のみです。ただし介護報酬の請求業務が発生する月末〜月初にかけては業務量が増えるので、1ヶ月単位の変形労働時間制を取っている事業所もあります。
生活支援員
〈仕事内容〉
障がいのある人が円滑な生活を送れるよう、介護や身の回りの世話を担当します。具体的には、食事、入浴、排泄などの「身体介護」、調理、洗濯、掃除、金銭管理などの「生活援助」、利用者の相談に応じることなどがあります。基本的には日常生活上の支援が中心ですが、事業所によっては職業訓練のサポートをおこなうところもあります。
〈生活支援員求人の特徴は?〉
多くの生活支援員の求人では「未経験可」となっていますが、介護職員初任者研修や介護福祉士などの資格を応募要件にしている求人もあります。まずは無資格の生活支援員として働いてみて、将来的にこういった資格取得を目指してみるのもおすすめです。
なお生活支援員の働き方は、勤務先が入所施設か通所施設かによって異なります。就労継続支援A型・B型事業所や就労移行支援事業所などの通所施設は日勤のみ、グループホームなどの入所施設は早番・日勤・夜勤などのシフト勤務となることが一般的です。
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就労支援員
〈仕事内容〉
病気や貧困などで就労が困難な人の就職活動をサポートします。主に、ビジネスマナーの指導や履歴書の添削、面接対策などですが、事業所によってはパソコンスキルを身につけるための訓練や、工場などで技術指導もおこないます。
似た職種に職業指導員がありますが、対象とする人の範囲が異なります。職業指導員が障がいを持つ人を対象としている一方、就労支援員は障がい者以外にも生活困窮者や疾患を持つ人、高齢者など幅広い人を対象にしています。
〈就労支援員求人の特徴は?〉
就労支援員に必要な資格はなく無資格可としている求人がほとんどですが、業務内容にハローワークや役所など外部機関とのやりとりが発生することもあり、基本的なパソコンスキルを応募要件にしているところもあります。また、利用者との関わりが多く発生するため、コミュニケーション能力が求められます。
就労支援員の働き方は事業所によって異なり、就労支援施設などは基本的に日勤のみで日曜固定休のシフト制による週休2日という事業所が多いです。一方、利用者が入所するグループホームでは夜勤を含む交代制勤務のところもあります。
調理スタッフ
〈仕事内容〉
医療・福祉施設のほか給食や介護食を提供する会社において調理や盛り付け、仕込みなどをおこない、調理補助とも呼ばれています。国家資格が必要な調理師とは異なり、調理スタッフは無資格でも働けます。
施設によっては調理師と調理スタッフの業務内容が明確に分けられており、調理スタッフは簡単な調理や食材のカット、食器の洗浄や清掃などを任されることもあります。
〈調理スタッフ求人の特徴は?〉
資格がなくても働けますが、「調理師資格または栄養士資格があると尚可」「学校給食等での調理経験がある方」など経験者が歓迎される求人も多く見られます。また、資格があることで基本給が高くなったり、任される仕事の範囲も広くなったりと待遇や業務内容が異なる事業所もあるようです。介護施設だけでなく病院や保育所など就労先も多様なため、自分の興味や得意分野に合う求人を探せます。
3.無資格可の保育・児童福祉の仕事
保育補助
〈仕事内容〉
保育園などの保育施設において、保育士の仕事の補助や0歳児〜就学前の子どもの世話を担当します。具体的には、子どもの食事・トイレの補助、見守り、整理整頓、行事の準備などをおこないます。保育士はクラス担任を持って保育計画を立てる一方、保育補助は保育士の指示のもとサポートすることが主な役割です。
〈保育補助求人の特徴は?〉
保育補助は正職員の求人が少なく、パート・アルバイトでの募集が多いのが特徴です。8時間勤務のフルタイムパートから、午前のみ・午後のみの短時間パートまで、家庭の都合などに合わせて勤務時間帯を選べるのも嬉しいポイント。
ほかの職種と比べると「未経験可」の求人がやや少ない保育補助ですが、家庭での育児経験があればOKというケースもあります。子育てが一段落して仕事復帰を考えている人には、育児経験を活かせる仕事としておすすめです。
放課後児童クラブ(学童)の補助員
〈仕事内容〉
小学校に通う子どもが放課後や学校休業日(土曜日、夏休み、春休みなど)に、安心して過ごせる生活の場を提供し、遊びや学習を通して成長を見守ります。子どもへの支援だけでなく保護者からの相談に応じ、情報交換などもおこないます。
放課後児童クラブ(学童)で、従来働くために必要な資格はありませんでしたが、2015年に放課後児童支援員が資格化されました。厳密には有資格者を放課後児童支援員と呼び、資格をもたない人は補助員と区別されています。しかし、実際の職場では無資格者も放課後児童支援員と呼ばれていたり、無資格可の求人もあったりします。資格の有無により業務内容に大きな違いはありません。
〈放課後児童クラブ(学童)の補助員求人の特徴は?〉
無資格でもできる補助員の求人には、「放課後児童クラブでの経験が2年以上」など実務経験を必要とする求人もありますが、未経験でも正職員として働ける求人も多数あります。また、基本的に学校終わりの子どもたちを対象としているため土日祝日はお休みのところが多いです。
4.無資格可の整体/セラピストの仕事
整体師/セラピスト
〈仕事内容〉
手技や道具・機器を用いた施術により、患者さんの身体の不調を改善させます。整体師/セラピストがおこなう施術にはカイロプラクティック、リフレクソロジー、リンパドレナージュ、アロマテラピー、ボディケアなどがあり、疲労回復や血行促進、歪みの改善、リラクゼーションといった効能が期待できます。また施術以外にも、受付・会計、カウンセリング・接客、集客、事務作業など幅広い仕事を担当します。
〈整体師/セラピスト求人の特徴は?〉
整体師/セラピストの求人を見ると、正職員に次いで業務委託の求人が多くあります。業務委託の魅力は指名数や施術数に応じて高給を狙える点です。また「未経験可」の求人も多いので、経験がなくても現場でゼロから技術を磨いていくことが可能です。選考においては、お客さんの体に直接触れる仕事の性質上、清潔感のある外見であることはもちろん、接客業としてのコミュニケーション能力も重視されます。
整体師/セラピストの勤務時間は、整体院・サロンの営業時間に準じます。10時から20時前後までの営業が一般的ですが、最近では仕事帰りに立ち寄る人をターゲットに深夜営業している店舗もあり、深夜手当による給与アップも期待できます。
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5.無資格可のヘルスケア/美容の仕事
ネイリスト
〈仕事内容〉
爪の形を整えて手入れをする「ネイルケア」、爪にマニキュアを塗る「カラーリング」、爪に装飾やデザインを施す「ネイルアート」、傷んだり欠けてしまった爪の補修・修復をする「リペア」の基本技術によって、爪をきれいにする仕事です。
未経験でいきなり施術することは難しいため、ネイルサロンで働きつつ経験を積んだり、通信講座やネイルスクールに通い技術を身につけたりする必要があります。ネイリストに資格は必要ありませんが、民間資格を持っていると就職で有利になる可能性もあります。
〈ネイリスト求人の特徴は?〉
ネイリストの求人には正職員、パート・アルバイトいずれの求人もあります。職員の育成に力を入れている職場では技術指導があるため、未経験でも挑戦できます。また、指名が入ると基本給に加えてインセンティブが得られることもあり、給与アップが狙えます。
仕事帰りに利用する人も多いため、勤務時間は9時から18時、11時から20時などのシフト制が一般的です。
エステティシャン
〈仕事内容〉
カウンセリングをおこない、フェイシャルやボディケア、脱毛などお客さんの悩みを改善するための施術をおこないます。店舗によってはホームケア化粧品の販売や受付、会計、予約管理、集客なども業務に含まれます。
エステティシャンになるために必須の資格はありませんが、美容専門学校やエステティックスクールで知識や手技を身につけることもできます。また、サロンで働きながら現場で技術を習得する方法もあります。
〈エステティシャン求人の特徴は?〉
エステティシャンの求人は無資格・未経験可がほとんどです。しかし、未経験でいきなり施術は難しいため、未経験可の店舗ではロールプレイやマンツーマンでの技術指導や研修などが充実しているところもあります。初めて挑戦する人は研修制度が整っているところを選ぶのがおすすめです。
給与面では、店舗で販売している化粧品などの売上や指名によりインセンティブがつくこともあります。仕事帰りに利用する人もいるため、勤務時間は9時から18時の早番と12時から21時の遅番などシフト制のところがほとんどです。
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美容部員
〈仕事内容〉
ドラッグストアやデパートなどの店舗においてお客さんにメイクアップや美容に関するカウンセリングをおこない、化粧品を販売します。ビューティーアドバイザー(BA)、 ビューティーカウンセラー(BC)、ビューティーコンサルタント(BC)、化粧品販売店員、美容スタッフなどとも呼ばれています。接客・販売以外にも化粧品の会計や陳列、検品、在庫管理などのバックヤード業務もおこないます。
〈美容部員求人の特徴は?〉
未経験・無資格で始められる求人が多数あります。接客マナーやメイクアップ技術の研修制度が充実している会社もあり、未経験で不安な人でも挑戦できます。また、勤務時間は店舗の営業時間に応じてシフト制のところが多いようです。
商品の売上に対してインセンティブが支払われるところもあり、頑張り次第で給与アップも期待できますが、ノルマの有無は求人や面接で確認しておくと安心です。また、商品の社員割引制度が利用できるところも多いため、商品を試しつつ知識を身につけることができます。
インストラクター
〈仕事内容〉
スポーツジムやフィットネスクラブにおいて、スポーツの技術指導をします。具体的には、施設の利用者に対してトレーニングマシンの使い方やアドバイスをしたり、スタジオでヨガやエクササイズのレッスン、トレーニングメニューの考案などです。
対利用者以外にも、スタジオやロッカールームの清掃、マシンの点検のほか、入会・受付業務や商品の販売などの業務が発生することもあります。
〈インストラクター求人の特徴は?〉
インストラクターの求人を見てみると、無資格で始めた人が活躍している事業所も多く見受けられます。夜遅くまで営業している施設もあり、早番と遅番などシフト制による勤務が一般的です。また、全国展開しているフィットネスクラブなどでは転居を伴う異動の可能性もあります。転勤の可能性があるか入社前に確認しておきましょう。
福利厚生の一環として施設を無料または社員割引で利用できるところもあります。施設によっては売上に応じた賞与の支給やインセンティブがあるなど、給与アップが目指せる制度があります。
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6.無資格で医療・介護・福祉・ヘルスケア・美容の仕事に就くメリットとは?
医療・介護・福祉・ヘルスケア・美容の仕事には、特定の資格や実務経験がなければ就業できない職種も多く存在します。無資格から仕事を始められるメリットの一つに、“自分はその仕事に向いているか”を現場を経験しながら見極められることがあります。
働き始めてから「自分には適性がある」「もっと専門性を深めたい」と感じたら、勤務先の資格取得支援制度を活用する、大学や専門学校に通って学ぶ、より専門性の高い業務に携われる職場に転職するといった方法でキャリアアップを目指すこともできます。
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